地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2021年09月

 今日(9月29日)、新しい自民党総裁に岸田氏が選出されました。

 近く首相に選出されるでしょうが、安倍前首相、菅首相よりは期待できそうな気がしています。

 

私の一押しは河野氏だったが

 私は、河野氏の実務的な感覚と突破力に期待していました。しかし、彼が、総裁選期間中に森友問題の再調査を不要とし、原発再稼働容認に転じたので、応援する気持ちが減じていました。

 岸田氏についてはあまり注目していなかったのですが、出馬表明の際に二階幹事長などを切る発言をしたこと、誠実そうな話しぶり等から、少し見直す気持ちでした。

 また、安倍前総理が昨年の総裁選の際に禅譲の約束を反故にし、さらに今回も岸田氏を裏切って高市氏に肩入れしたことで、岸田氏に同情する気持ちもありました。岸田氏には、この恨みを忘れずにいていただきたいと思います。

 

自民党は過去の不祥事の清算が必要

 国民の政治に対する不信感の根源には、森友問題桜を見る会の問題などがあります。岸田氏は、勝利後の演説で「生まれ変わった自民党を国民に示す」と言いましたが、国民にそれを示して信頼を取り戻すには、これらの問題を解明し、責任を明らかにすることが不可欠です。

 岸田氏も、森友問題の再調査には否定的でした。総裁選に勝ち残るためにはやむを得なかったと思います。

 私が期待しているのは、総選挙で野党が追及する中で、自民党内で再調査すべしという意見が高まり、再調査せざるを得なくなること、それと検察の再捜査です。

 

 二階氏に続き、安倍氏、麻生氏も力を失って表舞台を去れば、自民党も新しい組織に生まれ変われるかもしれません。そのためには、野党にも奮闘していただきたいものです。

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 NHKで、最近、廃線になった各地の鉄道を紹介しています。あれを見ていると、日本社会が縮小に向かっていることを思い知らされます。鉄道の廃線は、自動車の普及が主因だとは思いますが、人口減少、列車通学する高校生の減少も一因です。

 

 私の世代は、日本社会の拡大と縮小の両方を経験しています。

私が小学生だった昭和40年頃には、団塊の世代の高校入学を控え、高校が続々と新設されていました。今は、それらの高校が相次いで閉校しています。

 私が大学生だった昭和50年代には、私の故郷の田舎の市にも、昔からあったデパート1軒に加え、2軒が開店し、3つもありました。平成10年代末から閉店が相次ぎ、今は一つもありません。スーパー系の大規模店舗はありますが・・・。

 商店街も多くはすっかり寂れています。平成の中ごろまでは新規開店が続いていたコンビニすら、平成の末期から閉店が目立つようになりました。我が家の近くにも、セブンがあったのに、数年前に閉店してしまいました。

 

 こうなることは、遅くとも30年ほど前には確実に予測ができていました。それにもかかわらず、政治は何も有効な対策を取りませんでした。今回の自民党総裁選でも、子育て世帯の支援策などと言っています。そんなことは、40年前に財源に糸目をつけずに実施すべきことでした。出生数を増やす施策よりも高齢者へのバラマキや公共事業のほうが票になることから、政治が後者ばかりに力を入れてきました。

 

 統計を見れば、確実に予測できる未来もあります。未来は、不確実なことばかりではないのです。

 せめて、確実に予測できる未来に、真面目に対応する政権を期待しています。

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 922日、スリランカ人の男性2人が難民認定申請の棄却を告げられた翌日に強制送還され、裁判を起こす時間が与えられなかったとして国に計1千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁が東京入国管理局の対応を違憲とする判決を下しました。

請求を棄却した一審東京地裁判決を変更し、「憲法が保障する裁判を受ける権利を侵害した」として、国に60万円の支払いを命じたとのことです。「国は集団送還を円滑に実施するために、意図的に難民不認定処分の異議申し立てが棄却されたことの告知を遅らせた。司法審査を受ける機会を実質的に奪った。」と指摘しています。

名古屋の入管施設で収容されていたスリランカ人女性が、医療も受けさせてもらえずに虐待死した先の事件と合わせ、入管職員の人権意識のなさを示しています。

 

なぜ在留資格をこんなに厳しく?

