4月中旬、ふるさと納税に係る自治体の経費が膨らんでいることについて、朝日新聞などが報じています。2021年度に寄付を多く受けた上位20自治体のうち13自治体で、寄付に占める経費の割合が5割を超えていたとのことです。
総務省は、自治体間の返礼品競争が過熱したため、経費率を5割以下とするルールを設けました。しかし、総務省が「経費」として規制し、報告を求めているのは、返礼品の調達や送付のための費用だけで、自治体ではそれら以外の費用もかなりかかっていたようです。主な内容としては、寄付の受領証明書を発行する際の送料やワンストップ制度の手続きにかかる事務費など、寄付を受けた後にかかる経費とのことです。
自治体全体でみれば、住民サービスのために使われていたはずの税金の半分が、経費として消えてしまっているということです。一般的な徴税費と比較すると、著しく高率でしょう。
世紀の愚策
私は、以前からふるさと納税制度を批判し、廃止すべきとしてきましたが、経費がこれほど多額に上っていることは知りませんでした。
私がこの制度を「世紀の愚策」と断じるのは、まず第一に税制の根本原則に反しているからです。サービスの提供をする自治体と課税する自治体を別にするなど、正気の沙汰ではありません。
第二に、経済的にゆとりのある人ほど得をする制度であることです。富裕な人ほど、実質2千円の負担でもらえる返礼品が多くなります。典型的な金持ち優遇制度です。ふるさと納税は、返礼品の送り先を自分以外の人に指定できるので、富裕層は、お中元やお歳暮などをふるさと納税で済ますこともでき、ますますお金が貯まります。
第三に、国全体として消費を増やすわけでもなく、市場を歪めるだけであることです。自分でお金を出して買うはずだった果物をふるさと納税でもらう、ふるさと納税で米をゲットしたからしばらく米は買わずに済む・・・。
「やはり次期政権には期待できないようだ」
「ふるさと納税の欠陥がまた・・・」 参照願います。
すでに、この制度は、富裕層や返礼品にかかわる事業者等の既得権益となってしまっています。廃止には軋轢もあるでしょうが、これほど弊害の大きい制度をいつまでも続けるわけにはいかないでしょう。
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