地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2021年10月

 今朝ほど(1031日(日))、総選挙の投票に行ってきました。ずいぶん久しぶりのような気がしました。私の地域では、昨年も今年も、県の選挙も市の選挙もなかったので、新型コロナ禍の下では初めての選挙でした。

 

これまでと少し違った様子

 私は朝7時半ころ妻と二人で行ったので、スムーズに投票できましたが、10時ころ投票所の前を通りかかったときは行列になっていました。列を整理していた係員の説明によれば、投票所の中が密にならないように人数を制限し、屋外で行列していただいているとのことでした。幸い、天候が悪くなかったのですが、これが悪天候だったら大変だったろうと思います。投票を諦めて帰ってしまう人もいたかもしれません。

 郵送されてきた投票権のハガキには、「なるべく鉛筆(シャーペンシルも可)を持参」するよう書かれていたので、私も妻も鉛筆を持参しました。投票所にも鉛筆が用意されていましたが、消毒してあり、有権者が使った鉛筆は持ち帰らせているようでした。これも従来と違っていた点です。

 

選管などの御苦労に感謝

 総務省や自治体の選挙管理委員会の職員の皆さまが、投票によるクラスターなど発生させないようにいろいろ工夫された様子がうかがわれ、頭が下がりました。

 次の選挙は何の選挙か分かりませんが、そのころもコロナの心配があるようなら、選管の御苦労を減らすためにも、期日前投票にしようと思います。

 

結果が楽しみ

 私の地域の小選挙区は、結果がほぼ予想できるのですが、次点の候補が比例で復活当選できるかどうか関心があります。上位二人は、県職員だったころ少し関わったことがありますが、どちらも悪い人間ではありません。

 県内の他の選挙区の結果も気になるし、全国の情勢も気になりますが、遅くまで起きているつもりはありません。NHKの大河ドラマ「青天を衝け」の時間も早められているので、早く就寝し、明朝の楽しみにしておきます。

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 1027日、安倍政権が新型コロナウイルス対策として国民や施設に配布した「アベノマスク」約8200万枚、115億円相当が、今年3月時点で配布されずに倉庫に保管されたままであることが判明しました。会計検査院の調査で発覚したようです。

 これは、調達量の3にも上り、保管料も今年3月時点で約6億円に上っているとのこと、あきれたものです。

 官房副長官は記者会見で、配布事業に関して「急増していたマスク需要の抑制の観点からも有効と考えて実施をした。当時の状況においては適切だった。」と強調しているとのこと。もっと反省していただかなければ困ります。反省がなければ、また同じような無駄遣いを繰り返すことになります。

 

何が悪かったか?

 私は、不織布マスクが品薄で切羽詰まった状態において、布マスクを配布しようとしたこと自体は、それほどアホなこととは思っていません。一定の合理性はあると思います。しかし、計画がずさん過ぎました。

 第一に、アベノマスクは普通の大人が着けるには小さすぎました。女性タレントが着用した写真をインスタなどに投稿し、小顔アピールをすることが流行したほどです。当時市販されていたガーゼマスクの多くがあのサイズだったとしても、せっかく大量に製造するのですから、適切なサイズで発注すべきでした。

 第二に、洗濯して繰り返し使用する布マスクを一般家庭に配布するのはいいのですが、医療施設や福祉施設ではどうかと思います。他人が着けたものを、洗濯したとしても着ける気にはなれないでしょうから、個人管理にせざるを得ません。面倒すぎます。

 施設などからあまり配布の希望がなかったのも、当たり前です。

 第三に、発表のタイミングの悪さ等から、イメージが悪くなりました。国民が給付金等を期待していた時に、マスク2枚配布を首相が発表して国民を失望させた間の悪さから、アベノマスク、アホノマスクなどと酷評され、着用するのが恥ずかしいような雰囲気になってしまいました。

 第四に、発注の失敗です。不透明な発注で、「なぜこの業者に?」と疑問に思うような発注で、案の定、初期のころは粗悪品がたくさん発覚しました。

 これらの結果、調達量の3割も余るような結果になってしまったわけです。

 

 総選挙の終盤に、野党に格好の攻撃材料を与えてしまいました。自民党としても、大いに反省し、責任を追及すべきでしょう。

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 1019日に衆議院議員選挙が公示され、テレビでは毎日、候補者や政党の政見放送が流されています。それと合わせて、NHKなどでは選挙制度に関する基礎的な知識を解説しています。

 

法定選挙費用

 先日、「法定選挙費用」について解説していました。選挙の費用を制限しないと資金力のある候補者ばかりが有利になるため、選挙運動に使う費用に上限が定められているということです。私も県庁地方課、市町村課に長く在職し、選挙管理委員会書記の併任を受けていたのですが、選挙の時だけの応援要員(投票用紙や選挙公報の印刷、配送など)だったので、選挙費用などのことは詳しく知りません。

 NHKの解説を聞いていて、ふと、自民党が河合案里議員の陣営にだけ15千万円という破格の大金を交付した参議院広島選挙区の法定選挙費用はいくらだったのだろうと気になりました。

 ネットで検索してみると、河合案里氏が当選した選挙の時の法定選挙費用は見つからなかったのですが、彼女が当選無効になって補欠選挙が行われた際の法定選挙費用は、47008200だったという記事が見つかりました。そうすると、河合案里氏が当選した選挙の時も、せいぜい5千万円程度だったと思います。

 

15千万円は何に?

