「最高の眼科医が「謎と最新治療」に迫る」という副題が付いています。著者は、白内障や緑内障などの新たな手術法をいくつも開発し、世界最高の眼科外科医を賞する賞をを受賞されるなど、国際的に著名な眼科外科医のようです。
日本では、緑内障は最終的に失明に至る病気というイメージですが、著者が開発した手術法が普及した欧米諸国では、緑内障で失明する患者は減少しているとのことです。
本書の中で、著者は、日本には眼圧を下げる点眼薬を漫然と続けるばかりで、手術の時期を逃してしまう眼科医が多いことを再三嘆いておられます。
本書の冒頭近くに、「正常眼圧」が正確ではないことが説明されています。眼圧を測定してもその値は角膜の厚さで左右されてしまうので、それを補正しない測定値は当てにならないようです。ほとんどの眼科医は角膜の厚さなど測らずに単純に測定していますが、その数値も全く無意味というわけではなく、変化、推移を見ることは有意義であるようです。
また、眼圧が上がる原因も様々であること、眼圧が高くなくても別の理由で血流障害が起こって緑内障になることもあること、それぞれのケースの治療法、手術法などが紹介されています。専門的過ぎて、シロートが読んでも完全には理解できませんが・・・。
眼科医で処方される点眼薬の種類、特徴なども説明されています。近年、何種類もの点眼薬を使用しなければならない患者の負担を減らすため、数種類の薬を合わせた「配合剤」が盛んに使われていますが、中には表示されていない保存剤が含まれているものもあり、眼に悪影響を及ぼすこともあるとのことです。
本書は、緑内障と診断されて通院中の人は、ぜひ一読すべき本だと思います。読んだ結果、自分の主治医が最新の正しい知識を持って診療しているのか、不安になってしまう可能性もありますが、自衛のためには読んでおいたほうがいいでしょう。
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。
サイト案内(目次)