地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2020年07月

 本書は、未熟な若い落語家が、禅寺で座禅などの修行のまねごとをしながら、禅のことを学んでいくストーリーの漫画です。「悟りへの道」という副題が付いています。

 釈迦が菩提樹の下で座禅をして悟りを開いたように、座禅は古代インドからの修行法ですが、それを「禅」として確立していくのが、後世のダルマなどです。本書には、ダルマが禅を始めた頃や、慧能禅師らが禅を確立していく頃のエピソードも紹介されています。

 

 本書には、いわゆる仏様はほとんど登場しません。仏様に帰依して救ってもらうとかの話はなく、悟りを開いて心の平安を得ることが、禅の目的のようです。

 私は、ここ最近、漫画などで簡単に読める仏教関係の解説書を何冊か読んでいるだけの素人です。素人なりの考えですが、釈迦が悟りを開いたときのその内容は、諸行無常、諸法無我など、この世が無常で絶対的なものなど存在しないことで、それを深く悟って物事へのこだわりを捨て、心の平安を得るというようなものだったろうと思います。如来だとか菩薩だとかの、いろいろな仏様の体系や概念などなかったでしょう。

 各種の仏様は、悟りを得るために長年にわたって修行するようなゆとりのない一般民衆に心の平安を与えるため、便宜上考えだされたもののような気がします。

 そうであれば、禅こそが仏教の当初の考え、釈迦の教えをストレートに引き継いでいるのかもしれません。また、一方、特定の神や仏に頼るわけでもないこのような形のものが、「宗教」と呼んでいいのかという疑問も湧きます。

 仏教は、キリスト教やイスラム教と比べて非常に哲学的ですが、中でも禅はその性格が強いと思います。

 そのような禅の性格が、禅がキリスト教徒などにも受け入れられている理由なのかもしれません。

 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次) 


 7月4日(土)から毎週土日に行われている京都大学のオンライン公開講義「立ち止まって、考える」で、7月19日(日)の「パンデミックの倫理学」のテーマは、「人工呼吸器を誰に配分するか」でした。

 講師は、京都大学の児玉聡准教授です。

 「京都大学オンライン公開講義がすばらしい!」

 

トリアージについてのいろいろな考え

 トリアージは、災害などで治療を必要とする患者が多数発生し、医療資源が不足する時に、それを誰に優先的に提供すべきかという選別です。日本でも大災害などの際に行われ、今回のコロナパンデミックでは、人工呼吸器や集中治療室が不足したイタリアなどで、人工呼吸器は高齢者には使用しないという運用が行われました。

 イタリアの対応は、最大多数の利益という観点からやむを得ないことととらえられ、これを非難する声はほとんどないでしょう。私もそう考えます。

 ただ、あの対応を是認する考えの根拠は、いくつか種類があるようです。

 英国医師会の考えは、年齢によって直接に差別することはダメだが、治療によって生存する可能性の高い人を選択する結果として高齢者が排除されることはやむを得ないということのようです。

 余命の長い人を選ぶ考えや、「フェア・イニング論」といってまだ十分に人生を享受していない人を優先するのが公平だという考え方も紹介されました。

 

あらかじめ議論すべき

 このような議論をあらかじめ行い、優先順位を可能な限り具体的に決めておかなければ、いざというときに、すべて医師の決断に委ねられてしまいます。医師には、トラウマが残るようです。

 日本でも、医師の心理的負担を少しでも軽くするため、早急に議論しておくべきだと思います。

 

公平と平等

 本論に先立って、10万円の特別給付と、1世帯2枚のマスク配付について、平等公平と考えるかどうかのアンケートが参加者にオンラインで行われました。

 10万円の給付については、平等だが個々人の必要性に基づいていないので公平ではないという意見が8割でした。しかし、財源がすべて国債であること等から、世代による不平等もあり、平等でも公平でもないという意見もありました。

 アベノマスクについては、世帯の人数に差があることから、平等でも公平でもないという意見が7を占めました。

 

 この公開講座、本当にお勧めです。特に将来のある現役世代に聞いていただきたいと思います。ネット、ユーチューブで公開されているので、聞き逃した方も今から視聴できます。

 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次) 

 7月22日から開始する予定のGo To キャンペーン」について、赤羽国土交通大臣が、716日に突然、東京発着の旅行、東京都民の旅行は対象にしないことを発表しました。直前までは全国一律で強行する構えを示していましたが、各地の知事、専門家などが次々に全国での実施に反対を表明したため、修正せざるを得なくなったようです。

 私のこのブログでも全国規模での実施には反対を表明していました。しかし、変更後の東京除外案にも反対です。

 「立ち止まることは難しいが・・・ Go To キャンペーン」

 

私の反対理由

 反対理由の第一は、多くの識者も指摘してるように、東京都だけ除外しても感染拡大が止められないと考えられることです。同じ生活圏で、昼間は東京で生活している埼玉県や神奈川県在住の人が大勢いる中で、東京都民だけ規制しても、感染拡大のスピードを少しは落とす効果はあるでしょうが、感染拡大自体は止められないと思います。また、神奈川県、埼玉県などでも感染者数が増えています。

 第二は、行政の公平性を著しく損なっている点です。東京都民だけ差別的に除外しています。私は東京都民ではありませんが、義憤を感じます。

 「人口10万人当たりの1週間の感染者数が〇か月続けて〇人以下の都道府県」を対象とするなどのメルクマールを示し、結果的に東京都だけ外れるというのならやむを得ないでしょう。しかし、そのようなメルクマールも示さず、東京都だけ名指しで除外するのは、行政の公平性の観点から許されないでしょう。

 おそらく、官僚組織としては、メルクマールを示すなどして、行政の最低限のモラルを保ちたかったはずです。しかし、政権の場当たり的な決定があまりに急すぎて、そのような体裁を取り繕う暇さえなかったということでしょうか?

