職場で「デザイン」について講演を聞く機会があり、デザイン思考のことを知りました。それまでは、「デザイン」といえば、形を描いたり、車のボディーを造形したりするイメージしか持っていませんでした。でも、考えてみれば、「今後の社会をデザインする」など、物理的な形ではない意味もあったことに気づきました。
「デザイン思考」とは、イノベーションを起こすようなアイディアを生み出すための手法、ビジネスプロセスのようです。アメリカでは、スタートアップ企業への人材供給源としてスタンフォード大学が圧倒的な存在感を誇っており、ここで行われている創造性教育が「デザイン思考」の源流です。
監修者は、スタンフォード大学などの支援を受けながら東京大学i.schoolを共同創設した日本の「デザイン思考」教育のパイオニアです。
漫画は、カフェチェーンの若手社員が主人公です。彼は、会社から、真面目だが創造力がないという低評価を受けていて、万年赤字のカフェショップの店長に転勤になります。そのショップは、道路の向かいに絶品のパンケーキで人気のカフェがあり、これまでの店長がどれほど努力しても黒字化できずに退職を余儀なくされたといういわく付きです。そこでデザイン思考を活用してイノベーションを起こし、繁盛店にするストーリーです。
低迷していた会社にイノベーションを起こして立て直し、引退した大手文具メーカーの会長が指南役として、登場します。この老人から、インプルーブメント(改善)ではなくイノベーション(革新)を起こすための手法の指導を受けます。
イノベーションを起こすには、まず、注意深い「観察」によって客の「潜在的ニーズ」を見つけなければなりません。「表面化したニーズ」には既にこれに対応したサービスがあります。しかし、「潜在的ニーズ」は客自身も気づいておらず、しかも既存のサービスがないので、これを発見できればイノベーションを起こす可能性があります。
本書では、その観察のほか、アイディアを出すためのブレーンストーミングの手法などが漫画のストーリーの中で解説されています。
簡単に読むことができ、入門書としてはお勧めです。
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