中国を理解することは困難であることを、日ごろから感じています。孔子が説いて現代の日本に至るまで大きな影響を与えている儒教道徳や、「三国志演義」に見られる美しい人間関係と、平気で人を騙し、嘘をつき、他国の知的財産を盗む現代中国とが、結びつかないのです。
本書は、中国人の不道徳な言動を列挙した単なる嫌中本ではなく、中国人の行動の背景を説明しています。
関係(グワンシ)
中国人の基本的な行動原理に「関係」(グワンシ)があります。人間関係を内と外に分け、内の人間に対しては信義を尽くすが、外の人間に対しては最後は裏切る(裏切られる)ことが当然と考えられています。裏切ることで得をする機会を得たときは、躊躇なく裏切り、それは道徳的な悪とは考えないということです。だから、関係のある人に頼まれれば、所属している機関のルールなどあっさりと無視し、機密情報を持ち出すなども平気です。
中国共産党は黒社会、秘密結社
中国の伝統的な黒社会(犯罪組織、やくざ組織)は、社会主義革命による強力な集権的統治で消滅しましたが、実は共産党がそれに取って代わったようです。もともと権力と戦う非合法組織である共産党が秘密結社として発足したのは当然ですが、革命後も排他的で残忍な秘密結社、黒社会の性格をそのまま残してしまったようです。
各組織の党委員会、人民解放軍の暴走
各地の人民解放軍が、予算の獲得や人事上の思惑から、党中央の意図とは無関係に軍事行動を起こしこともあるようです。
最悪の事態を避けるため、著者は次のように提言しています。
「最悪の事態を避けるために日本として大事なのは、米軍と連携し、尖閣を占拠されてもただちに奪還できる戦力を誇示することだ。」
「中国共産党や人民解放軍の強硬派にギャンブルを思いとどまらせる状況をつくりだすことが、共産党内の改革派(良識派)を助け、結果として日本と中国双方の利益になる。「沖縄から米軍基地を撤去させろ」と叫ぶひとたちに欠けているのは、こうしたリアリズムなのだ。」
同感です。
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