 仮に今からメルクマールを示しても、後出しじゃんけんと言われるでしょう。

 

 翌17日の会見では、再び赤羽大臣が、高齢者や若者の団体旅行は控えてもらうなどと、新たな差別的取扱いを言い出しました。「高齢者」「若者」「団体旅行」など、定義が不明確なことで差別されても、納得できないでしょう。また、補助の対象に留めておきながら控えてくれなど、まさに泥縄です。これに振り回されざるを得ない旅行会社の皆さまは、本当にお気の毒です。

 ここまで泥縄だと、もはやコメディーです。この手の政治コメディーは、第二次安倍政権では見慣れているのですが、いよいよ末期症状の様相を呈してきました。

 にほんブログ村 ニュースブログ ニュース感想へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次) 

自動車や自転車の運転中のスマホは、以前から道路交通法で規制されていますが、歩行中のスマホは規制する法律がなく、野放しの状態でした。

 神奈川県大和市の議会で625日、歩きスマホを禁止する条例が可決成立し、7月から施行されるとの報道です。私は大賛成で、全国の自治体に広がってほしいと願っています。

 

大和市の条例

「大和市歩きスマホの防止に関する条例」では、「何人も、公共の場所において歩きスマホを行ってはならない」と規定し、「歩きスマホ」を「スマホ等の画面を注視しながら歩行すること」と定義しているとのこと。「スマホ等」には、スマートフォンのほか、携帯電話やタブレット端末、その他これらに類する物も含まれ、これらの画面を注視しながら歩行することが「歩きスマホ」の対象となるとのことです。

また、「公共の場所」とは、市内の道路はもちろん、駅前広場、公園、その他の公共の用に供される場所を指し、室内などは除かれます。駅の構内などは対象なのか、報道では明らかでありませんが、おそらく対象外でしょう。

 

歩きスマホする人は多い

 私も、歩いているときに電話がかかってきたり、メールが着信したりした場合、歩きながら操作することがあります。しかし、問題なのは、画面を注視してゲームをしたり、漫画や記事を読んだりする行為です。歩きながらそんなことをする人は、一種の中毒だと思います。そんな人とすれ違う時は、相手が自分に気づいているのか不安になり、危険を感じます。

 

 残念なのは、この条例では罰則が設けられなかったことです。スマホの没収などの罰則を規定したほうが、実効性が高まったでしょう。今後の課題です。

 にほんブログ村 政治ブログ 地方自治へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次) 

 722日からGo To キャンペーン」が始まります。国内旅行を対象に、旅行代金の1/2相当額、最大1人あたり12万円(日帰り旅行の場合は1万円)まで支援するというものです。支援額のうち、7割は旅行代金の割引で、3割は旅行先で使えるクーポンとして付与され、回数の制限はないとのことです。旅行に行こうとする人にとっては有利な制度で、行きたくなる人は多いでしょう。

 

全国単位で行う時期ではない

 712日、世界の感染者数は、23370人と過去最多を記録しました。その日、日本でも東京都の新規感染者数が4日連続で200人を超えるなど、感染拡大が収まったなどとは到底言えない状況です。そんな中、旅行、人の往来を補助金付きで奨励するなど、能天気にもほどがあり、正気の沙汰とも思えません。

 地域の状況によって、県民に県内観光を奨励するのはありでしょう。地元の温泉に県内客が宿泊する場合に補助をするのは、いくつかの県で実施しているようです。しかし、全国レベルでは行うべきではないと思います。

 現在は、県をまたぐ移動を再び制限しなければならない状況ではないでしょうか?

 

ストップするのは非常に困難ではあるが・・・

 関係者が懸命に準備を進めてきたことにストップをかけるのが困難であることは承知しています。誰もそんな決定をしたくないでしょう。しかし、責任ある為政者であれば、状況によって決断しなければなりません。

 昔、「失敗の本質」(戸部良一ほか)を読みました。そこで紹介されていた日本軍の作戦のいくつかは、大本営では実施すべきでないことが分かっていたにもかかわらず、現地で準備を進めてきたことにストップをかけることをためらい、悲惨な結末に至っていました。

 今の政府をはじめ、日本の組織は旧日本軍の時代からほとんど進歩していないのかもしれません。

 

 619日、県外移動制限の解除に加え、多くの営業自粛要請も解除されました。7月に入ってからの感染の再拡大は、その結果のような気がします。

 

 国は、全国単位で観光振興などをやろうとせず、財源も地方に与え、地域の実情に応じた対策に委ねるべきだと思います。

 にほんブログ村 ニュースブログ ニュース感想へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次) 


↑このページのトップヘ