地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2022年02月

 多くの地方公共団体では、職員の年次有給休暇を翌期に繰り越す際、1日未満の端数を切り捨てて繰り越します。それは、人事院規則で国家公務員についてそのように規定しているので、何となく準じているのでしょう。しかし、労働基準法の適用が除外されている国家公務員はともかく、原則として適用される地方公務員については、その取扱いは違法の疑いがあると思います。

 

民間での議論が先行

 公務員は以前から年次有給休暇を時間単位で取得することが認められていましたが、民間は認められていませんでした。それが、平成22年に施行された改正により、民間も一定の要件の下に時間単位取得が認められるようになり、繰り越しの際の一日未満の端数の扱いをどうするかが一部で問題になりました。

 労働基準法では、繰り越しの際の端数のことまでは規定していません。しかし、付与した年休が消滅する事由として規定されているのは、労基法第115条の消滅時効(2年)だけです。

 この付与されてから2年の時効の結果として、繰り越しは翌期までで翌々期への繰り越しは不可、繰り越す日数は20日が上限等の扱いになっています。

 つまり、1日未満の端数とはいえ、まだ消滅時効にかからない年休を切り捨てて消滅させていい法律上の根拠はないのです。

 ネットに公表されている弁護士、社会保険労務士等の専門家も、1日未満の端数を付けたまま繰り越すか切り上げて繰り越すべきという見解がほとんどで、切り捨ては違法の疑いというのが大勢です。

 平成22年の制度改正の際の厚労省の解説でも、端数付きのまま繰り越すか切り上げて繰り越すのが適当とされています。切り捨ては違法だとまではさすがに言いにくかったのだろうと想像しています。

 

地方公共団体は早く検討を

 地方公務員法では、年次有給休暇関係で労働基準法の特例として定めているのは、時間単位年休の付与手続(労働者代表との協定などが不要)や上限(民間では5日分が上限だが地方公務員は上限なし)などだけです。それ以外の部分は、労基法が民間と同じように適用されます。すなわち、民間で違法の疑いのある運用は、地方公共団体でも違法の疑いがあるということです。

 前述のように、繰り越しの際の端数切捨ては、人事院規則が定めている国家公務員の扱いを深く検討せずに準用してしまったのでしょう。国家公務員に準じることで違法の疑いが生ずるのは、今回のような極めてまれなケースだと思います。

 国(厚労省や総務省)は、地方公共団体のこの状態を知っているはずです。「技術的助言」をしないのは、人事院規則も法律的に怪しいために、躊躇しているのかもしれません。

 問題に既に気付いている自治体、このブログを読んで問題を認識してくださった自治体は、早めに検討し、是正していただきたいと思います。

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 215日に東京地方裁判所で開かれた約5200万円の脱税事件の裁判について、田中前理事長が起訴内容を認め、争わない意向を表明したと報じられています。自宅で多額の現金が見つかるなど、あれだけ証拠を積み重ねられれば、争っても無駄と判断したのでしょう。

 おそらく今の彼の関心は、事件が片付いた後に余生を安楽に送ることができる財産が残るかどうかということだろうと想像しています。

 この裁判で問われている脱税の追徴くらいは痛くもかゆくもないのでしょうが、日大からの賠償等の請求が楽しみです。

 彼が業者から受けたリベート等はすべて大学が余分に支払わされたもので、大学の損害です。国からの補助金が停止されたり減額されたりした分も、前理事長に起因する大学の損害です。

 さらに、日大のブランドに傷がついたことの損害は、巨額に上るはずです。それらすべてを緻密に積み上げ、前理事長や同じく逮捕されている前理事に請求しなければなりません。それをしなければ、学生、卒業生、教職員の理解が得られないでしょう。

 悪事は割に合わないものだということを、若い人たちに示さなければなりません。

 

暴露に期待

 田中前理事長は、逮捕前、「俺が逮捕されるようなことがあれば、今まで政治家に渡した裏金のことも全部ぶちまけてやる。」と周囲に豪語していたと報じられています。今となっては、せめてそれくらいは実行するのが、日本国民への詫びの印でしょう。

 私とすれば、彼が政界へのカネの流れを暴露してくれれば、彼の罪は許してもいいと思います。

 彼には、国民の期待を裏切らないようお願いします。

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 最近できた「みなし陽性」という言葉、何か変な感じがしています。ニュアンスは分かるのですが、言葉の使い方として適切ではない気がします。

 

「みなし陽性」とは

 感染者の濃厚接触者に発熱などの症状があったとき、医師が検査を経ずにオンライン診療などで感染者と判断することができるようになり、それを「みなし陽性」というようです。「疑似症患者」というのが正式名称のようですが、政府も自治体も「みなし陽性」と言っています。

 

「みなす」「推定する」とは

 法律で「みなす(見做す)」という言葉は、「推定する」という言葉と対比して説明されます。私も50年近く前、大学入学直後の「法学通論」の講義で、そのように教わったのを懐かしく思い出します。

 「みなす」とは、本当はそうでなくても法律的にそういうことに確定してしまうことです。多くの場合、本当はそうでないことを承知の上で「みなす」のです。例えば、未成年者が婚姻した場合には成年に達したと「みなされ」ます。実際は成年に達していないことは承知の上で、法律的にそのように確定してしまうのが「みなし成年」です。

 「みなし公務員」も、本当は公務員でない人を「公務員」と扱うことです。

 それに対して、「推定する」とは、そういう可能性が高いので一応そのように決めることです。妻が婚姻中に妊娠した子は、夫の子と推定されます。その可能性が高いからです。しかし、反証があれば覆されます。そこが「みなし」との違いです。

 

「みなし陽性」には反証を認めないのか?

