地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2021年07月

 前書「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」は、ウルグアイで大統領を務めたホセ・ムヒカ氏2012年にリオデジャネイロで行われた「国連持続可能な開発会議」で行ったスピーチの記録です。そこには、少ない物で満足して暮らすことの大切さが説かれており、感銘を受けたので、本書も手に取りました。
 「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」(くさばよしみ編)を読んで

本書は、ムヒカ氏が大統領退任後、自宅で行われたインタビューで子供たちに語り掛けたものです。前書は30ページ程度でしたが、本書は70ページ程度あります。でも絵本なので、短時間で読めます。

 

 本書で語られている生い立ちによると、氏はスペインからの移民の父、イタリアからの移民の母の子として生まれ、7歳の時に父を亡くして、幼いころから様々な仕事に従事したようです。政権を倒すためにゲリラとして戦って4度も投獄され、獄中の読書で様々な自然科学(科学系の図書以外は獄中では禁止)の知識を学んだということです。

 

私はトランプ前大統領が起こした混乱などから民主主義に疑問を持ちましたが、しは、民主主義についてこう語ります。

民主主義はとても古く、常に危機にさらされてきたけれど、

人間が本能的に必要とするかたちなんだ。

民主主義がすばらしいのは、永遠に未完成で、完璧にもならないからだ。

そして、平和的な共生を可能にするからだ。

民主主義は、異なる考えの人を尊重するからね。

これが社会を生きやすくする。ゆるぎない価値なんだ。」

 

また、宗教について、こんなことを言っています。彼は、キリスト教徒ではないのでしょうか?

「だって奇跡なんだよ、生きているということは。

何よりの価値があり、短く、二度と戻ってこない。

だから、この世にいる間にできるだけ幸せに暮らすことを心がけるべきなんだ。

死んだら楽園に行くという宗教があるけれど、楽園はこの世にあるべきなんだ。

楽園の鍵は、自分の心に、自分の意志にある。

ほんとうらしいことに、惑わされてはいけない。」

 

 やはり、彼は、仏教などの東洋的な考えに近いようで、共感を覚えます。

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 「SDGsウォッシュ」という言葉があるようです。ごまかしや粉飾を意味する「ホワイトウォッシュ」とSDGsを組み合わせた造語で、見せかけのSDGsSDGsを使ったごまかしといった意味なのでしょう。たしかに、陥りやすいことだと感じています。

 

 SDGsは、持続可能な開発を目指す国連の取組で、目標が幅広く、どんな自治体、企業にも取り組みやすいのが特長です。

 SDGsはおすすめ!」 参照願います。

 

 取組の敷居が低いのはいいことですが、それだけに取り組んでいるふりがしやすいということです。環境に配慮しているという評判が欲しい企業経営者、社会問題に貢献しているという名声を得たい自治体トップなどが、形だけのSDGsに走りがちなようです。

 先日の都議選で都民ファーストの会から立候補して当選した後、無免許人身事故を起こしていたことが発覚して会派から除名され、議会で全会一致の辞職勧告決議も受けている木下都議が、「SDGs東京」なる一人会派を立ち上げました。こんな分かりやすい「SDGsウォッシュ」もあるようです。

 自治体などでは、もともと、省エネの取組、再生紙利用の取組を進めているところがほとんどでしょう。それらをSDGsの一環と位置付け、新たには何も取り組まずに「SDGsへの参加」を名乗ることも簡単そうです。

 我が小規模組織は、そんな誘惑に惑わされず、真面目にSDGsに取り組もうと思います。

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 7月26日(月)、東京都での新型コロナの新規感染者数は1,429人で、7日連続の千人超え、月曜日としては過去最多になったことが報じられました。来日した選手や大会関係者の感染発覚も相次いでいます。

 私は、選手村でクラスターが発生することを心配しています。恐らく、組織委員会の最大の不安でもあるでしょう。これまでに感染が確認された海外選手などは、おそらく日本に来る前に感染していたと考えられますが、今後、日本国内で感染した、自国の選手団以外から感染した事例が出てくると、日本の組織委員会の責任を問われかねません。
 既に、日本の大会スタッフで感染が確認された人も数人います。感染爆発が起こらないか、綱渡りをしているような状況かもしれません。
 選手村でクラスターが発生して、多くの選手らが感染するなどしたら、大変なことです。
 反対を押し切って開催を強行した人たちは、そのような事態も想定していることとは思いますが・・・。
 東京をはじめ、首都圏の医療崩壊も心配です。やはり、オリ・パラなど開催している場合ではなかったのでしょう。

