地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2023年02月

 岸田首相は、1月27日の参議院代表質問への答弁で、「物価上昇を超える賃上げと、その先の構造的賃上げに取り組んでもらうため、政府としても政策を総動員して環境整備に取り組む」と述べ、大きく報じられました。言葉を聞く限りでは、日本の生産性の低さの元凶である低賃金を是正することの重要性と、物価上昇の中で大幅な賃上げが行われなければ苦しむ人が大勢いることは承知されているようです。しかし、あの頼もしい発言から間もなく1か月になりますが、総理が何か具体的な指示を出したという報道はみられず、やはり口先だけだったかという失望も感じています。

 トヨタ、ホンダなどの賃上げ交渉での満額回答というニュースが続々と報じられる中、多くの中小企業労働者、非正規労働者は、あきらめの心境にあります。労働組合もなければ、声を上げる手段も限られ、声を上げた場合には職を失う可能性もあります。

 そんな中、各地の労働局に対し、非正規労働者が加入するユニオンなどから、最低賃金の引き上げの要請が相次いでいます。最低賃金は昨年10月ころに改定されましたが、その後の物価急上昇は反映されていません。特に地方では、最低賃金に近い賃金で働く労働者も多く、このままでは生活困難に陥る人がさらに増えてしまいます。

 「政策を総動員」するという言葉が口先だけのものでないのなら、少なくとも、最低賃金を物価上昇を上回る上昇率で再改定すべきことは当然です。それが、底辺の労働者を確実に救う道でしょう。倒産する企業も出るかもしれませんが、その程度の賃金を支払えないような企業であれば、市場から退場していただく方が労働者のため、地域のため、日本のためです。今の雇用情勢であれば、再就職の支援をしっかりすれば、失業者はほとんど増えないでしょう。

 岸田政権、「政策を総動員」とか「異次元の対策」とか、言葉だけは勇ましいものの、今のところ行動は全く伴っていません。今回の最低賃金の再改定などは、政策の困難度はかなり低いと思います。政権がその気になれば、簡単に実現できるでしょう。

 せめて、これくらいは実現していただきたいものです。

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 ロシアがウクライナに対して侵略戦争を開始してから、2月24日で1年になりました。なかなか終わりが見えません。

 西側の報道では、かなり前から、ロシアのミサイルが底をつきそうだとか、プーチンが病気で余命わずかだとか、経済的に破綻して戦争継続ができなくなるといった観測が流れ、私も期待していましたが、なかなか実現せず、がっかりしています。ウクライナの人々の苦悩はいかばかりかと胸が痛みます。

 もう一つ期待しているのは、ロシア国内でプーチンが引きずり下ろされ、新たな政権が戦争を終結させることですが、識者の見解では、プーチンの権力基盤は安定しているとのことで、それも期待薄です。ロシア国民も、この戦争がロシアに不利に進んでいること、こんな戦争は始めなければよかったことは既に知っているでしょう。しかし今となれば、ロシアの敗戦が確定した場合、ソ連が崩壊した時のような困難が生ずることを恐れているのかもしれません。でも、ロシア国民は、この戦争が長引けば長引くほど、戦後に支払わなければならないツケが大きくなることを知るべきです。

 

ロシアの教訓

 ロシアの今の事態は、日本にも教訓になります。

 報道の自由、言論の自由を絶対に守らなければならないこと、反対者に恐怖を与えるような強圧的な人物をトップに据えてはならないこと・・・。

 プーチンは、反対意見を述べる人や批判をする人を抹殺するなどした結果、正しい情報を得られなくなり、アホな侵略戦争を始めてしまいました。

 日本は、あんなアホな政権ができないよう、国民がしっかり監視を続けなければなりません。

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 2024年秋に現行の健康保険証が廃止になり、マイナンバーカードを使った「マイナ保険証」に一本化されることに伴い、マイナンバーカードを持たない人のために「資格確認書」を出すことになっていました。政府は当初、この資格確認書の交付は有償でと考えていたようですが、与党内でも反対が多く、結局無償になったようです。これまで健康保険証の発行は無償だったので、これも無償で当然ですが、発行は各保険者ですから、保険者の負担になるのでしょうか?

 この資格確認書は、最長1年間は有効とのことですが、毎年更新手続が必要ということになります。マイナンバーカードの有効期間が10年(電子証明の有効期間は5年)であることと比較すると、かなり短いのは、マイナンバーカードの交付を受けない人に対する政府の嫌がらせでしょうか?

