地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2022年04月

 所得の低い子育て世帯に対し、物価高騰の緊急対策として子供一人当たり5万円の給付が行われることが、428日に報じられました。児童扶養手当を受けている低所得のひとり親世帯と、住民税が非課税の子育て世帯が対象となるようです。

 この施策には大賛成です。あまりに評判が悪くて立ち消えになった老齢年金への5千円の上乗せには大反対だった私も、今回の措置には賛成です。
 「年金受給者への5000円の特別給付」  

 

 「低所得」の線引きの詳細は報じられていませんが、この物価急上昇で一般的な所得の世帯も困っているでしょうから、「低所得」であれば困窮していることはほぼ確実でしょう。貯蓄に回る部分はあまりなく、ほとんどが消費されると思います。

 また、子育て、少子化対策は日本の最大の課題であり、他の施策より優先されなければならないことは当然です。日本の未来を担う子供たちには、健全に育っていただきたいものです。親の世代から豊かな日本を受け継いだ私たち世代ですが、子や孫の世代には、少し貧乏くさくなった国を任せることになりそうなので・・・。

 

 今の人口減少、高齢化は、3040年前にはかなり正確に予測できていました。この失われた30の間、もっといろいろ対策がとれたはずです。

今からでも、できることはやらなければなりません。

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 423日、北海道・知床で、観光船による痛ましい事故が起こってしまいました。4月26日時点では死者が11人で未だ15人が行方不明ですが、まだ発見できないということは、望みはほとんどないということでしょう。

 事故後の報道によれば、その観光船の運航会社「知床遊覧船」は、かなりのブラック企業で、船長が悪天候のために出港しないという判断をしづらい状況があったようです。また、数年前に社長が交替した後、ベテラン船長らの解雇や辞職が相次ぎ、船に乗れるスタッフがほとんど残らなかったとも報じられています。

 そんなブラック企業ですから、十分な賠償責任保険に加入していたかどうか、心配です。

 

経営者の社会的責任 三幸製菓も

 知床遊覧船の社長は、25日以降、乗船していた人たちの家族への説明会にも欠席がちだったようです。27日にようやく社長の記者会見を行い、記者団のまえで土下座して見せましたが、納得できる説明など、初めから不可能でしょう。

 それで思い出すのは、2月に工場で火災を起こし、6名もの犠牲者を出した新潟県の三幸製菓のことです。先日の報道で、火災後に中断していた生産を5月中旬から再開するとのことですが、火災後、社長による記者会見や、説明会で社長が説明するというようなことが、一切行われていないことも報じられています。

 火災に至るまでの状況や火災後の対応から、危機管理ができていない会社であることは知っていましたが、あまり反省もしていないようです。反省していないというか、経営者が経営責任を感じていないようにも思われます。
 「三幸製菓の火災に見る危機管理」 参照願います。

 あれだけの事故を起こしたのですから、公の場で社長が説明、謝罪し、再発防止を誓うべきことは当然です。そうした方が、生産再開後、業績の戻りが早いことは誰もが分かるでしょう。記者会見をすれば、責められてつらい思いをするでしょうが、事故の責任、今後の会社運営のことを考えれば、やらなければならないことは、私でも分かります。それをしなければ、いつまでも事故のみそぎができず、経営者として失格でしょう。一生、陰に隠れて暮らさなければなりません。

 

 経営に携わる人には、それなりの責任があり、覚悟が必要であることをあらためて思い知らせてくれた二つの事故でした。

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 著者は認知科学者であり、その専門性を基に多くの会社から依頼されて数々の製品デザインに関与してこられたデザイナーです。本書も、人間の心理をベースとして、使いやすい製品デザインについて説明されています。

 あるきっかけで「デザイン思考」に興味を持ち、その流れで本書を手に取りました。「デザイン思考」のデザインもそうですが、本書でいう「デザイン」も単に外見をカッコよくすることではなく、使いやすいという機能面を重視した考え方です。

 

アフォーダンスとシグニファイア

 良い製品デザインの要件として、「アフォーダンス」と「シグニファイア」が挙げられますが、これはなかなか難しい概念です。何度も関係個所を繰り返して読み、ネットでも調べて、なんとなく理解できました。