 

開催反対と選手の応援は矛盾などしない
 蓮舫議員が五輪中止派でありながら金メダル獲得を祝福するツイートをし、「ダブルスタンダード」などと批判されています。なぜ批判する必要があるのか、訳が分かりません。
 私も五輪開催には反対ですが、開催されてしまった以上その中で頑張っている選手は応援しますし、日本の選手が活躍すれば祝福します。矛盾だなどと言う人は、よほど単純な精神構造をされているのだろうと思います。
 開催反対派の多くは、大会に参加する選手を批判などしません選手らは、五輪を目指して人生をかけて頑張ってきたのですから、開催されれば参加することは当然です。我々も応援します。

 しかし、開催を強行して危機的状況を招いた政治家の責任は問い続けます。

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 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が、今年の2月に会長を辞任した森元総理を「名誉最高顧問」に就ける案を検討していることが報じられました。この大会開催に果たした功績や、期間中の海外要人の接遇などを念頭に置いているとのことです。バカも休み休みに言ってほしいものです。

彼は、女性蔑視発言で世界に日本の恥をさらして会長を辞任した人物です。仮に組織委員会の初期の頃に多少の功績があったとしても、帳消しどころかマイナスになっているはずです。また、重要な役割を任されていた小林賢太郎氏ら主要スタッフが不適切な人選だったことが明らかになって開催直前に相次いで辞任、解任を余儀なくされましたが、その任命にも彼は責任があるでしょう。

 ここで彼をまた名誉職に就けることは、組織委員会が何も反省していなかったことを示すことになり、当然、世界からも国内からも批判、嘲笑を招くでしょう。

 誰がこんなアホなことを思いついて提案したのか、組織委員会は明らかにしていただきたいものです。「責任者、出てこい!」

 

 幸い、政府内にも反対論があるようで、それに期待しています。

 先日、選手や大会関係者に対して毎日行うことになっているPCR検査が、キットの不足で行われなかったケースがあることが判明しました。ただでさえ組織委員会の不手際が相次いでいるのです。感染拡大を最小限に抑えて大会を終わらせることに専念し、これ以上、世界から嘲笑されるようなことをしでかさないでいただきたいものです。

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 多くの国民が開催に疑問を持っていた東京オリンピックがとうとう始まりました。案の定、各国からの選手や大会関係者の感染発覚が相次ぎ、東京都の感染拡大も止まりません。そんな中、菅総理が、米紙「ウォールストリートジャーナル」のインタビューで、「五輪をやめることは一番簡単なこと、楽なことだ」とした上で「挑戦するのが政府の役割だ」と語ったことが721日に報じられ、また批判を浴びているようです。

 この人がきちんとした哲学、信念を持った人ではないことは、日ごろの言動から分かっていましたが、これほど空疎な言葉を吐くとは・・・。

 

何のために開催するか説明もしないで・・・

 当初は、東日本大震災からの復興をアピールするというコンセプトだったはずが、汚染水が増え続けている問題や新型コロナ禍に押し流されてしまいました。一時は新型コロナからの復興などという話もありましたが、政権が愚策を繰り返したせいで全然そんな状況ではなくなってしまい、開催の目的は失われたままです。

 巨費を投じて開催するわけですから、きちんとした目的、理念が必要です。さらに、今回は、開催を強行すれば感染拡大のリスクが増すことは避けられず、また、海外からの観客を受け入れないどころか日本人の観客もほとんど受け入れないので、経済効果もほとんどありません

 したがって、開催を強行するとすれば、特別に強固な理念、目的が必要なはずですが、そういった説明はないようです。その代わりに出てきたのが、この空疎な精神論では、情けなくて涙が出そうです。何かの理念のために頑張って開催するのならいいのですが、開催自体が目的化してしまっていることが図らずもバレてしまいました。

 

中止するほうが難しい

 物事を決断しなければならない立場を経験した人なら、進行していることを中止する決断をするほうが余程困難であることを知っているでしょう。決断せずに成り行きに任せているほうが、リーダーは楽です。

 登山中、天候が悪化した際、引き返す決断をするほうが勇気が要るでしょう。大きな危険を避けるためには、リーダーはその決断をしなければなりません。その決断ができずに突き進むリーダーが、大きな災厄を招くのでしょう。

 

 オリ・パラが始まった以上、懸命に競技する選手を私も精一杯応援します。しかし、もし盛り上がったとしても、この無責任な政権は支持しません。

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