 感染者の同居家族など、濃厚接触者が新型コロナのような症状を示せば、感染している可能性が高いでしょう。医師の診断で感染していると推定することは合理的だと思いますが、反証を認めない効果まで認めるのでしょうか?

 一度医師から「みなし陽性」と診断されれば、その後PCR検査などで季節性インフルエンザであったことが分かっても、新型コロナ感染者と扱われるのは、変な気がします。

 そこまでの効力は認められないならば、用語を改めるべきだと思います。

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 日本経済新聞社編らしく、論点は政治、経済に限られており、文藝春秋オピニオンほど幅広くはありません。読者の多くがビジネスマンであるためでしょう。

 「文藝春秋オピニオン2022年の論点100」を読んで  参照願います。

 

 本書は、「日本経済はこれからどうなる」の章の中に8つの論点、「日本企業はこれからどうなる」の章の中に7つの論点、「世界はこれからどうなる」の章の中に7つの論点が収められています。いずれも興味深い内容なのですが、2022年の2月に読むのは遅すぎました。

 ほとんどの論点が20219月末頃に校了し、11月に早くも出版されています。2021年中に読んでおくべきでした。半年も経過すると状況がかなり変わってしまっている論点もありますが、大きな流れは半年くらいではそう変わらず、非常に参考になります。

 本年版も、コロナ後の世界、米中対立の問題に言及する論点が多いのは当然でしょう。

 

 私が最も関心を持ったのは、論点10「ルールを世界に売り込もう」です。

 ヨーロッパ諸国は、ルールや規格を自分たちに有利なように定め、それを世界中に広げようとします。スポーツの世界などでは昔からこの手法は指摘されていました。スキージャンプでは長野オリンピックで日本選手が金メダルを取った後、板の長さのルールが変わり、小柄な日本人には不利になりました。このようなことは枚挙にいとまがなく、中国共産党でなくても、なぜ欧米が勝手に作ったルールに従わなければならないのだと反発したくなります。

 経済分野でも同様の手法が行われており、古くはISO、最近ではESGなどです。

 すべての部品や材料の生産から廃車までを通した二酸化炭素排出量は、ハイブリッド車もEV車も現状では同等にもかかわらず、ハイブリッド車を一方的に市場から締め出そうとしていることなども、自分たちが有利な条件を作り出そうとする動きのようです。

 

 中国やロシアの横暴だけでなく、欧米の横暴から日本の国益を守っていくのは、なかなか大変そうです。

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 県職員OBですがまだ働いており、給与所得は勤務先で年末調整をしていただいていますが、わずかな不動産所得等があるため、毎年所得税の確定申告をしています。昨年からは公的年金所得も加わりました。

 電子申告(e-tax)のシステムができた直後から利用しており、今年もマイナンバーカードとカードリーダーライターを使って、129日(土)に自宅から済ませました。

 

マイナポータルと連携すれば

 パソコンで事前準備をする過程で、今回は「マイナポータルと連携する」か「連携しないで申告書等を作成」か、選択する画面がありました。説明を読むと、連携した場合は、株式の特定口座、ふるさと納税、生命保険料控除、地震保険料控除、医療費控除、住宅ローン控除に関するデータを取得できるようです。今回はまだ完全に準備が整っていない状態のようでしたが、便利なシステムだと思います。

 証券会社、ふるさと納税の仲介サイト、保険会社などから国がデータを取得して、所得税の各種所得控除などの資料にしていただけるようです。

 毎年11月末頃、勤務先に提出する年末調整の書類に生命保険料の明細などを記入するのは、非常に面倒な作業です。それをシステムがやってくれるようになれば、かなり助かります。
 私は、今は勤務先で年末調整をしていただいているので今回はマイナポータルと連携せず、仕事を引退したら連携して確定申告を簡略にしようと思います。

 

なにもマイナポータルに限らなくても

 保険会社などから国へは、全対象者のデータが提供されるのでしょう。それをマイナポータル登録者だけのものとするのは不合理です。

 事業所で行う年末調整でもそのデータを使えるようにすれば、各事業所やその従業員の手間もかなり軽減されます。マイナンバーを使ってデータを連携させれば、さほど難しくはないでしょう。マイナポータルを介する必要もなく各個人にマイナンバーカードを携帯させる必要ももちろんありません

 

 国や公的機関の持つ様々なデータをマイナンバーで連結させれば、いろいろなことが迅速かつ正確にでき、行政や社会全体の効率化が可能になるはずです。日本の生産性の低さは、競争力を阻害しています。何とかしなければ・・・。

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