地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2023年06月

 6月26日、国土交通省は、かつて利害関係のあった企業に会食費の一部を負担させたなどとして、同省の久保田航空局長を国家公務員倫理規程違反で戒告の懲戒処分とし、翌27日、久保田氏が7月4日付けで辞職することを発表しました。

 問題の会食は、元国交次官で東京メトロ会長の本田勝氏らが民間企業「空港施設」の人事に介入した問題に関連し、報道が出る直前の今年3月28日に久保田氏が本田氏らと会食していたものと報じられています。発表によると、久保田氏はこの会食で1人あたり1万9085円の会費を支払うべきところ、8千円だけ支払い、1万1085円を同席した建設資材販売業者に負担させ、さらに、1080円のお菓子を手土産として受け取ったとのことです。

 

なぜこの業者が同席?

 いろいろな報道を見比べても、よく理解できない部分があります。特に、なぜこの会合に業者が同席していたのかということです。「空港施設」の社長人事に介入する相談に関して、この建設資材販売業者が何か関係があるのでしょうか?こんな後ろめたい相談は、最小限の関係者だけでこっそりやるものでしょう。本当に同席していたのか、お金だけ出させられたのか?

 関係がありそうには見えず、元次官が財布代わりに連れてきたのかもしれません。そうだとすれば、元公務員の行為とはいえ、極めて悪質です。役所の後輩たちの権力を背景に、たかっている構図です。単なる「国家公務員倫理規程違反」よりずっと根が深い問題でしょう。

 国交省もその辺のことをもっと詳細に調査して公表すべきであり、マスコミも追及すべきだと思います。

 にほんブログ村 政治ブログ 地方自治へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次) 

 若いころこの著者の「戒厳令の夜」などを夢中で読みました。数年前には、小説「親鸞」を楽しみました。著者も、親鸞聖人の思想に深い関心をお持ちのようです。

 本書は、祥伝社新書で200ページほどの本です。この中に、「謎にみちた歎異抄」という題の、敗戦を朝鮮で迎えた著者の引き上げ体験などを踏まえて親鸞の思想を論じた部分が50ページ弱、「私訳 歎異抄」が80ページほど、歎異抄原文が40ページほど、川村湊氏との対談が25ページほどという構成です。

 著者は、歎異抄は謎にみちた本で読めば読むほど分からなくなる、もう読まないことにしようと思ったこともあると言っています。しかしまた繰り返して読んでしまう不思議な本だと言っています。

 著者は、「心やさしい人々は次々と倒れ死んでいき」「他人を押しのけてでも前へ出る、そんな強いエゴをもった人間が生き残って帰国できた」「人は心に深い闇をかかえて生きている」と実感しています。そして、「もろもろの生命を食物として摂取」しなければ生きていけない心の闇を深く見つめた親鸞に共感しておられるようです。平和な時代に生まれ、暮らしてきた私には深くは実感できないと思いますが、そんな私でも自分の心の闇は自覚しています。

 「私訳」も他の現代語訳と比較して分かりやすいと思います。

 歎異抄第18章には、阿弥陀仏などの仏にはそもそも大きさ、長短、形、色もなく、方便として形を与えられているというようなことが書かれています。現代人の私が読めば当然のことですが、昔の人が読めば「えっ!」と驚くようなことかもしれません。唯円であろうと推測されている著者の後書きも、編集した蓮如上人の後書きも、シロートには見せるなと書いてあるのは、その辺をシロートが理解することは困難と考えたのでしょう。
 歎異抄全体として、どこまでが親鸞聖人の真意で、どこからが人々に分かりやすく伝えるための方便なのか、私には分からない部分がたくさんあります。法事などで浄土真宗のお坊様と話す機会があったら、聞いてみたい気もしますが、うるさがられるでしょうか?

 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次) 

 6月の上旬、ウクライナの反転攻勢が始まりましたが、やはり私が期待していたような電撃的な勝利というわけにはいかず、苦しい戦いの中で少しずつ前進といったところのようです。ウクライナ軍がこの状態を乗り越えて、ロシア軍が一気に崩壊することを期待しています。

 

ロシアが北朝鮮みたいになってきた

 6月20日、ロシア下院が9月3日を「軍国主義日本に対する勝利と第2次大戦終結の日」とする法案を可決したことが報じられました。上院で承認後、プーチン大統領の署名で成立する見通しのようです。ロシアのウクライナ侵略に対する制裁に日本も加わっていることへの対抗措置、嫌がらせと見られています。

 こんなクソガキのような嫌がらせは、まるで北朝鮮が吐き散らしている悪態のようで、滑稽な感じがします。元大国、ロシアも落ちぶれたものです。効果的な対抗手段がないのでしょう。

 そもそも日本に勝ったなどと言っても、ソ連は日本がポツダム宣言を受諾する数日前、既に勝敗が決してから急に不可侵条約を破棄して火事場泥棒的に参戦してきたものです。名誉を重んずる人間なら、むしろ恥ずかしく思うような「勝利」でしょう。

 

