地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2021年04月

 人事院が、4月16日に、2021年度国家公務員採用総合職試験の申込者数を発表しましたが、過去最少を記録しました。総合職とは、いわゆるキャリア官僚、エリートです。これが、5年連続の減少とのことです。

 

総合職応募者が減少した原因は

ホームページで公表されている報道資料ではコメントは付いていませんが、時事通信の報道によれば、人事院は「首都圏の新型コロナウイルス感染拡大の影響で、地方出身の学生が地元の自治体や企業を志望するケースが増えたのが主な要因」「コロナ対策で関係省庁の勤務環境が厳しくなった影響も考えられる」等と分析しています。一見もっともですが、苦しすぎる言い訳で、本心を隠しているような気がします。

2021年度に限れば新型コロナの影響もないとは言えませんが、5年連続で減少している原因は新型コロナではありえません。また、新型コロナによる景気、雇用環境の悪化は、一般的には公務員志望の増加要因でもあります。

読売新聞などでは、キャリア官僚の過酷な長時間労働や、働き方改革が遅れている印象を原因に挙げています。これは、あるでしょう。

共同通信は、政治への過剰な「忖度」を強いられる政官関係相次ぐ幹部不祥事を原因に挙げています。私は、これが最大の原因だと思います。

 

キャリア官僚に魅力を感じない

 一般にキャリア官僚を目指すのは、優秀で、上昇志向が強く、仕事にやりがいを求める若者です。彼らが、テレビなどで放映されている高級官僚の姿を見れば、「こんなことはしたくない。」と思うのは当然です。

 安倍前政権の時代から、首相や大臣を守るために国会の場などで見え透いた嘘を繰り返し野党やマスコミ、一般国民に揶揄され、馬鹿にされる高級官僚の姿を頻繁に目にするようになりました。

 政治家に逆らうと左遷され、気に入られると栄進する官僚の姿も報じられています。

 これでは、志のある若者ほど、官僚になりたくなくなってしまうでしょう。

 

 霞が関がおかしくなっている原因のかなりの部分は、人事が官邸主導になったことにあると思います。国民のためではなく、政権のために忠誠を尽くす官僚を増殖させたのは、安倍前政権、菅現政権の責任でしょう。

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 日本語訳の本書は「転売屋は社会に役立つ」という副題が付されていますが、1976年に米国で出版された原書は、Defending the Undefendable(擁護できないものを擁護する)という題名のようです。その題名の通り、一般的には極めて不道徳だとされている売春婦、ポン引き、ダフ屋、麻薬の密売人などは自由市場において役割を果たしているとして、存在価値を認め、称賛しています。本書は際物ではなく、ノーベル経済学賞受賞者のフリードリッヒ・フォン・ハイエク氏も絶賛しているとのこと。

 

リバタリアニズムとは

 本書は、リバタリアニズム(国家の干渉を極力排除して市場経済に任せる、自由主義を徹底した考え。自由原理主義。)を紹介する本です。日本では「オバタリアン」という言葉があるため、リバタリアンとかリバタリアニズムはそれと同類のように思われ、いかがわしい語感ですが、米国の政治を理解するうえなどで、大事な言葉のようです。

 先制攻撃としての暴力や、暴力による脅迫などは国が取り締まって当然ですが、それ以外の行為(例えば、誹謗中傷など)は禁止せずに自由にすべきという考えです。この辺が、一般的な「リベラル」との大きな相違点です。

 一般的な「リベラル」とは、目指すところが逆になることが多い考えです。

 

いくつかの例

 麻薬が社会に及ぼしている害のほとんどは、国家がそれを禁止しているところから発生しています。国家が禁止しなければ、麻薬の価格は妥当なものになり、麻薬中毒者が犯罪に走ったり、マフィアの資金源になったりすることもないというわけです。過度に摂取すると健康に害を及ぼす可能性があることは、タバコ、アルコール、ポテトチップスなどと同様です。現に、合法化する国が増えつつあります。

 売春も、誰の権利を侵害しているわけでもありません。自分の保有している資本(性的魅力)を運用することによって悲惨な生活に陥ることを避けられるなら、その選択肢を他人が否定することは、余計なおせっかいです。

 誹謗中傷が禁じられていなければ、ネットは事実無根の誹謗中傷で溢れるでしょう。そうなれば、人々はネットなどで流されるデマを簡単には信じないようになります。また、そもそもある人の名声などは他人の頭の中にあるもので、名声の主の所有物ではありません。奪い取ったり、取り戻したりできる物ではありません。

 

 愛知トリエンナーレで慰安婦像の展示などを支持するリベラルは、韓国・朝鮮の人たちに対するヘイトスピーチは禁止すべきと主張する場合が多いようです。それによって心が傷つく人がいる点では同じ事で、一方を容認し、一方を容認しないのは、二重の基準と言わざるを得ません。どちらも禁止すべきでないと考えるのがリバタリアンのようです。 

 

 理屈を突き詰めればリバタリアンが正しそうですが、やはり私はそこまでは割り切れません。

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米国のイエレン財務長官G20会合の直前の4月5日、「法人税率の引き下げ競争に歯止めをかけられるような共通の最低法人税率導入に向け、主要20カ国・地域と話し合っている。」と表明しました。早期に実現することを期待します。

 

