地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2023年09月

 パートで働く主婦等が被扶養者として社会保険料の負担を避けるために働く時間を抑える「年収の壁」問題、政府がまとめた「対策パッケージ」の内容は場当たり的で問題の解決にはならないお粗末なものでした。

 主な内容は、一つは、従業員100人以下の企業では、保険料負担の目安となる年収130万円を超えても、人手不足などによる一時的なものであることを事業主が証明すれば連続2年まで扶養が維持されることです。もう一つは、従業員101人以上の企業では、年収106万円を境に従業員の保険料負担が発生しますが、これを肩代わりする手当を企業が払った場合に、従業員一人当たり最大50万円の補助金を支給する制度のようです。

 

不公平を拡大

 そもそも被用者保険の「扶養」の制度自体不公平な制度です。被扶養配偶者分の保険を扶養者が負担するのならいいのですが、加入者全体で負担しているのです。単身者、共働き世帯などにとっては、極めて不公平な制度です。国民健康保険などにはこんな制度はなく、被用者保険だけの制度であることも不公平です。

 それをさらに税金をつぎ込んで補助金を支給する・・・!バカも休み休みにしていただきたいものです。

 

生産年齢の配偶者の扶養など廃止すべき

 子育てを社会全体で支える、または高齢者や障がい者を社会全体で支えるという趣旨なら、「扶養」制度はあってもいいでしょう。しかし、健常な配偶者を対象にするのは不公平です。

 共働きが多数派となった今、子育て環境を整備して「扶養」など原則廃止すべきです。少子化問題に悪影響はないでしょう。
 扶養の原則廃止により、労働力不足の問題、年金財源の問題にも好影響があるはずです。今の政権に抜本的な解決策を断行する使命感と勇気のある政治家がいないことだけが問題なのだと思います。こんな調子では、少子化問題への対策も期待できそうもありません。日本は、衰退への道をまっしぐらです。

 にほんブログ村 政治ブログ 地方自治へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次)へ

 これまでに親鸞聖人の思想に関する著者の本を読み、興味深かったので、本書も読んでみました。

 「あなたがあなたのままで輝くためのほんの少しの心がけ」(英月)を読んで

 「そのお悩み、親鸞さんが解決してくれます」(英月)を読んで  参照願います。

 

 題名の漢字部分、「にがびゃくどう」と読むようです。浄土教を確立し、親鸞聖人などにも多くの影響を与えた隋、唐の時代の中国の高僧、善導が書いた「仏説観無量寿経」という経典に「二河白道」という説話が載っています。

 著者を含む現代の女性3人の悩みの本質を解明しようとするストーリーの中で、この説話の意味するものを解説したものです。

 

二河白道のあらすじ

 人が西へ向かって歩こうとしたところ、突然、前方に二つの河が現れた。一方は濁流渦巻く水の河、もう一方は火の河で、真ん中に幅15センチほどの白い道がある。後ろからは猛獣や悪人たちが襲いかかろうとしている。

 その時、東の岸で人が「このままでは死んでしまう。きっと大丈夫だから行け。」と叫び、西の岸(対岸)でも人が「一心に決意して進んで来なさい、私があなたを守るから、水や火の河に落ちることなど恐れることはない。」と喚んだ。意を決して進み、無事に浄土にたどり着いた。善導自身の解説によると、東の岸で叫んでいたのはお釈迦さま、西の岸で喚んでいたのは阿弥陀様という豪華な顔ぶれです。

 

 話の本筋ではありませんが、私はこの情景を思い浮かべることができませんでした。この人は東から西へ向かおうとしているのだから、川は二本とも南北に流れているのでしょう。片側が水の河、片側が火の河で真ん中に道があるという情景はあり得ないと思ったのです。ネットで調べると「二河白道図」がいくつか出ていて、二つの河とも白道で行き止まりになっていて、南北に流れてはいないようでした。池のような感じです。

 

 東で叫ぶお釈迦さまは、そこに道(法)があることを示して励まし西で喚ぶ阿弥陀様は救ってくれる主体、法そのものであるとのことです。この辺、非常に深遠な理論で、私にはここで説明しきれません。本書を読むと多少は分かった感じがします。
 砕けた文体で、卑近な例えで説明されてはいますが、やはりかなり難しかったです。でも、また少しだけ、親鸞聖人の思想への理解を深めることができた気がします。

 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次)へ

 9月中旬から始まった全米自動車労組のストライキが収束せず、GMなどではさらに拡大する動きもあります。世論も労働者側を支持していますが、会社側も簡単に譲歩はできないようです。

 日本でも8月31日にそごう・西武の労働組合が、日本の大手デパートとしては61年ぶりのストライキを実施したことが大きなニュースになりました。こちらも、世論はおおむねストを支持していますが、雇用の維持について具体的な成果が得られるかは分からないようです。

