地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2021年05月

 日本でも2年ほど前からSDGs(Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標)の名前をよく聞くようになり、企業や自治体などでの取組も進んできました。これは、2015年に国連で開かれたサミットで決められた、国際社会共通の17の目標(ゴール)です。17の目標の下に169のターゲット(具体的目標)も定められています。

 目標は、貧困問題、不平等の問題、気候変動などの環境問題、ジェンダーの問題、平和の問題など幅広いものになっています。企業などの各組織は、すべての目標に取り組まなくてもよく、それぞれ取り組みやすいものから気軽に取り組めるのが特徴です。

 

ISOは重過ぎる

 私の古巣の県庁は、ISO14000シリーズの認証を受けて取り組んでいました。あの取組は有意義なものだとは思いますが、非常に負担が重く、職員はかなり辟易していました。私は、認証の更新などのためにあれほどの負担、手間がかかるものが、本当に環境にいいのか疑問に思っていました。人の手間がかかる、活動を要するということは、エネルギーを消費するということですから・・・。

 私の住む市にある某中小企業も、昨年までISO14000に取り組んでいましたが、負担に耐えかねて中止しました。

 その点、SDGsは、今のところ認証制度などはなく、気軽に参加し、取り組むことができるようです。

 

 私が現在在職している小さな組織でも、ISOは難しそうなので敬遠していたのですが、SDGsの取組を始めます。

 取り組みやすいのが一番です。これなら、長く続けられそうです。

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 全国で新型コロナワクチンの高齢者に対する接種が進められていますが、第一順位のはずの医療従事者で、まだ接種を受けておられない方がかなりおられるようです。何か変です。なぜ、こんなことが起こるのでしょう?

 テレビのニュースでも、高齢者に対する接種に従事している医療従事者が実はまだ接種を受けておらず、接種予定の高齢者にキャンセルがあった場合に医療従事者に回すなどの対応がされている地域もあるようです。

 

ワクチンに色が付いているのか?

 都道府県、各市町村に配分、送付されたワクチンは、国から「医療従事者用」とか「高齢者用」とかと指定されていて、勝手に流用できないのでしょうか?

 医療従事者で、接種を希望していながらまだ接種を受けていない人は、まず最優先で接種すべきでしょう。なぜそうしないのか、意味が分かりません。

 

高齢者を優先する正当性が揺らいでいる

 感染が始まったころは、たしかに高齢者が重症化しやすいという傾向が顕著だったようです。しかし、変異株が拡がり始めてから、若い人でも重症化して、亡くなる人も増えているようです。こうなっては、高齢者の接種を優先する正当性がありません。

 重症化のリスク、死亡のリスクに大きな差がないなら、私のようなもう十分に生きた高齢者よりも、まだ人生を十分に味わっていない若年者を優先するほうが倫理的だと思います。

 

そもそもの順位付けが変だったかも

 現在の順位付けも、十分な議論が行われて決められたものではありません。接種が始まったのは2021年に入ってからで、優先順位の議論の必要性が指摘されていたのはその半年ほど前ですから、議論する時間は十分にあったはずですが・・・。

 なぜ、基礎疾患のある人よりも高齢者の方が優先されるのか?

 高齢者よりも、高齢者施設などの従事者、保育士、学校の教職員、救急隊員や消防士、公共交通機関の従事者、郵便局や宅配便の配達員、ごみ収集作業者、警察官など、社会の維持に不可欠な職種の従事者を優先すべきではなかったか?

 

 今後のために、検証しておくべきだと思います。

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 5月25日、政府が新型コロナウイルスワクチン接種促進のための追加支援策を決定し、公表しました。接種回数の多い診療所への支援費用上乗せや、ワクチンの打ち手として救急救命士や臨床検査技師の活用を検討することなどが主なもので、現行では1回当たり2070円の接種の対価が、最大で5070円に増額となるとのことです。

 もちろん歓迎ですが、遅すぎます。2070円については、発表されたときから安すぎる、土日については人件費にしかならない等と、自治体、医療関係者から不満が出ていました。この遅すぎた対応が、現在の接種の遅れ、予約の混乱を招いた一因になっているのでしょう。

 「ワクチン接種の地方分権」 参照

 

安すぎた接種料がワクチン難民を発生させた

 医療機関での個別接種が進められていますが、かなりの規模の病院でもワクチンの個別接種に対応しないとしているところもあります。当初に設定された2070円という接種料の安さが、個別接種に対応しない医療機関を量産してしまった可能性が高いでしょう。

 かかりつけ医がワクチン接種に対応していない高齢者が、他の医療機関に頼んだところ、「あなたはうちの患者じゃないから」と断られた話もよく聞きます。かかりつけ医が対応していない高齢者、そもそも内科系のかかりつけ医がいない高齢者などが、ワクチン難民となり、集団接種の受付が混乱している自治体も多いようです。

 ワクチン接種をすることに方針変更した医療機関も病院もあるようですが、そもそも最初から、医療機関がこぞってワクチン接種をしてくれる程度の接種料に設定していれば、今のような混乱も起きず、ワクチン接種も今よりは進んでいたでしょう。

