地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2023年03月

 「最高の眼科医が「謎と最新治療」に迫る」という副題が付いています。著者は、白内障や緑内障などの新たな手術法をいくつも開発し、世界最高の眼科外科医を賞する賞をを受賞されるなど、国際的に著名な眼科外科医のようです。

 日本では、緑内障は最終的に失明に至る病気というイメージですが、著者が開発した手術法が普及した欧米諸国では、緑内障で失明する患者は減少しているとのことです。

 本書の中で、著者は、日本には眼圧を下げる点眼薬を漫然と続けるばかりで、手術の時期を逃してしまう眼科医が多いことを再三嘆いておられます。

 

 本書の冒頭近くに、「正常眼圧」が正確ではないことが説明されています。眼圧を測定してもその値は角膜の厚さで左右されてしまうので、それを補正しない測定値は当てにならないようです。ほとんどの眼科医は角膜の厚さなど測らずに単純に測定していますが、その数値も全く無意味というわけではなく、変化、推移を見ることは有意義であるようです。

 また、眼圧が上がる原因も様々であること、眼圧が高くなくても別の理由で血流障害が起こって緑内障になることもあること、それぞれのケースの治療法、手術法などが紹介されています。専門的過ぎて、シロートが読んでも完全には理解できませんが・・・。

 眼科医で処方される点眼薬の種類、特徴なども説明されています。近年、何種類もの点眼薬を使用しなければならない患者の負担を減らすため、数種類の薬を合わせた「配合剤」が盛んに使われていますが、中には表示されていない保存剤が含まれているものもあり、眼に悪影響を及ぼすこともあるとのことです。

 

 本書は、緑内障と診断されて通院中の人は、ぜひ一読すべき本だと思います。読んだ結果、自分の主治医が最新の正しい知識を持って診療しているのか、不安になってしまう可能性もありますが、自衛のためには読んでおいたほうがいいでしょう。

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 厚生労働省が新型コロナ対策のマスク着用を「個人の判断」に改めた3月13日から2週間あまり経ちました。テレビなどで報道される新型コロナの感染者状況は、ずっと減少し続けていたのが、3月25日ころの状況では前の週の同じ曜日より増える傾向にありました。この感染者数の増加が、マスクの緩和と関係があるかどうかは分かりませんが、私は無関係ではないと思います。

 卒業式後のパーティーなどでマスクを外して楽しめば、感染者数は増えるでしょう。電車やバスの中でマスクをしていない人が増えれば、やはり感染者は増えるでしょう。

 そんな危惧もあってか、これまで通りマスクを着用している人が多数派です。通勤電車の中でマスクをしない人がいる以上、自らの身を守るには、自分がマスクをしなければなりません。

 我が職場も、原則として「個人の判断」になりましたが、来客と対応する際は原則としてマスク着用としています。来客へ感染させないため、職員を感染から守るためです。今のところ、周辺の自治体の多くも同じ対応のようです。

 執務室内で仕事をしている際にはマスクをしなくてもよくなったのですが、まだマスクをしている人がほとんどです。私も、自分が感染源になって職場に感染を広げると大変なので、マスクを続けています。
 自発的にマスクを着用したままの人が多い方が感染を抑制できて社会にとって都合がいいはずですが、政府はなぜかマスク外しに熱心です。G7での世界からの目を気にしているようです。私は、当分マスクを続けます。

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 令和4年度も、あと数日で終わりです。退職される方もおられるでしょう。先輩として、一つだけアドバイスさせていただきます。

 公務員や会社員で定年退職される人は、60歳以上でしょうから、国民年金に加入する必要はありません。また、退職後、間を置かずに再就職して、共済年金や厚生年金の対象になる場合も、何も考える必要はありません。

 しかし、共済年金や厚生年金の対象になる再就職をしない場合(短時間勤務など)で、配偶者が60歳未満である場合、配偶者だけは国民年金に加入する必要があります。

 定年前に退職される人は、本人も加入する必要があるかもしれません。

 

