地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2020年08月

 命じられて公文書改ざんに手を染めてしまったことを苦にして自殺された近畿財務局職員の遺族が、公文書の開示を巡って近畿財務局長を提訴しておられます。

 この報道を見て、近畿財務局の対応にあきれています。正直に言えば、バカだと思います。

 

手続の経緯

 令和2年4月13日、自殺された職員の妻が、夫の公務災害認定に関して財務局が保有する一切の文書について、個人情報開示請求をしました。

 それに対し、近畿財務局は、5月13日、文書が大量であることやコロナによる多忙等を理由に、6月15日までに可能な部分について開示決定等を行い、残りの部分については令和3年5月14日まで開示決定の期限を延長するという通知を送ってきたとのことです。臆面もなく、1年も先送りするつもりです。そして6月10日に開示したのは、「公務災害に係る遺族補償年金等の支払いについて」という10枚の文書だけだったとのことです。こんな、年金額算定の結論部分だけの資料だけ開示されても、経緯は分からないでしょう。

 職員の妻は、情報の速やかな開示を求めて提訴し、818日に公判が始まりました。

 

1年もの先送りは許されるはずがない

 私も高齢者福祉施設の建設補助などの仕事をしているとき、公文書公開の手続を何度も経験しています。個人情報の開示請求は、公文書公開とは少し異なりますが、手続等は類似しており、たしかに、手間のかかる作業です。

 まず対象の文書を特定し、その中に公開できない箇所がないか念入りに検討し、起案します。私のときは、対象文書をすべてコピーし、黒塗りすべきと判断した個所を蛍光ペンでマークして、上司や関係課(文書管理の主務課など)に決裁を回しました。決裁になったら、決裁の通りにコピー文書に黒塗りをし、それを公開用に再度コピーしました。コピー文書にマジックで黒塗りしただけでは、文字の部分が光って判読できる場合があるからです。

 たしかに対象文書が多ければ作業は大変ですが、1日もあれば十分でしょう。審査・判断に時間がかかるのでしょうが、その気になれば決裁権者(おそらく局長)を1日拘束させてもらえば、絶対にできるはずです。何かを隠そうという意図がなければ、その判断もさほど難しいものではないでしょう。

 

要は時間稼ぎか

 非開示にすべき適当な理由が見当たらないけれども開示できないと考えている文書、箇所が多いために、こんなことになったのでしょう。

この問題は国民の関心も高く、財務省、近畿財務局が本気で国民の信頼を回復したいと考えているなら、絶対に速やかに開示するはずです。

 時間を稼ぎ、国民の関心を薄れさせ、関係した上司は人事異動で昇任したり、退職で逃げ切ったり、内閣が交代したりすることを狙っているのでしょう。

 こんな対応を許しては、法治国家の名に値しないでしょう。

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 公務員給与に関する人事院勧告は、例年8月上旬に行われますが、今年は10月以降になるという報道がありました。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、民間給与実態調査が2か月ほど遅れたためのようです。

 そうなると、特に地方公務員について、給与改定の日程が大変です。

 

例年のスケジュール

 10月初旬 都道府県等の人事委員会による給与勧告

       各自治体で給与改定の方針決定、職員団体と交渉

 11月、12月 給与条例の改正を議会で議決

  (期末・勤勉手当が据え置き又は増額の場合は12月に議決してもいいが、減額の場合は、12月の期末・勤勉手当の基準日である12月1日までには議決を済ませておかなければならない【不利益変更不遡及】。今回の改定は、間違いなく減額改定だから12月1日までに議決が必要でしょう。)

 

2020年のスケジュールは?

 12月1日までに議会の議決を得なければならないので、人事委員会の勧告は、人事院勧告からほとんど遅れずに出さなければならないでしょう。恐らく、各人事委員会は、人事院勧告の原案を情報収集し、準備するのでしょう。

 それでも、職員団体との交渉の時間はほとんどなさそうです。

 専決処分でやろうとしても、121日までにやらなければならないことは同じなので、あまりスケジュール面でのメリットはありません。

 

 最悪の場合、12月の期末・勤勉手当は現行条例通りに支給し、2021年に支給する期末・勤勉手当で減額することも考えられなくもありませんが、2020年度末退職者は逃げ得になります。まずあり得ないと思います。

期末・勤勉手当の減額は民間ほどではな

 期末・勤勉手当の減額の程度は、民間の今年の夏のボーナスほど厳しくはないはずです。今回の改定には、民間の昨年8月から今年の7月までの賞与等の支給が反映されます。つまり、厳しい今年の夏の賞与だけでなく、コロナ前の昨年の冬の賞与も反映されるので、厳しさが緩和されるでしょう。その代わり、回復する時も半年遅れになります。
 「令和2年度の期末勤勉手当はどう減る?」 参照
 

 大急ぎで勧告をしなければならない都道府県等の人事委員会の皆さま、大急ぎで職員団体と交渉したり条例案を作らなければならない各自治体の人事当局の皆さま、交渉を急かせられる職員団体の皆さま、お疲れ様です。

