地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2021年12月

 令和4年度予算は、新型コロナ対策を中心に大盤振る舞いになりそうです。まず経済を回復させてから財政再建を考えるべきだとする理屈は理解しますが、それならばもっと、本当に困っている人に限定して給付する、経済波及効果のある事業を厳選するなど、工夫が必要です。あんな、バラマキでは不公平感ばかり大きすぎ、費用対効果も小さいでしょう。巨額のツケを払わされる子や孫の世代がかわいそうです。

 しかし、私が、「目先のことしか考えていない」と感じるのは、財政運営のことばかりではありません。

 

森友裁判の「認諾」は今後に影響

 公文書改ざんをさせられたことを苦にして自殺された近畿財務局職員の御遺族が提起された国家賠償請求訴訟で、事実を明らかにする調査を恐れて、「認諾」という奇策で裁判を終わらせてしまいました。たしかに、職員の自殺についての国の責任は明確であり、そのことは認めざるを得ないのでしょうが、金額の問題があります。

 行政には公平性、安定性が求められます。あれを認諾したということは、今後、組織の責任で職員が自殺したなどの場合は、1億円の賠償という前例ができてしまいました。

おそらく、従来の水準を大幅に超えてしまったでしょう。

 岸田政権は、裁判所で審理、調査されたくないという「その場しのぎ」のため、ツケを将来に回したのです。浅はかな・・・。

 

安倍政権の負の遺産の損切りを

 岸田氏が、森友、桜を見る会などの安倍政権の負の遺産を再調査し、何が行われたか、誰が悪かったかを明確にして断罪すれば、もしかしたら長期政権の目もあるかもしれません。しかし、あれら負の遺産をそのままにしておいては、野党やマスコミから事あるごとに持ち出され、将来に引きずります。

 安倍氏と決定的に対立することを避けるというその場しのぎを止め、早く安倍氏などを「損切り」することが岸田政権のため、自民党のため、日本のためでしょう。

 アベノマスクの廃棄処分を宣言したように、損切りの姿勢を見せれば浮かぶ瀬もあるかもしれません。長期的な視点に立つべきでしょう。

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 2021年の年末、新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大への危惧が広がっています。私ももちろん感染拡大は望みませんが、オミクロン株がさらに変異し、人に深刻な害を及ぼさないように進化してくれることを希望しています。

 

ウイルスの弱毒化は進化の必然

 約1年前に読んだ「文藝春秋オピニオン2021年の論点」では、当然のことながら新型コロナウイルス関係の内容が盛りだくさんでした。その中で、ウイルスの専門家による次のような解説、予測が印象に残りました。要約すると次のとおりです。

 「ウイルスは、それ自体に毒があるわけではなく、免疫反応を引き起こして害を及ぼす。また、ウイルスは宿主の体内でしか生きて増殖することはできず、宿主が死んでしまえばウイルスも死滅するので、宿主との共存を図るのがウイルスの本来の姿である。だからウイルスは本来の宿主の体内にいる限り害を及ぼさない。しかし、本来はコウモリの体内に住むべきウイルスが人の体内に入ってしまったりすると、深刻な免疫反応を引き起こす。

 新型コロナウイルスも宿主である人に深刻な害を及ぼさないように進化して、普通の風邪のようになるはずで、しかもそう遠い先ではない。」

 私は、それを読んで説得力があると感じました。

 オミクロン株は感染力が強く、重症化しにくいらしいという報道を聞いたとき、私はその専門家の予測を思い出しました。

 オミクロン株がその待ち望んでいた進化形ではないかもしれませんが、それに近いものでしょう。早く無害なものに進化していただき、かつての日常生活に戻りたいものです。

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 先日、閣議決定、経済財政諮問会議での審議を経て公表された「令和4年度予算編成の基本方針」の中に、2か所で「単年度主義の弊害是正」について述べられています。しかし、何を「弊害」として問題視しているのか明白でなく、専制を志向する危険な匂いも少し感じています。

 

「令和4年度予算編成の基本方針」の中で

 まず、「基本的考え方」⑥の中で、「これまでの政府・与党の決定を踏まえた取組を着実に進めるとともに、財政の単年度主義の弊害を是正し、科学技術の振興、経済安全保障、重要インフラの整備などの国家課題に計画的に取り組む。」と記載されています。

 続いて、「予算編成についての考え方」⓸の中で、「いわゆる「16か月予算」の考え方で、令和3年度補正予算と、令和4年度当初予算を一体として編成する。その中で、単年度主義の弊害是正のため必要に応じ新たに基金を創設する等の措置を講じていく。」と述べています。

 これを読んでも、岸田政権が「単年度主義」の何を「弊害」として問題視しているのか不明確です。

 