 私はマイナンバーを使って行政サービスの効率化を図ることに大賛成なのですが、国民にマイナンバーカードを持ち歩かせることには大反対です。持ち歩かせるとすれば、番号の記載のないものにすべきです。

 政府は、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせることなどより、すべての銀行口座をマイナンバーカードと紐づけることを急ぐべきでしょう。税金をごまかそうと思っている人は困るかもしれませんが、大多数の善良な国民は困りません。

 法人口座もすべて法人番号に紐づけ、それ以外の怪しげな口座を凍結してしまえば、振り込め詐欺などの犯罪も激減させられるでしょう。脱税など考えていない大多数の善良な会社は困りません。
 やましいことがある連中(政治家が多そう)の反対を恐れて、政府は全口座の紐づけに二の足を踏んでいますが、それをしなければ、公平・公正な負担や給付はできないでしょう。


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 北朝鮮が、2月19日、ICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射し、日本のEEZ内に落下しました。このミサイルは、米国本土全体が射程に入るようです。米韓が共同訓練を続けたためか、翌20日の朝にも短距離弾道弾2発を日本海に向けて発射しました。20日には金正恩の妹が、「太平洋を射撃場として活用する頻度は米軍の行動の性格にかかっている」などと脅しのようなことまで言って挑発しています。

 この様子を見ていると、「北朝鮮は、よほど米国を信頼しているんだな!」と感じます。北朝鮮だって、いくらバカでも、米国がその気になれば北朝鮮など数時間で壊滅させることができることは知っているでしょう。

 それにもかかわらず、アホな挑発を続けるのは、米国がそんな暴発はしないと信頼しているからとしか考えられません。トランプ政権だったら、北朝鮮も躊躇したかもしれませんが・・・。

 

 北朝鮮は、米国が自重している間に核抑止力を獲得しようと躍起になっているのでしょう。しかし、米国が自重を続けるのは、北朝鮮が本当に米国を攻撃できる武力を獲得する寸前までだと思います。核弾頭の小型化、大気圏再突入に耐える核弾頭、米国からの攻撃を事前に察知できる能力を北朝鮮が獲得しそうだと米国が判断した時、米国は自重を続けないと思います。自国民を危険にさらすことになりますから・・・。安全に叩けるうちに潰してしまおうかと考えるでしょう。これほど北朝鮮が口汚く挑発を続け、米国を攻撃する意図を公言し続けていれば、米国が先制攻撃をしても国際社会もさほど米国を非難しないかもしれません。

 北朝鮮も、いつまでも、大人にたてつくクソガキのような行動を続けないのが、身のためのような気がします。

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 本書は3部で構成され、全体の5分の3を占める第1部は、政府の統計やリクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査」などから、定年後の仕事についての「15の事実」を導き、本当の実態を解説しています。

 高齢になっても企業の経営者等としてバリバリ働き続ける人、現役時代の貯えで悠々自適で暮らす人、また、生活費を必死で稼がなければならない人など、様々な境遇の人がいます。現役世代の人たちはその姿を見て、自分はどんな老後になるのだろうと不安を募らせています。しかし、統計が示しているのは、そういう姿は定年後の「典型」ではなく、「定年後の「小さな仕事」に無理なく従事しながら、日々慎ましくも幸せな生活を送っている姿が、高齢期の「典型」であるとのことです。

 第2部は、その「典型」に属する7人の高齢者が、生きがいを持って仕事を楽しみ、幸せに暮らしている実例が紹介されています。

 第3部は、高齢者が無理なく働きながら幸せに暮らすために、本人、会社、社会がどのようにあるべきかの提言的な記述になっています。

 『「小さな仕事」が日本社会を救う』という副題で、定年後も無理をしない範囲で楽しく仕事を続け、それによって担い手の不足に苦しむ日本社会も救うことを説いています。

 

 たしかに、定年前後を境に、収入は大幅に減らされ、正社員から非正規雇用になる人が多数派です。現役世代の人たちは、その姿を見て不安になるかもしれませんが、子育てなどが終わってしまえば稼がなければならないお金も多くはなく、年金をもらえるようになれば月10万円も稼げばゆとりのある生活ができます。責任も軽くなり、時間にもゆとりができて、「他者に貢献する」「新しい経験をする」など、仕事本来の楽しみを見つけて生きがいを持って暮らしているのが、典型的な高齢就業者の姿です。

 私もその一員で、本書に書かれていることは事実であると実感しています。

 

 高齢期の就労は、若いころの「高い収入と栄誉」を求める意識から解放され(解放されない人もいますが)、小さな仕事を通じて「他者への貢献」「生活との調和」「体を動かすこと」などを求める方向に変化します。その意識の変化によって、権限や責任が少ない代わりに賃金も安い小さな仕事にやりがいを感じることができるのです。

 多くの人が自分に適した仕事に出会えるよう、労働市場の進化が必要です。日本が経済大国として復活することは難しいでしょうが、小さくても豊かで幸せに暮らせる国を目指すべきでしょう。

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