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 新型コロナウイルスの感染拡大の過程で、数々の失政が明らかになり、安倍政権は元々乏しかった国民の信頼をさらに失い、危機に瀕しています。

 私は、その中でも、必要な国民への給付ではなく一律給付にしたことと、十分な補償をせずにあいまいな形で経済活動の自粛を求めたことの二つが最大の失政だと思います。この失敗のせいで、コロナ収束後の経済回復が、諸外国と比較して遅れてしまうことを危惧しています。

 

企業倒産、失業が増えそう

 ろくな減収補償や休業補償をせずに営業の自粛を求めたことなどにより、解雇される人が増えています。また、今後、倒産する企業も増えてくるでしょう。これらのことは、コロナ収束後の経済回復の足かせになりそうです。

 

生き残った企業も投資などはお預け

 生き残った企業も、日本の政府が頼りにならないことを痛感しているでしょう。企業経営者は、内部留保を充実させておくことの重要性を再認識したと思います。

 コロナがいったん収束し、経済が動き始めたとき、企業経営者は次の何かの感染症の流行に備えて、内部留保を積み上げようと思うはずです。1年ほど収入がほとんどゼロになっても企業を存続させられる程度の内部留保は欲しいところだと思います。

 そうすると、新規投資とか従業員の給与を上げるとかよりも、内部留保の積み上げを優先させざるを得ません。

 家計も同様です。経済が少し動き始めても、消費を拡大させるよりも、貯蓄を充実させたいでしょう。何しろ、政府は頼りにならないのですから・・・。消費を元の水準に戻すのは、年金生活者や生活保護対象者くらいかもしれません。

 

 政府への不信に基づく企業、家計のこれらの保守的な動きは、経済回復の足かせにならざるを得ません。企業や国民の行動を、消費や投資の拡大に向かわせるのは、至難の業のように思えます。

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 3年ほど前に新聞のベストセラーのランキングに載っていて、読みたい本のリストに記録しておいたのですが、ようやく読むことができました。

本書は、いろいろな国のことわざ、いろいろな人の言葉の中から、サラリーマンの処世訓的なものを集め、ユーモアを交えて紹介したものです。肩ひじ張った真面目な本ではありません。だから相反する言葉も並べられています。

「多忙な蜜蜂には悲しむ暇がない」(ブレーク)

「人間が幸福であるために避くべからざる条件は勤労である」(トルストイ)

「午後5時にひけますね。それからあとの生活に情熱をこめられる人が、いいサラリーマンだと思うのです。」(中村武志)

 

 本書は、昭和30年、著者がまだ産経新聞の記者をされていて、司馬遼太郎というペンネームもなかったころ、本名の福田定一の名で、「名言随筆サラリーマン ユーモア新論語」と題して刊行されたものです。それを司馬氏の死後、氏の考えを知るための貴重な資料として、題名を新しくして復刊したとのことです。

 停年(定年)が「社会的な死」とされ、「死は、自然死だけでも荷厄介なのに、その手前に社会死まで用意されている・・・」との描写があります。ベースが昭和30年ころの社会なので、現代とはだいぶ世相が異なりますが、定年についての感じ方は、人それぞれなのでしょう。私は、待ち遠しい気持ちでしたが・・・。

それでも楽しく読むことができました。

 

 本書の第一部が、サラリーマンの処世に関する言葉の紹介、第二部は、著者が駆け出しの新聞記者だったころの体験談が収められています。第二部も、なかなか興味深い話でした。

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 一国二制度という約束の下で香港がイギリスから中国に返還された際、西側諸国は「金の卵を産む鶏を殺すような馬鹿なことをするはずがない」といって香港への投資等を継続しました。

 また、経済開放が進めば民主化も進み、人権も尊重するまともな国になるだろうとの期待の下に、2002年、WTOにも迎え入れました。

 しかし、中国は約束を破り、人権侵害を続け、他国の知的財産権の侵害も続けています。金の卵を産む鶏も殺してしまおうとしています。

 

 すでに世界各国は中国の危険性に気づき、これ以上発展させず、衰退させる方向に動き始めました。中国を外した経済体制の構築を始めています。

 

アメリカ次期政権への期待

 トランプ政権の強硬姿勢について、中国では、トランプ氏の選挙目当ての行動ととらえ、政権が代われば収まるものと楽観視する見方もあるようです。次期政権は、トランプ政権のような独善的なやり方は採らないでしょうが、例えば、WHO脱退を取りやめる条件として台湾の参加を認めることを求める等、理性的なやり方で中国の期待を打ち砕いていただきたいものです。

 

日本の政権にはがっかり

 アメリカばかりでなく、EU諸国、オーストラリア等も中国に対してかなり強硬な姿勢を打ち出している中、日本政府の及び腰の姿勢が目につきます。恥ずかしいことです。

 中国共産党ではなく、香港市民、中国の良識派に寄り添う方が、長期的な日中友好に資すると思うのですが・・・。海外の情報が多少は入ってくる社会で、あんな極悪政権が長続きするとは思えませんから。

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