 

兵力の逐次投入は典型的なへぼ手

 戦いにおいては敵を圧倒する戦力を投入して一気に制圧するのが、最も犠牲が少なく、効率的であることは常識です。この新型ウイルスとの戦いでも同様でしょう。

 接種料の設定が、「兵力の逐次投入」に当たることは自明です。また、このような批判を後出しじゃんけんだとして政府を擁護する人もいるでしょうが、それは誤りです。この接種料は初めから安すぎると批判され、このような結果も予測されていたにもかかわらず、政府が無視していたものです。

 緩すぎる規制早すぎたG0 T0開始遅すぎた緊急事態宣言早すぎた緊急事態宣言の解除なども、同様です。

 

 安倍政権から続く日本政府の一連の失敗、来年くらいからハーバードなどのビジネススクールの危機管理や失敗学の講座で、「危機管理の失敗」の題材として役立つかもしれません。

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 521日、国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ副会長が、東京オリンピック・パラリンピックを緊急事態宣言下でも開催する考えを記者会見で示しました。記者から東京が緊急事態宣言下でも開催可能かと問われ、テストイベントが無事に行われたことに言及した上で、「もちろんだ」と答え、「感染対策を講じることで宣言下であってもなくても安全安心な大会が実施される」と述べたと報じられました。

 何という傲慢さかと腹が立ちます。日本国民の生命へのリスクをどう考えているのでしょう。

 

リスクがないはずがない

 オリ・パラの感染対策を講じるためには、国民のために振り向けられるべき医療資源の一部を削って、オリ・パラに振り向けなければなりません。全国で医療がひっ迫しており、かなりの地域で入院できないまま亡くなる人が出ているような状況の中で医療資源を割くことは、助けられるはずの命がさらに失われることを意味します。

 さらに、選手、関係者の移動が感染拡大を引き起こす可能性も否定できないでしょう。

 まともな為政者なら、そんな選択をするはずがありません。日本の為政者は、まともじゃないのでしょう。

 

オリ・パラ開催は非倫理的だ

 この状態で国内の医療資源をオリ・パラのために割くことは、非倫理的です。

 また、IOCは、選手へのワクチン接種を進めています。そのワクチンは、日本政府が調達したものではなく、IOCが独自に調達したものだとしても、世界的にはまだまだ不足しているワクチンを元気な若い選手たちに接種することは、倫理的ではありません。オリンピック精神に反すると思います。

 

日本の政策も歪められている

 開催国の国民にも他国民にも、これほど歓迎されない五輪は、過去に例がないでしょう。ここで強行することは、五輪の歴史に汚点を残すことになります。

 日本政府が新型コロナへの対応で愚行を重ねている理由に一つが、オリ・パラの開催に固執しているためとも言われています。

 あまりの失政続きのため、菅政権は早くも末期症状に陥ってしまいました。もう遅すぎるとは思いますが、それでも早く目を覚ましていただきたいものです。

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 「しがらみを捨ててこれからを楽しむ」という副題が付いてます。著者の顔ぶれから、女性向けかとも思いましたが、目次を見たところ興味がわいたので、終活に取り組む参考にしようと、本書を手に取りました。

 本書は、生活上の様々な行いのやめどきについて、著者お二人の対談を収めたものです。大きく5章に分かれ、1章「家族のやめどき」2章「人間関係のやめどき」3章「社会のおりどき」4章「自立のやめどき」5章「人生のやめどき」となっています。

 第1章には、「親のやめどき」「妻のやめどき」「介護のやめどき」など、第2章には「クラス会のやめどき」、「会葬のやめどき」など、第3章には「仕事のやめどき」「趣味のやめどき」など、第4章には「料理のやめどき」「おひとりさまのやめどき」など、第5章には「薬のやめどき」「自分のやめどき」などの各論が収められています。

 

 お二人の意見は、必ずしも一致しません。「いい嫁は福祉の敵」というあたりは意見が一致するのですが、樋口氏は重い介護が必要になったら施設に入ろうかと考えておられるのに対し、上野氏は在宅介護を使って最後まで自宅でと考えておられます。

私は、樋口氏と同様、在宅での見取りはどうしても家族に迷惑をかけそうなので、最後は施設でと考えています。でも上野氏によると、在宅見取りを手掛ける医師は、独居の在宅見取りは外野のノイズが少ないほどやりやすいと言っているそうです。住んでいる地域の在宅医療・介護の体制が、無理なく在宅見取りができる程度に充実しているかどうかが鍵になるのでしょう。

「仕事のやめどき」は、人それぞれのようです。フリーランスは、注文が来なくなったときには否応なしに廃業ですが、経済事情が許さない人は倒れるまで働かざるを得ないわけです。

 

 私もこれから一つずつ何かをやめていくことになります。世間では、住み慣れた自宅を引き払って、施設に入ったり子供と同居したりして、後悔した話などが溢れています。しっかり検討し、悔いのないよう人生の幕引きをしていこうと思います。

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