地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2021年03月

 318日(木)、病院関係者の集まりの場で、各自治体や病院における新型コロナのワクチン接種の準備状況の話を聴く機会がありました。

前例のない大規模なワクチン接種で、国が接種体制等について具体的に指示せず、各自治体に任せて(丸投げして)いるため、検討している接種体制、実施主体、検討の進み具合も千差万別のようでした。

今回のように地方に任せるのは、いいことだと思います。ただし、自治体間の能力差が浮き彫りになるかもしれません。

 

接種はかなり遅れそう

菅総理は訪米を控えているため3月16日に早々と1回目の接種をしました。これについてはさすがに、職権乱用だなどと非難する人はいないでしょう。

我が県では、ワクチンの供給が少ないため医療従事者の接種もあまり進んでおらず、ある中小病院では、ワクチン配分元の大病院から、供給は410日ころだろうと言われたとのことでした。

高齢者接種が始まっても、ワクチンの供給がわずかずつの見込なので、まずは施設入所者への接種を予定している自治体が多い印象です。私のような在宅の高齢者は、早くて5月中旬でしょうか?

 

ワクチン接種で医師の年休所得率向上を図る病院

一般の高齢者や住民は、医療機関での個別接種か、接種会場での集団接種のどちらかを受けます。かかりつけの医療機関のある人は個別接種という切り分けをしている自治体もあるようですが、「かかりつけ」の定義があいまいなので、混乱するかもしれません。

各自治体で検討中の手法は、市内の中核病院にすべて(その病院での接種も別会場での接種も)を委託しようとしている市、地元医師会が委託を受けてすべて仕切る市、市が臨時に医師等を雇用して直営で実施する市など、様々です。

各自治体と病院、医師会との関係性などの状況に応じて、頭をひねっておられるようです。

市の接種会場で対応する医師を病院から派遣するに際し、医師に年次有給休暇を取得させ、報酬は市から医師が直接受け取って、年休取得率向上を図っている病院まであって、思わず笑ってしまいました。何か変だな~。でも賢い!

 

各病院としては、平日の日中に対応する職員と、土日や夜間に対応する職員の間で、報酬などの不公平感が出ないよう、今以上に職員を疲弊させないよう、様々に工夫されているようでした。

自治体、病院の双方から、接種1件当たり2070円という単価は安すぎて、土日の場合は人件費にしかならず、到底足りないという不満も聞こえてきました。

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 316日、武田総務大臣は、谷脇前総務審議官をNTTから違法な接待を受けていた件について16日付けで停職3か月の処分にし、同氏は同日付けで辞職したことを明らかにしました。谷脇氏は、東北新社からの接待について減給処分を受けたばかりでした。また、本人の同意を得て退職手当の支給を一時留保するとのことです。

早手回しの処分
 総務省では、接待の全容を調査することになっており、また、有識者委員会では接待によって行政が歪められていないか検証することになっています。それらの結論を待たずに、NTTからの接待だけ取り上げ、行政が歪められていないという前提で停職処分を決めたのは、明らかに幕引きを急いだものです。また、退職手当の保留は、国家公務員退職手当法でこのような場合にできることになっているのですから、本人の同意など求めずにやればいいことです。
 本人を怒らせていろいろしゃべられると、困ることがあるのでしょう。
 懲戒処分をしてけじめをつけた形を作り、辞職させて国会に出席するハードルを上げたのでしょう。 

一事不再理の原則
 懲戒処分にも、刑事罰と同様、一般的に「一事不再理の原則」(同じ行為によっては再び罪を問われないという法理)が認められています。NTTや東北新社からの接待については、谷脇氏に対しては懲戒の対象として取り上げにくくなりました。政府は、この効果も狙っているのでしょう。

 停職処分などせずに辞職だけ認め、退職手当は全容が解明されるまで保留する方が良かったと思います。これなら、無駄な給与も生ぜず、退職手当は調査結果によっては全額不支給にできますから・・・。 

 安倍政権、菅政権と、政府与党による露骨な疑惑隠しが横行しています。当事者らは、恥ということを知らないのでしょうか?日本人とは思えません。

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 新聞記者らと賭け麻雀を繰り返していた黒川元東京高検検事長が不起訴(起訴猶予)処分となっていて、検察審査会が「起訴相当」の議決をしていましたが、東京地検は、同氏を賭博罪(単純賭博罪)で略式起訴する方針を固めました。
 私は、結論としては妥当だと思うのですが、法の適用の明瞭性という面から若干の疑問を感じています。 

単純賭博罪と常習賭博罪
 略式起訴は、正式な裁判手続をせずに簡易裁判所が書面審理によって罰金などを課す手続です。懲役などの重い刑罰には、この手続はありません。
 単純収賄罪の法定刑は、50万円以下の罰金か科料1万円未満)です。
 一方、常習賭博罪は、刑法第186条第1項で「常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する」となっています。罰金刑はありません。 