ロシア国内は不穏のようだが

 ウクライナ軍による反転は期待していたほど速くは進んでいませんが、報道によればロシア内部はかなり不穏のようです。国防省と傭兵会社ワグネルのプリゴジン氏との対立で、お互い同士で武力攻撃をしているような状態でした。そんな状態で、戦況がウクライナに一気に傾くのではないかと期待しましたが、残念ながら尻すぼみに終わったようです。プリゴジン氏も、ベラルーシに一時的に逃れたとしても、ロシアの暗殺部隊から逃げ切るのは容易ではないでしょう。
 また、プーチンの威光は失墜し、火種は残ったでしょう。
 ロシア国内で反プーチンの声も高まっているようですが、その反プーチン勢力は必ずしも平和を願っている勢力だけではないようです。

 反プーチン勢力がプーチンを引きずり下ろすことに期待したいのですが、プーチン以上に好戦的な政権になる可能性もあるようで、困ったものです。

 にほんブログ村 ニュースブログ ニュース感想へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次) 

 6月9日、改正入管法が国会で成立しました。私は、今回の改正については、一部のリベラルのような反対一辺倒ではありませんが、このままでは日本が世界から「ならず者国家」とみなされる恐れがあるので、手直しが必要と考えています。

 

賛成できる部分

 従来、入管法には難民認定の申請中であれば強制送還されないという規定があったため、送還を避けるため難民認定の申請を繰り返す人が少なくなかったようです。これが入管施設での長期収容の一因となっていたため、改正法では、難民認定の申請は原則2回までとし、3回目以降は、申請手続き中でも強制送還できるようにしました。

 この部分を反対派が最も問題視しているようですが、送還を免れるために難民認定の仕組みを乱用するのを防ぐため一定の歯止めは必要と考えられ、私は妥当だと思います。
 ただし、前提として、「難民」である可能性が否定できない人は認定するという運用がされる必要があります。もちろん偽装難民も多数いることは承知していますが、「疑わしきは難民認定する」という姿勢で臨み、本当の難民を強制送還するようなことを万が一にも起こさないことです。

 

国連の指摘には対応すべき

 この改正案が国会で審議されていた4月に、国連がこの改正案が国際的な人権基準を下回っているとして日本政府に見直しを求める書簡を送っていました。指摘内容は、収容期間に上限がないことが「拷問禁止条約」に抵触する、収容や釈放の決定に裁判所が関わっていない、難民申請回数が2回を超えた人の強制送還を可能にする点について「難民条約」に違反すること、在留資格がない子どもたちについても「子どもの権利条約」に沿ってすべての保護措置を与えるべきことなどです。このうち、2回を超えた人の強制送還については、明らかに難民ではない人だけを対象とするなら問題にはならないでしょう。

 「入管法改正案に国連がNO!」 参照願います。

 

 それ以外の指摘には、対応しなければ「ならず者国家」とみなされてもやむを得ないでしょう。特に、判断に裁判所の関与は必要だと思います。

 このままでは、日本政府の人権への取組にも疑問符が付いてしまいます。中国政府によるチベットやウイグルでの人権侵害を糾弾しても、「お前もな!」と言われてしまいます。そんな恥ずかしい状況は、是非避けなければなりません。早急な見直しが必要です。

 にほんブログ村 ニュースブログ ニュース感想へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次) 

 今年度末(令和5年度末)の退職者から、地方公務員の定年が段階的に引き上げられます。しかし、同時に役職定年制が始まるので、おそらく従来の再任用とあまり変化がないという予想が多いようです。

 

従来の傾向が続く?

 従来、定年に達し、まだ働く意欲のある人で、ある程度以上の役職(部長級以上など)の人は再任用ではなく、外部の会社や関連団体の役職に就く人が多く、それ以外の人は再任用に応募する人が多い傾向にありました。再任用は、定年前と同じ役職のまま再任用という例もありましたが、管理職から外れるケースが大多数です。高い地位にいた人の再任用が少なかったのは、再任用で担当者的な仕事に就いても、後輩たちとしてはやりにくい面があったためかもしれません。

 定年延長になっても、高い役職にいた人は、役職定年を受け入れてその自治体にとどまるのではなく、退職して別の組織に移る場合が多いだろうというのが、おおかたの予想です。

 結局、定年延長といっても、再任用とほとんど変わりなく、退職手当をもらえるのが遅くなるだけという見方が多いようです。

 

担当者のスキルを忘れてはならない

 近年の退職者にはそんな人はいないと思いますが、10年ほど前の退職者、特に管理職を長く務めた人の中には、パソコンをほとんど使えない人もいました。総務事務システムで部下の休暇の承認くらいはできても、Excel表の新規作成などは自分ではできないとか・・・。

 今後、職業人生の最後は担当者としての仕事に戻る人が多くなるでしょう。生産年齢人口が急激に減少していく中、管理職的な仕事でなく働く高齢者を増やさなければ、日本経済の縮小を速めてしまいます。管理職をやっていても、担当者としての実務的なスキルを常にアップデートしていなければなりません。

 にほんブログ村 政治ブログ 地方自治へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次) 

↑このページのトップヘ