米国の都合から出た話だろうが

 米国の今回の提案は、米国の都合から出てきた話であることは明らかです。バイデン政権は、計画している2兆ドル規模のインフラ投資計画の財源として、法人税率の引き上げる方向です。それによって、米国企業の海外流出を恐れ、それを抑止するためにこんな提案をしてきたのでしょう。

 しかし、法人税率の引き下げ競争で困っているのは、日本など、他の先進国も同様です。ここは、米国の思惑に乗って、実現を目指すべきでしょう。

 

実効性を担保する仕組みを

 G20は概ね足並みをそろえることができそうな状況のようですが、問題はそれ以外の国、地域、特にタックスヘイブンと呼ばれる国々です。巨大なグローバル企業などが課税逃れのために流入することによって利益を得てきた国々は同調しないでしょう。

 最低税率に従わない国、地域に逃れた企業に、何らかのペナルティーを科す仕組みがあればいいのでしょうが・・・。G20が結束すれば、そんな仕組みが作れるかもしれません。

 

大企業優遇、金持ち優遇に歯止めを

 法人税だけでなく、所得税にも同様の仕組みがあるべきだと思います。

 過去10数年、グローバリゼーションの名の下、強欲資本主義、金持ち優遇が進み、格差が著しく拡大してしまいました。格差の拡大、固定化は、社会を不安定にしてしまうでしょう。

 早く手を打つ必要があります。

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 413日、菅政権が、福島原発の事故による汚染水を太平洋に放出する計画を承認しました。ここに至れば海に放出すること自体はやむを得ないのかもしれませんが、日本が国際的に恥をさらした形になりました。

 

決定、発表の田舎芝居

 発表のかなり前から、13日に海洋放出を決定することが報道されていました。つまり、13日に決定したわけではなく、本当はもっと以前に決定していたのを13日に決定したことにして発表する段取りだったわけです。

 海洋放出すること自体は、何年も前から決まっていて、発表を遅らせていたのでしょう。しかし、それにしては、タイミングが悪すぎます。東京オリンピック・パラリンピックなど本当に開催できるのか分かりませんが、開催間近のこのタイミングで発表しなくてもよさそうなものです。

 オリ・パラの気運に日本政府自らケチをつけてしまいました。アホじゃないかと思う人も多いことでしょう。

 

薄めればいいというものではない

 一般に、汚染物質も十分に希釈すれば微生物が分解してくれ、無害になります。しかし、放射性物質や重金属は、分解されず、いつまでも環境中に残ります。生物によって再濃縮され、危険な濃度になる恐れもあります。放射性物質などは、薄めて放出すればいいというものではありません。

 海という限られた自然環境の中に、各国がどんどん放射性物質を放出し続ければ、海の容量自体は増えるわけではないので、放射性物質の濃度は次第に高くなります。現在、海洋中のマイクロプラスチックが問題になっているように、無視しうる量でも継続的に排出し続ければ、危険が顕在化してくるかもしれません。

 十分に希釈すれば問題ないというのも、現在の科学水準では危険を察知できないということに過ぎません。長期にわたって低濃度の放射能にさらされ続けた場合の健康への影響などは、実証されたデータもなく、現在の科学では分からないのですから・・・。

 

 日本は、今回、放射性の汚染水を海洋放出せざるを得なくなったことの責任を感じ、今後一切、原子力発電所などから放射性物質を放出しないよう、すべての原発の稼働を止め、早期に廃炉すべきでしょう。

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 秋篠宮家の眞子様の婚約内定者、小室さん側が、48日に文書を公表しました。宮内庁は「非常に丁寧に説明されていた」等と一定の評価をしていますが、ほとんどの国民の反応は否定的なようです。

 私は、天皇陛下、皇室を敬愛していますが、この一連の騒動が国民の皇室に対する敬愛の気持ちを薄れさせ、天皇制への脅威に繋がりかねないと危惧しています。

 

国民が求めているものと違う

 野次馬的にはやし立てている人たちもいるでしょうが、皇室を敬愛する多くの国民は、眞子様に幸せになっていただきたいと願っており、その伴侶はできれば高潔な人格の人物、少なくとも「普通に誠実な」人物であることを求めています。

 だから、それを説明すべきなのに、相手方の主張に対する反論ばかりしても、国民は納得するはずがありません。国民は、法的に返済義務があるかどうかだけに関心があるのではないのです。

 例えば、母親が婚約中に婚約者から支援を受けたのであれば、婚約が解消になれば、相手方に一方的に非があるのでなければ返済が当然です。相手方は支援した時は返してもらおうなどとは考えていなかったことは当然です。仮にそう言われていたとしても、相手の気が変わって返済を求めてきた場合は、返済する、あるいは将来の返済を約束して猶予を求めることが、「普通に誠実な」人間としては当然でした。

 

国民は無いものねだりをしているのかも

 報じられている一連の経緯を読むと、小室氏が高潔な、あるいは「普通に誠実な」人物であることを説明することは、かなり難しいことのような気がします。さらに、週刊誌などでは、昔のいじめ問題などまで出てしまっています。

 

 このままで結婚が進めば、国民の皇室に対する敬愛の念がかなり揺らいでしまうことでしょう。一日も早く騒動が収束することを願っています。

P.S 4月12日夕方、小室氏側が「解決金」支払の意向を表明したことが報じられました。あの文書に対する国民の反応を見ての判断でしょうか?
   あんな文書を出した後で、解決金を支払うなどと言われても・・・。

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