結論の妥当性を重視か?
 黒川氏のケースは、常習的にテンピン程度で賭け麻雀をやっていたことが明かになっており、普通に考えれば常習賭博罪が適用されるべきでしょう。しかし、常習賭博罪を適用すると、法定刑は懲役しかありません。
 執行猶予が付いて実刑になることはないでしょうが、公務員だった黒川氏は、在職中の行為で懲役刑になった場合、実刑を免れても退職手当は返還を命じられることになります。それは、私もさすがに過酷だと思います。
 東京地検は、別に元上司、先輩に配慮したわけではなく、前例や結果の妥当性に配慮して、単純収賄罪での略式起訴にしたのだと思います。しかし、本来は、常習賭博罪の法定刑に罰金刑も加えておき、量刑の判断は最終的には裁判所が決めるのが筋だろうと思います。

 マスコミなどから「なぜ常習賭博罪でないのか?」という声があがらないのも、後ろめたい人がたくさんいることや、社会的な常識に合致した結論だからでしょう。でも、立法の怠慢を検察のさじ加減でカバーしている感じで、明瞭性を欠いています。

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 東日本大震災から10年目311日に向けて、テレビは連日、津波などで被災した人たちの現状を報じていました。特に、福島の原発近くに住んでおられた方々は、未だに元の生活を取り戻す目途もたたない状況に置かれています。
 そんな中、休止している原発の再稼働を目指す動きが各地で活発になっているように見えます。地元自治体の首長の中にも、再稼働容認に踏みきった人も目につきます。
 私には、どうしてそういう判断になるのか、不思議です。 

10年前の恐怖を二度と味わいたくない
 10年前のあの日、日本の東半分には人が住めなくなるのではないか日本は滅びるのではないかという不安が情報通の人たちに広がりました。今の与党政治家、当時の与党政治家の中にも、家族を西日本や海外へ避難させようとしたり、自分が東京を逃げ出したりした人もいたはずです。
 あれだけの恐怖を味わいながら、再稼働などと寝ぼけたことをよく言えたものだと思います。普通の自然災害であれば、収まれば復興に向けて歩き出すことができます。しかし、大規模な原子力災害が起これば、復興などできないのです。 

事故の可能性が著しく低いことは承知しているが
 私も、重大事故の可能性が著しく低いことは承知しています。東日本大震災の教訓があるので、あれと同程度の地震が来てもおそらく大丈夫にはなっているのでしょう。しかし、「想定外」の事故の可能性は否定できず、わずかでも可能性があって、事故が起こった場合の被害が甚大すぎるなら、そんな危険性は排除すべきです。
 また、日本の周囲は、残念ながら平和的な国ばかりではありません。原発にテロ攻撃を仕掛けたり、ミサイルを撃ち込んだりしかねない国もあります。

 代替手段がないわけではありません。仮に少しくらい経済効率が悪くても、最悪を避けるのが、まともな政治だと思います。

 東日本大震災を振り返り、まともな保守政党を待ち望んでいます。

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 生活保護の申請をした人の親族に援助が可能かどうかを問い合わせる「扶養照会」について、厚生労働省は10年程度親族と連絡をとっていない場合は照会をしなくてもよいことにするなど運用を見直し、自治体に通知しました。

 これまでも、DVや虐待があったり、20年にわたって連絡をとっていなかったりする場合などには、扶養照会をしなくてもよいとされていました。しかし、この制度のために、親族に知られたくないという理由で生活が極めて困難にもかかわらず保護の申請を躊躇する人が多く、問題視されていました。

 一歩前進ではあるのですが、まだ問題が多いと思います。

 

兄弟姉妹に扶養義務を負わせるべきか?

 扶養照会は、民法第877条により無条件に扶養義務のある直系血族(親、子、祖父母、孫等)と、同法第752条によって協力扶助義務のある配偶者に対して行われることが原則です。

 私は、親子、配偶者に扶養義務を課すことは、DVや虐待があるなどの例外的な場合を除き、当然だと思います。扶養照会を行うことを原則としてもやむを得ないと思います。

 しかし、兄弟はどうでしょう。成長して親元を離れれば、生計維持関係などないことが普通です。結婚していれば、財産は夫婦で築いたもので、自分の兄弟のために勝手に使うことも躊躇されるでしょう。

 現在の社会の実態から、兄弟姉妹に扶養義務を負わせるのは、非現実的だと思います。これは、家父長制の名残でしょう。こんな制度を残していた場合、誰かが出世したら他の兄弟は皆、その縁にすがって有利な地位に就く、まるでお隣の国のような問題を起こしかねません。

 兄弟姉妹は、お互いの生活に干渉せず、仲良くするのがいいでしょう。

 

(扶養義務者)

第877条 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。

2 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。

3 前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。

 

疎遠の期間で区別するのも・・・

 連絡を取り合っていない期間で扶養照会の要否を区別するのも、弊害があります。

 10年間、連絡を取り合わなければ扶養照会を免れるなら、触らぬ神に祟りなしで、兄弟姉妹との親戚づきあいなどしないほうがいいということになりかねません。特に、生活が苦しそうな親族とは早めに連絡を絶っておいた方が得策ということになります。

 兄弟姉妹とは、扶養義務の心配などせず、仲良く交流したいです。

 

 親子、配偶者については様々に考慮する必要がありますが、民法の兄弟姉妹の扶養義務の規定は、早めに削除すべきだと思います。

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