 選挙運動に5千万円しか使ってはいけない選挙に、なぜ自民党は気前よく15千万円もくれてやったのか?選挙運動に表立っては使えない約1億円を何に使わせようとして河合陣営にやったのか?河合陣営は、実際に15千万円以上も何に使ったのか?

 素人には全く訳が分かりません。あの15千万円には、政党助成金(税金)も入っていたでしょう。

 

自民党は説明が必要

 ほとんどの国民も私と同じ疑問を持つでしょう。

 自民党は、なぜ法定選挙費用の3倍ものお金を河合陣営に交付したのか、何に使うという想定で交付したのか、誰が決定したのか等、自民党本部自身の調査が必要です。河合夫妻から提出された報告書を丸飲みして知らん顔をしている場合ではありません。
 NHKがわざわざこの時期に法定選挙費用の解説をしたのは、圧力をかけてくる自民党への現場のせめてもの反抗でしょうか?

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 昨日、一昨日は、1019日に衆議院議員選挙が公示されてから初めての週末でした。テレビでも連日、各党首等の主張を報じています。しかし、どうも魅力的な政策が見当たりません

 唯一全面的に共感できる政策は、NHK・・・党の「NHKのスクランブル放送化」なのですが、あの党はそれ以外の点が問題外なので、投票する気になれません。私の地域の小選挙区には候補者もいませんし・・・。

 

格差の解消には同意するが・・・

 自民党などが掲げている「中間層を増やす」「格差を縮小」することには同意するのですが、具体的な手法、道のりが見えてきません。岸田氏が一時ほのめかした金融所得に対する課税強化も、すぐに立ち消えになってしまったようです。あちこちに気を使いすぎて、全てにおいて及び腰、中途半端な印象です。

 

バラマキはもってのほか

 各党の、一律給付などのバラマキ公約には、うんざりです。

 消費税の廃止とか凍結とか、民間の迷惑も考えてほしいものです。現在の社会、将来の社会に、消費税は不可欠でしょう。人気取りに使わないでいただきたいものです。

 

 難しいかじ取りであることは理解しています。でも、思い切った施策を講じなければ、格差は開く一方です。AIやRPAの活用で、生産性は上がっていくでしょう。しかし、生産性が上がって儲けが増えた分がは誰のところにいくか考えると、AIなどの所有者である事業主、出資者、株主にほとんどが行ってしまう気がします。

 AIなどを使いこなす技術がある労働者以外の労働者の収入は増えないかもしれません。

 

 最低賃金を今と同じように少しずつ上げていくだけでは、格差は開く一方でしょう。

 こういうことを真面目に考えて、本音で議論する政治家、政党を探していますが、なかなか・・・。

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 数か月前、令和2年度から施行された会計年度任用職員制度の運用についての総務省の調査結果が公表されました。会計年度任用職員制度は、平成29年度の地方公務員法等の改正で決められ、令和24月から施行されたものです。

 制度導入の目的は、従来、法律上の根拠があいまいだった地方自治体の非常勤職員の雇用を明確にし、一般職職員と同様の仕事をしていながら地方公務員法のほとんどが適用されない特別職非常勤職員の扱いを適正化し、官製ワーキングプアなどとも言われていた非常勤職員の処遇改善を図る等でした。

 令和241日時点におけるこの調査の結果によると、これらの改正の狙いは概ね達成できているようです。ただし、一部の自治体では、目的に沿った制度導入が間に合わず、適当とは言えない運用も見受けられます。令和3年度は、おそらくほとんど適正に運用されていることと思います。

 

給料等は?

 会計年度任用職員(事務補助)の1時間当たりの給料の平均は990で、平成28年度の非常勤職員(事務補助)の平均919円に比較するとかなり増えていますが、やはり最低賃金に近い水準です。

 給料の決定方法で、職務経験等の要素を考慮する団体が92.9%ですが、考慮しない団体が7.1%あります。考慮しないということは、契約を更新しても給料を据え置く、昇給させないということでしょう。

 また、給料水準が制度導入前よりも減額となった職種がある団体が23.8%もあります。これは、制度導入前から危惧されていたことでした。期末手当を支給することになるので、期末手当を含めた年間給与を地域の水準に合わせようとすれば月給は下がってしまうかもしれません。また、勤務継続の際に昇給させなければならないとすると、雇い初めの際の給与は抑えようとする団体もあるでしょう。

 

一概に非難できない

 新型コロナ前、民間の雇用環境がまだ良かったころでも、私の地方では、地方自治体が非常勤職員を募集すると応募者が殺到しました。つまり、官製ワーキングプアなどと言われる自治体非常勤職員も、地方によっては恵まれた雇用条件とみなされている実態がありました。今は、なおさらです。

 新たな会計年度任用職員の雇用条件はさらに改善されており、他の民間非正規職員と比較すると羨ましいような条件なのかもしれません。行政としては、役所の非正規職員の待遇ばかり上げられないという事情もあるでしょう。

 

 格差是正は、社会の安定のため、待ったなしの課題でしょう。

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