 国民年金には、付加年金という制度があります。国民年金の保険料を納付する際、月額400円を付加して納付することによって、将来の年金額が、付加年金納付月数×200円付加されるのです。年金を2年もらえれば元が取れるというのは、かなり有利な制度だと思います。長生きするほどお得になります。
 対象になる方は、ネットで調べるなり、市町村役場に問い合わせるなりして、検討する価値はあると思います。

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 3月19日(土)、20日(日)、「NHKスペシャル」で福島原発の事故について2夜連続の特集がありました。「原発事故12年の新事実」「原発事故12年新たな謎」の前後編で、日本が壊滅の危機に瀕した88時間の再現ドラマ等で構成されていました。とても見応えのあるドキュメンタリーでした。

 私は、19日、20日は他の予定があって視聴できなかったので、録画して後日視聴しました。

 番組では、相次いでメルトダウンを起こした1号機、2号機、3号機のトラブルへの緊急対応の様子が再現され、息詰まる思いでした。死を覚悟して現場で対応に当たる吉田所長以下の義務感、放射線の高い場所でバルブを閉めに向かう決死隊を部下から募ることとなる管理職のつらさ、家族のことを思いながらも決死隊に名乗り出る多くの社員・・・。

 事故後の聴き取り調査で、吉田所長はその時の心境として「我々のイメージは、東日本壊滅」だったと語られたとのことでした。

 私は、幸いにも、そのような過酷な現場で、過酷な立場に立たされることなく人生を終えられるだろうと思います。

 この番組で再現された危機だけでなく、他にも4号機などで東日本を壊滅させかねない危機が発生していました。

 「福島原発事故の数々の奇跡」 参照願います。

 

 原発事故の記憶は、風化しつつあるのでしょう。番組内でも、「世界が原発への依存を再び強めようとしている」と指摘していました。

 従来から、原発には100%の安全などありませんでした。ロシアのウクライナ侵略などにより、原発に対する武力攻撃の危険も加わりました。番組では、そのことも指摘していました。「NHK、Good Job!」

 これほどの危険を冒して原発を推進しなければならない理由など、考えられません。誰からもそんな説明は聞いたことがありません。

 この状態で原発を推進するのは、売国的行為だと思うのですが・・・。

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 職場で毎週回覧されてくる「政経週報」3月6日号に、内閣官房参与・山崎史郎氏の特別寄稿が登載されていました。「少子化対策へ「総合戦略」を」という表題で、示唆に富む内容でした。山崎氏は、話題になっている小説「人口戦略法案 ー人口減少を止める方策はあるのか」の著者として有名です。

 私は、平成8年度から10年度まで県庁で高齢福祉に携わっていた時、厚生省の老人福祉計画課長だった山崎氏と名刺を交換させていただき、今も保存しています。キャリア組の中でも特に切れ者という印象でした。

 寄稿の中で氏は、このままでは日本経済はマイナススパイラルに陥り、総合戦略が必要と主張されており、その中で、スウェーデンの社会政策を紹介しています。スウェーデンは、かつて出生率が欧州最低の水準まで低下した時期がありましたが、ミュルダール夫妻(夫はノーベル経済学賞、妻はノーベル平和賞を受賞)らの提唱する対策を実施した結果、回復させています。

 ミュルダールは、出生率低下は社会構造のあり方に原因があるとしました。近代社会では、子は親にとって労働力や扶養者としての役割を期待する存在ではなく、経済的負担などを増加させるものとなっているため、多くの子を持とうとしません。

 そこに、親の個人的利益と、国民の経済生活基盤という集団的利益の間にコンフリクト(対立)が生じます。この問題を解決する方策として、すべての子どもの出産、育児を国が支援する「普遍的福祉政策」を推進すべきだと主張しました。

 スウェーデンは、こうした考えを基本に、1970年代に仕事と育児の両立を実現し、出生率の回復を果たしました。

 2000年代には、ドイツもこのような取り組みで、出生率を回復基調に乗せたとのこと。

 我が日本は、政治家の先生方の不勉強のせいで、スウェーデンから50年、ドイツからも20年も遅れてしまっています。

 せめて今からでも本気で追いかけないと、本当に日本がダメになってしまいます。

 山崎氏のご活躍に期待しています。

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