 本書でいう「アフォーダンス」とは、あるモノについて、人がそれに対してどう働きかけるか(何をするモノなのか、どうやって使うのか)ということのようです。シグニファイアとは、その(どうやって使うのかの)手がかり、ヒントというような意味のようです。例えば、ドアであれば、開閉して人が出入りできるというアフォーダンスがあり、ノブや取っ手は、どうやって操作するかを人に示唆するシグニファイアです。細長い板が貼り付けてあれば、そこを押せば開くだろうと見当が付きます。引手が付いていれば、引くか横にスライドさせて開けるのだろうと見当が付きます。

 建築家の中には、見た目をスッキリさせるために、どうやって開け閉めするのか分からないようなドアを作る人もいるとのことです。昔の車で、キーを抜くにはギアをバックに入れなければならないものもあったそうで、そういう馬鹿げたデザインも紹介されています。

 

 ヒューマンエラーで片づけられている事故の多くも、製品のデザインに問題があるケースが多いとのことで、問題の根本までさかのぼった「人間中心のデザイン」を提唱されています。読みながら、「あるある!」と共感する箇所がたくさんありました。

 本書は、デザインを学ぶ学生の教科書としても広く使用されているようです。しかし、製品がますます多機能になって、使いやすい製品はなかなか難しそうです。私も、自宅の照明のスイッチをしょっちゅう間違えます。

 デザイナーを目指す人ばかりでなく、私たちが制度を設計する、仕事のやり方を考える上でも、参考になります。

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政府が422日、新築住宅に省エネ基準適合を義務付ける関連法改正案を閣議決定したことが報じられました。住宅を建てる際、断熱材を厚くしたり、効率的な冷暖房や照明を導入したりするなどによって、省エネ基準を満たすことが2025年度から義務付けられるようです。今国会への提出は見送られる見込だったのが、専門家などからの批判を受けて、提出されることになったようです。

太陽光発電は義務付けられてはいませんが、エネルギー消費を太陽光発電で相殺するなど、太陽光発電を促進する仕組みも導入されるとのことです。

太陽光発電設備の設置が義務化されないなど、やや不徹底の感じはしますが、一歩前進ではあります。

 

東京都はさらに

同じく422日、東京都の小池都知事は、記者会見で、住宅を含む一定の新築建物に太陽光パネルの設置を義務付ける制度を導入する方針を示しました。住宅の施主や購入者ではなく、住宅メーカーなどの事業者に義務付けるようです。

都の環境審議会で検討が進められていますが、早期の実施を期待しています。

 

省エネは待ったなし

温暖化対策としてカーボンニュートラルを急いで実現する必要があります。さらに、ロシアの石油や石炭などに頼らない世界を作る必要もあります。一時的にはガソリンや灯油の価格安定策も必要かもしれませんが、脱化石燃料、脱原発を進めるのが本筋です。原発は、運転中は二酸化炭素を排出しないかもしれませんが、事故対策に膨大なコストやエネルギーを費やします。つまり、環境コストも高いということです。さらには、海水を温め続け、二酸化炭素を介さずに地球を温めます。

 

 各自治体も、政府、東京都に続き、それぞれができる対策を講じなければなりません。

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 ウクライナの首都キーウ近郊のブチャで多数の民間人に残虐行為を行い、殺害したことが確実視されているロシア軍部隊に対し、プーチンが「親衛隊」の名誉称号を付与したことが報じられました。プーチンは「軍事紛争で祖国と国益を守るため英雄的行為と勇気を示した」と称賛したとのことです。ロシア軍の略奪や残虐行為が、一部のならず者の兵士による犯罪ではなく、組織的犯行であったことを自白したと解釈すべきでしょう。
 あんな称号は、近い将来、隠すべき汚点になるのは間違いないでしょうが・・・。

 

 これまでも、レイプなどを含むロシア軍の残虐行為や略奪が、軍として組織的に行っているのではないかという疑惑がありました。まともな軍隊なら、そんなことをすれば軍の名誉が傷つくので、規律を守らせようとするでしょう。ならず者の兵士が残虐行為をしようとすれば、上官に隠れてやるはずです。しかし、今回のロシア軍の残虐行為は、広範で大っぴらです。

 ロシア軍兵士が、略奪した家電などを嬉々として荷造りし、ベラルーシからロシアの自宅に発送する場面までテレビで放映されていました。

 上官の目を恐れていないようです。略奪や残虐行為を奨励しているか、少なくとも咎めないことにしているのでしょう。

 今回報じられた「称号授与」で、「やはりそうだったか!」という感じです。

 

 戦後、これらの戦争犯罪は、国際法廷で裁かれなければなりません。償うことなど不可能でしょうが、賠償させなければなりません。ロシアの敗戦後の復興は、ますます大変です。

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