 デパート業界に限らず、日本ではストライキが減り続けており、厚生労働省によると最盛期の1974年には5,197件もあり、362万人が参加していたのが、2022年にはわずか33件、744人の参加ということです。厳しい経済環境の中の「協調的な労使関係」ということなのでしょうが、企業が利益を上げ続ける中で日本の労働者の賃金が相対的に低下し続けていることを考えると、「これでいいのか?」という気持ちになります。

 

 地方公共団体でも、ストは激減しています。私が県職員になったころは毎年のようにストがあり、私も参加したことがありました。その後、減り続け、私の古巣の県庁では、大規模なものは平成14年にあったのが最後のような気がします。あの時、私は「管理職員等」になったばかりの本庁課長補佐で、当局側で対応に当たっていました。財政難による賃金カットの問題だったと記憶しています。

 昔は、官公庁のストの際は民間の労働組合もピケ要員等の応援を出し、民間のストの際には逆に公務員労組が応援に行くという協力関係がありましたが、今はどうなのでしょうか?
 業績が悪くないにもかかわらず賃上げが物価上昇にも追いつかない企業の労働者は、ストライキを決行したほうがいいかもしれません。労働者の権利をたまには行使しなければ、経営者側になめられてしまいます。
 今後、そごう・西武の雇用がどうなるか、注目していようと思います。

 にほんブログ村 政治ブログ 地方自治へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

  
サイト案内(目次) 
 

 2023年9月の岸田政権内閣改造で、副大臣、政務官に女性がゼロだったことについて、批判が高まっています。閣僚には女性5人と過去最多タイの数を任命しながら、副大臣・政務官でこんな無惨なことになったことについて、考えられる理由は、次の二つしかあり得ません。

 一つは、自民党の女性議員の致命的な人材不足、もう一つは岸田首相に女性登用を積極的に行う気がなかったか・・・。

 世間からの注目度の高い閣僚に5人を任命しておけば、副大臣・政務官が少なくても「女性登用に熱心」という評価を得られるとでも思ったのでしょうか?その思惑は、完全に裏目に出てしまいました。何といっても、「0」というのはインパクトが大きすぎました。

 

 私は、自民党の女性議員にどんな人材がいるのかほとんど知りません。しかし、自身のブログやツイッターに「国連の会議室では小汚い格好に加え、チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場」「完全に品格に問題があります」「同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなる」などとアイヌ民族を差別する投稿をし、法務局から人権侵犯の認定をされた杉田水脈議員は、当時「総務政務官」でした。彼女のような人物を政務官に任命せざるを得なかったということは、他の副大臣・政務官未経験の自民党女性議員は、彼女より不適任だったのでしょう。

 そうだとすれば、その人材不足は深刻です。選挙の際の候補者選びの段階から問題があったとしか考えられません。

 

 副大臣・政務官への登用が無いということは、数年後に閣僚に登用すべき人材の育成ができないということでしょう。少数の女性閣僚を使いまわし、消費するだけで、後に続くべき人材の育成をしないのは、非常にに刹那的です。今だけよければいい、自分の内閣だけよければ、後のことは知らない・・・。

 将来に禍根を残したのではないかと思います。

 にほんブログ村 ニュースブログ ニュース感想へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次) 

 ほとんどの施設で新型コロナの感染防止のため使用が中止されていたトイレのハンドドライヤー、今ではほとんどの施設で使用が再開されています。でも、あんなものが本当に必要なのでしょうか?私は使ったことがありません。保育園や幼稚園のころに教えられたように外出時にハンカチを持っていれば、あんなものは不要でしょう。

 

 あの設備は、東日本大震災後の電力不足の時期にも使用中止が呼びかけられました。施設管理をしていた知人によると、あれを休止しているとかなりの節電になるそうです。もう節電する必要がないほど電力に余裕があるのなら、原発の稼働など止めていただきたいものです。節電すべき状況にあるなら、あんなものを使用すべきではないでしょう。

 

 新型コロナ禍であの機械の使用中止が呼びかけられたのは、あの温風噴射によって手指にウイルスが残っていた場合にそれが飛び散り、感染を拡大される恐れがあったためです。その疑いは完全に解消されたわけではないようです。

 厚生労働省は、「洗い残ったウイルスが飛まつと一緒に飛散するという専門家からの指摘はあるが、十分な手洗いをすることで感染のリスクを下げることはできる」と言っているそうです。裏を返せば、十分に洗わずウイルスが手に残っていれば、飛散させてしまうということです。私が見る限り、手を短時間で簡単に洗ってドライヤーで乾かしている人がほとんどです。危険なことです。

 

 経団連も、かつては感染拡大を防ぐためとして、あの機械の使用中止を訴えていましたが、メーカーの苦情などを受けて撤回してしまったようです。仮に、感染拡大についてあの機械が無害であるとしても、不必要な電力消費であることに変わりはありません。
 新型コロナの第9波も拡大中です。それが収束したとしても、新たな感染症が次々に出現してくるでしょう。あんなものを使用しているショッピングセンターなどには、なるべく行かないようにしたいと思います。

 にほんブログ村 ニュースブログ ニュース感想へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次) 

↑このページのトップヘ