地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2020年09月

 918日にジャパンライフの元会長、元社長らが警視庁に逮捕されました。それから、マスコミは連日のように、虎の子の老後資金をだまし取られた高齢者の悲惨な状況を報じ、その中で、安倍前総理から元会長への「桜を見る会」の招待状が演じた役割についても報じられています。あの招待状が、お金を持っている高齢者を信用させるための「騙しの小道具」として使われたことは間違いありません。
 あの招待状を出した人は、詐欺の共犯といってもいいかもしれません。

 

タイミングが良すぎる

 安倍前総理の退陣前に今回の逮捕劇があれば、「桜を見る会」の疑惑についてあらためて注目が集まり、安倍前総理に説明を求める意見や批判が殺到したでしょう。その状況下で退陣すれば、「逃げた」と言われるのは必定です。
 また、退陣表明後、菅新内閣の発足前に逮捕劇があれば、新政権が「再調査しない」と突っぱねることが困難になっていたかもしれません。

 828日  安倍前総理が退陣表明

        手続を省略して自民党総裁選挙、首班指名

 916日  菅新内閣が発足

 918日  ジャパンライフ元会長らの逮捕

 

 綱渡りのようなタイミングです。

 

逮捕が近いことは知っていたはず

 今回の逮捕は警視庁ですから、ジャパンライフ元会長らの逮捕が迫っていることは、警察庁は知っていたのではないでしょうか?

だとすると、国家公安委員長、法務大臣も知っていた・・・?

彼らが知っていれば、こんな政治案件を総理大臣に伝えないとは考えられません。

 

警視庁の逮捕の期日をにらんで辞任表明、党員投票省略での総裁指名、新内閣の発足のスケジュールを組んだか、政治的な騒ぎになることを嫌った警視庁がスケジュールを配慮したか、いずれにしても偶然にしてはできすぎています。

安倍元総理の持病悪化は事実でしょうが、それにしては辞任表明後も連日のように会食に励んでいることを訝る声もあるようです。

 

ここは、野党、ジャーナリズムに頑張っていただき、再調査、疑惑の真相解明をお願いしたいところです。

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 公明党税制調査会の西田会長が、918日、時事通信のインタビューで、令和3年度が3年に1度の評価替えの年に当たる固定資産の評価替えについて、評価額を1年据え置くべきだとの考えを示したとの報道です。

 詳しい報道が見当たらず、西田氏の個人的な考えなのか公明党としての考えなのか、どういう目的でこんなことをしようというのか分かりませんが、意味不明です。

 

何のために据え置き?

 地価の高騰が続いているなら、コロナ禍に配慮して固定資産税の負担増を避けるために先送りする意味はあるかもしれません。しかし、今はそんな状況ではありません。

 地方の昔からの繁華街などでは、依然として地価の下落が続いている地域が多く、据え置きなどとんでもありません。そんなことをしたら、市価よりも固定資産評価額の方が高い地域が続出し、不服申立てや訴訟が頻発するかもしれません。評価基準では、固定資産評価は地価公示などの70%の水準に設定することになっていますが、地方の商業地などでは、地価公示、地価調査の価格が市価を大幅に上回っているところも少なくありません。

 

多くの作業が無駄になる

 令和3年度評価の基準日は令和311日ですが、評価替えの作業のための価格調査基準日はその前年、令和211と定められています。したがって、市町村では、土地の現況調査はもちろん、鑑定評価も済ませているところが多いでしょう。

 今さら1年先送りにされると、膨大な作業が無駄、二度手間になります。迷惑この上もない話でしょう。

 また、評価替えの基準とする土地の市価は、原則として価格調査基準日の令和211日時点の市価ですが、その日以降、同年71日までの間に市価が下落していると認められる場合は修正できることになっています。

 令和211日の地価には、新型コロナによる景気崩壊の影響は表れていなかったはずですが、その後の下落も反映できる仕組みになっているのです。

 

 納税者のためにもならず、市町村にとっては迷惑な先送り、よもや菅内閣がその気になることはないとは思いますが、注目しています。

P.S 9月29日、都道府県の地価調査(7月1日現在)の結果が公表されました。コロナ禍の影響で、下落した地域が多かったようです。据え置きなど、もってのほかです。

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 令和2年度の国勢調査が始まりました。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、なるべく調査員と対象者の接触を避ける方針で進められているようです。そのこと自体は当然ですが、このやり方では混乱を招き、精度も心配です。

 

郵便受けに投げ込むだけでは放置される

 今回は、我が家もそうでしたが、調査票を郵便受けに投げ込むだけの場合が多いようです。前回までは調査員が面会し、回答を依頼して回収に来る日などを打ち合わせていたような気がします。郵便受けに放り込まれていても、他のダイレクトメールなどと同じく放置されてしまいます。あのような書類は、わざわざ読むのも億劫だという人も多いものです。

 国勢調査のホームページを見ると、調査員が訪問してインターホン越しに説明、依頼することが原則で、不在の場合は郵便受けなどに入れることになっているようです。しかし、我が家では、妻が家にいたのに、いつの間にか郵便受けに入っていたようです。そういうやり方が事実上容認されているのかもしれません。

 

説明なしは不親切

 我が家には説明書のほかに調査票が1枚だけ入っていました。調査票1枚に世帯員4人分を書く様式なので、2人世帯の我が家ではこれで十分です。しかし、同じ市内の妻の実家には、一人世帯にも関わらず2枚入っていました。しかも、調査員が勝手に、「2枚のうち1枚目」「2枚のうち2枚目」などと鉛筆で書きこんでありました。おそらく、一律に2枚ずつ入れたのでしょう。