「予算単年度主義」の弊害

 予算単年度主義の弊害ならば、私も感じています。しかし、それは、主に予算執行における弊害です。年度をまたぐ契約、予算執行がやりにくいとか、年度内に予算を使い切りたくなってしまうとかの問題です。

 予算編成方針の中で岸田政権が問題にしているのは、そういうものではないようです。「財政の単年度主義」とも言っており、主に予算編成段階のもののようです。

 しかし、予算編成においては、今回も「16か月予算」などと言っているように、補正予算や債務負担行為などを活用すれば克服でき、「弊害」と呼ぶほどのものではないと思います。

 

政権の狙いは

 結局、政権の狙いは、国会にいちいち説明することなく勝手に(機動的に)予算を執行したいということのようです。基金を設けて、その基金を勝手に使いたいということなどでしょう。しかし、それは「財政民主主義」に反します。予算単年度主義は、財政民主主義を守るため憲法第86条にも規定されている原則です。

 

 財政民主主義をないがしろにするような暴挙を許さないよう、野党、マスコミ、国民による監視が必要なようです。

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 新聞の書評を読み、テレビで天海祐希主演の映画のCMを見て、興味を持ったので図書館に予約し、かなり待ってようやく原作を読むことができました。映画の宣伝の天海祐希の表情から、ユーモア小説、コメディーだろうと予想していました。しかし、読み始めると特に前半部分はシリアスな話が続きます。

最後は深刻な結末ではなく、ホッとしましたが・・・。

 

 主人公は50代の主婦パートで働いています。夫は中小企業に勤める定年間近の57ですが、貯蓄も乏しいのに見栄を張りたがる性格です。

 本書では、普通に生活していた人が老後貧乏に陥ってしまう原因がいくつも描写されます。主人公夫婦には、子供の派手婚親の葬儀の出費夫と本人の失業親の介護などの経済的打撃が次々に襲います。友人も、経営している商店の経営難、離婚などに見舞われます。年金詐欺の片棒まで担がされそうになります。

 

 ストーリーの中で、派手な結婚式、お金をかけた葬儀と、お金をあまりかけない結婚式、葬儀の様子が描写されていて、勉強になりました。

 あまり贅沢にやるつもりがなくても、恥ずかしくないように「世間並み」にやろうとすると業者の口車に乗せられ、高くなってしまうことが往々にしてあるようです。それを回避するのは、なかなか難しそうです。

 私も、これから終活をさらに進めるにあたって、家族がわずかばかりの遺産を葬儀で無駄にしないよう、対策を検討しようと思います。

 ストーリーを楽しみながら、少し勉強になりました。

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 田中前理事長が1119日に脱税の疑いで逮捕された1119日から3週間も経って、1210日、ようやく日大が記者会見を開いて謝罪しました。新理事長(学長)が前理事長との永久決別を宣言しましたが、そもそも田中体制の下で取り立てられた幹部たちであり、また具体策も示されず、十分納得できる内容ではありませんでした。

多くの国民が、あの会見を見て日大の再生に危惧を抱いたと思いますが、文科省も我々と同じ危惧を抱いたようです。文科省はかなり強力な行政指導に乗り出しました。

結局、日大の新理事会は文科省の「外圧」を招き、自主的な再生、自浄の機会を失ってしまいました。今となっては、日大理事会としては、文科省の指導に従い、抜本的な改革をせざるを得ないでしょう。

 

文科省から指導通知

1217日、文科省から日大に対して具体的な対応を求める指導通知を発出されました。こんな文書での指導は極めて異例のようです。

その文書では、あらためて真相究明に向けて徹底した調査を求め、具体的に、「実効性のある再発防止策の策定とそれを確実に実行できる執行体制の構築」「役員および評議員の選任方式の見直し」「前理事長への損害賠償請求」「解散を含む子会社管理のあり方の見直し」等が列挙されているようです。また、20221月中旬までに具体的な対応状況を報告し、3月末までに最終的な調査報告および改善方策を提出するよう要請しています。まさに、手取り足取りで、私立大学としては屈辱ものです。

さらに、文科省では、この対応状況によっては私立学校に対する行政処分私立大学への経常費補助金の取扱いについても言及しているようです。

田中前理事長に対して損害賠償請求をしなければ、経常費補助金を全額カットもあり得るかも・・・。

文科省の本気が伝わってきますが、国民からすれば、文科省も今まで何をしていたんだと言いたいところではあります。

 

1221日、田中前理事長は、保釈金6千万円を現金で支払って拘置所から保釈されました。まだ、かなりお金持ちのようです。

もっと追い詰められて、かねて豪語していたように、政治家とのつながりなども全部暴露してくれることを期待しています。

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