 今回の高裁判決は、手続的な違法を指摘したものですが、そもそも在留資格をこんなに厳しく制限する必要があるのか、私は疑問に感じています。

 ワールドカップのアジア予選で、軍事政権に対する抗議の意思表明をしたミャンマーのサッカー代表選手については、速やかに在留が認められました。彼は帰国すれば危険であることが明白なので、当然でしょう。しかし、一般的には、難民認定は非常に厳しく運用されているようです。

 日本は人口減少に苦しんでいるとはいえ、移民を受け入れることには慎重な議論、検討が必要であると思います。しかし、難民については、もっと寛容に受け入れてもいいのではないかと思っています。

 

国際社会との協調のためにも

 日本も、口先だけで人権尊重を唱えるのではなく、貢献しなければなりません。

 国際社会は、各国に難民受け入れを増やすことを求めています。日本などは、人口減少が著しく、労働力も不足しているので、難民受け入れの余地は大きいでしょう。

 ただし、受け入れた難民に奴隷的な労働などさせないように、ちゃんと保護しなければならないことは当然です。今のように、人身売買を疑われるような「外国人技能実習生」が存在することは、日本にとって恥ずかしいことです。

 多くの難民を保護することで、国際社会の日本に対する好感度も上がるはずです。

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 9月22日、自民党が、2019年の参院選広島選挙区の河合陣営による大規模買収事件で、自民党本部が提供した1億5千万円は買収には使われなかったと発表しました。

どういう根拠で、自民党本部が提供した資金が買収に使われなかったと判断したのか、報道を熟読しましたが、はっきりしません。河合夫妻からの連名の書類を公表したとのことなので、要は河合夫妻の言い分を丸飲みしたということのようです。

これで、国民に「信じろ!」と言って幕引きのつもりなのであれば、「国民をバカにするのもいい加減にしろ!」と言いたくなります。

 

どういう根拠で?

 菅首相は、責任をもって実態解明をすると約束していたはずです。ただ、彼が言及していたのは、党の公認会計士による調査ですが、当然ながらこんな身内の監査では不十分です。第三者を入れた調査でなければ、意味がありません。

 そもそも、お金に色は着いていません。チラシの印刷代など、まともな使途に使った経費が1億5千万円以上あったとしても、党本部からの資金が買収に使われなかった証拠にはなりません

 普通に考えれば、自民党本部から1億5千万円ももらったから、3千万円近い買収資金を捻出できたのでしょう。

 否定するなら、明確な証拠が必要です。

 

 二階俊博幹事長は、1億5千万円の支出決定の自民党の責任者は、当時総裁であった安倍前首相自身であると認めているとのことです。

 安倍氏は、退任後まで自民党の足を引っ張り続けています。亡くなられた野中氏なら、「男は恥を知るものだ!」と言われたでしょう。

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 自民党総裁選、4人による争いが続いています。評論家などの予想では、おおむね、1回目の投票は党員票で上回る河野氏が一位になり、そこで過半数を取れずに上位二人による決選投票になれば岸田氏が優勢との分析が多いようです。

 河野陣営の戦略としては、党員票で圧勝すれば、総選挙を意識した議員票もなだれ込んでくるかもといったところでしょうか?むかし、小泉純一郎氏が総裁になったときも、そんな状況だった気がします。

 

 報道番組などで、候補者同士の討論、記者との質疑応答などが流されています。それを見ていると、どなたも質問には一応はまともに答えていて、安倍元総理、菅総理に比べるとだいぶマシなように見えます。前の二人のような傲慢さが感じられないのは、今の立場からすると当然なのでしょうが・・・。

 高市氏も、質問に答える姿勢は好感が持てます。ただ、安倍前総理の丸抱えでは、自民党をまともにすることなど期待できないので、応援はしませんが・・・。

 

 総裁選の中で森友問題の再調査などを否定し続けた候補が総裁になれば、間近に迫る総選挙で野党に格好の攻撃材料を与えてしまいます。私は、総選挙の最中の選挙対策として、自民党が森友問題の再調査等を約束せざるを得なくなる状況を期待しています。

 本人に自覚はないかもしれませんが、安倍氏はもはや自民党の足を引っ張るだけの存在でしょう。自民党の改革が実現すれば、もう一度期待してみたい気もしているのですが・・・。

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