 4人以下の世帯は1枚だけ提出すればいいようなのですが、説明もなくこんなことをされると、白紙の2枚目も提出しないといけないのか不安になります。

 うっかり2枚目に記入してしまい、それだけ提出したときに、エラーにならないかも心配です。

 

 前回の調査員は、町内の自治会の役員もされている方で、顔見知りでした。今回は、誰が調査員なのかも分かりません。回答が確認できない場合は10月7日以降に調査員が訪問するようですが、封筒をもう捨ててしまった人もいることと思います。かなり混乱するのではないか、心配しています。

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 つまらない自己啓発本によくありそうな題名で、私は普通ならば絶対に手に取らなかった本でしょう。正直、私はそんな題名の自己啓発本が嫌いというか、実のところ少々馬鹿にしていますが、これはその類の本ではありません。

 副題が、「親鸞聖人「正信偈」に学ぶ肯定する生き方」となっています。私は、最近、仏教、特に親鸞聖人の思想に興味を抱いて関連書を少しずつ読んでいます。この本も、その流れで見つけたものです。

 「帰命無量寿如来」で始まる120句、840字のお経、「正信偈」(しょうしんげ)を聞いたことのない人は、浄土真宗の門徒以外でも少ないと思います。正信偈は、親鸞聖人が自ら漢文で書かれたもので、浄土真宗の教えを凝縮したものです。浄土真宗のお経の中で最も頻繁に詠まれ、聞く機会の多いものだと思います。その意味が理解できるようになりたいという気持ちから、本書を手に取りました。

 

 冒頭の「帰命無量寿如来」は、無量寿如来(= 阿弥陀如来)に帰命(信じ、敬い、頼ること)しますという意味のようです。阿弥陀は、サンスクリット語の「アミターユス」(量りしれない寿命)、「アミターバ」(量りしれない光、空間)を漢語で音訳したもので、無量寿などは意訳したもののようです。

 果てしなく続く時間と空間の流れを信じ、身を任せてしまえば、浄土(何も苦しいことのない世界)に生まれ変わることができるということです。このような、時間、空間といった目に見えない働きを人はなかなか信じることができないので、仮に阿弥陀仏のような仏様、仏像を創り上げたということです。これは、著者ばかりでなく、多くの仏教者、仏教思想家も認めている考えのようです。

 

 やはり、仏教は、キリスト教やイスラム教と違って、深遠な哲学に近いものだと思います。神や仏の存在など信じることができない私のような者でも、このような考えなら理解することができます。

 

 著者は、真宗佛光寺派のお寺に生まれ育った女性ですが、お寺を継ぐ気がなく、アメリカに渡るなどしていたのが、家庭の事情で急遽あとを継ぐことになった女性僧侶です。様々な体験をもとに、解説されています。

 私の疑問にかなり答えてくれ、読んでよかったと心から思います。ただ、正信偈の意訳は載っていますが、併せて漢文の読み下し文も併記してあればもっとありがたいのですが・・・。また、題名も、別の題名の方がいいと思います。

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 916日に菅新内閣がスタートしました。

 様々な有識者、各政党幹部などの新内閣に対する感想が報じられていましたが、概ね、新味のない内閣という評価だったようです。私が秀逸だと思ったのは、共産党の小池氏による「安倍晋三さんのいない安倍内閣」との評、テレビを見ていて吹き出しました。あの方は私とは政治的意見は異なるでしょうが、なかなかユーモアのある人のようです。

 新総理の立場上やむを得なかったのだろうと同情はしますが、麻生氏などを副総理に残留させなければならなかったことは、イメージ的に最悪でしょう。育てられ方が悪かったせいでしょうが、訳もなく上から目線で、品がなく、そもそも森友問題での財務省の対応の責任を問われて、更迭されるべき人だったわけですから・・・。

 

河野行革担当大臣には期待

 私が河野氏を注目し始めたのは、平成28年にあの方が国家公安委員長の時です。あの時、公安委員会規則を「新旧対照表方式」で改正し、この方式の普及を図ろうとされました。この方式は、法律、政令の改正ではまだですが、府省令では一般化したようです。

 「内閣改造 河野太郎外務大臣への期待」 参照

 

 この一件などから、河野氏は、普通の感覚の持ち主で、しかも、あまり周囲に遠慮せずに発言し、実行していくタイプだと感じています。政治家としては、必ずしも有利とは言えないタイプかもしれません。

 彼のこの性格は、防衛大臣の時の記者会見で日本のミサイル防衛システムの強化について「周辺国の理解が重要になってくると思われますが・・・」という記者からの質問に対し、「なんで中国や韓国の了解が必要なんですか?」と返したことにも表れています。日本の防衛について、尖閣諸島を強奪しようとしている中国や、日本の領土である竹島を不法に占領している韓国の了解など得る必要がないことは当然です。記者の下らない建て前での質問に対し、実質論・本音で返しました。左派マスコミが問題にできなかったのは、これがまさに正論で、国民の多くがあの考えを当然と考え、批判の余地がなかったためでしょう。

 

 河野大臣は、早速、深夜の就任会見を批判し、さらに縦割り行政「目安箱」を設置しました。すべてを彼が目を通すことは不可能だと思うので、彼を補佐する官僚の資質、気構えが重要です。

 今後に期待しています。

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