地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2024年03月

 当初は党則で定める処分で重いほうから4番目の「選挙での非公認」で幕引きを検討していたようですが、一部の安倍派幹部には2番目の「離党勧告」も検討し始めたと報じられています。裏金問題の処分として「選挙での非公認」では、過去の処分例と比較しても、どう考えても軽すぎてアンバランスです。

 

岸田首相のジレンマ

 一連の裏金騒動で安倍派はほぼ壊滅し、岸田氏の後釜を狙っていた安倍派幹部は後継候補から脱落しました。二階氏も再起不能で、影響力の保持は無理でしょう。結局、自民党は焼け跡のようになり、その中で岸田首相の一強のような、奇妙な状況になっています。

 競争相手を葬ったことは岸田氏にとって歓迎でしょうが、同時に、これまで政権を支えてくれていた後ろ盾を失ったことにもなります。

 裏金の調査を徹底的にやって厳しい処分をしなければ有権者の支持を失い、厳しい処分をすれば自身を支える基盤が崩れる・・・。結局、そもそも悪い奴らが作って支えていた政権ということでしょうか?

 

 おそらく、岸田氏は中長期的な戦略に基づいて動いているわけではなく、その場その場を切り抜けることを繰り返した結果、今の八方ふさがりの状況になっているのでしょう。自民党内の争いごとならそれでもいいのですが、国の政策が当面の選挙だけを考えたその場しのぎのものでは困ります。
 また、今回の安倍派幹部の処分方針の変化を見ても、この人は、情報を少しずつ漏らして世間の反応を見ながら修正しているようです。メディアや我々一般人も、面倒でもダメ出しを続けていかなければなりません。

 やはり、この人には国の将来は任せられません。どこかに、高い志と実行力を持った政治家はいないのでしょうか?

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 3月26日の東京都議会予算特別委員会で、小池都知事の「答弁拒否」を巡る党派間のやり取りがあったことを東京新聞が報じています。議会の劣化を感じます。

 事実関係は、まず、立憲民主党の議員が13日の予算特別委で、小池知事に答弁を求める質問をし、それに対して知事ではなく幹部が答える「答弁拒否」が頻発しているとし、「知事に耳障りなことを言う議員の質問は排除するのか」と質したとのことです。その発言を都民ファーストの会、自民、公明が「不穏当な発言」と問題視し、26日の予算特別委で、発言者に対して発言取り消しを求める動議を提出したとのことです。

 取消しを求める動議の趣旨説明で、都民ファーストの議員が「質問者に答弁者を決定する権限はない」と批判しています。それに対して立民側は「議事録を恣意的に削除するのは民主主義の破壊だ」と反論しています。

 

議事録には残すべき

 まず、質問者に答弁者を決定する権限がないという都民ファーストの主張は、その通りでしょう。細かい事務的な質問で知事に答弁を求めても、事務方が答弁することは当然です。それならば、そのように誰かが反論、答弁し、それを議事録に残すべきことです。質問自体特に不穏当とも思えず、単に認識の違いがあるだけでしょう。発言の取り消しを求め、議事録に残さずに済まそうというのは、たしかに非民主主義的です。

 議事録にそのようなやり取りが記録されていれば、閲覧した都民は雰囲気を感じることができます。

 この3会派は共産党議員の発言についても「虚偽」として取り消しを求める動議を提出し、共産側は「議員の発言権、質問権の侵害そのものだ」と反論しているとのことです。これもやはり、事実でないなら誰かがそのように答弁、反論し、それを議事録に残すべき話で、発言自体なかったことにしてしまうのは、横暴です。
 よほど議事録に残したくない事柄、やましい事柄があるのでしょうか?発言自体が根も葉もない虚偽であれば、それによって批判されるのは発言者です。発言者が自らの責任で発言しているものを抹消する必要はありません。

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 自民党のパーティー券裏金問題に関する政治倫理審査会は、結局のところほとんど成果は見られないようです。安倍派について言えば、一度は廃止と決まっていた議員へのキックバックの復活を事務方の職員が決められるはずがなく、審査会に出席した幹部が決めたはずです。また、誰か一人が決断したとも考えにくいので、あの連中の共謀でしょう。全員の共謀だとすれば、誰も口を割らなかったことも頷けます。連中のうちの少なくとも一人、多ければ全員が嘘をついていることは明白です。

 ぶちまけるのではないかと期待されていた下村氏も、共謀に加わっていたとすれば、しゃべれないのも頷けます。

 

政権の狙う幕引き

 岸田首相は、安倍派幹部らに自ら追加聴取を行い、彼らを含めて80人余の議員に4月上旬にも何らかの処分を行う方針と伝えられ、聴取を始めています。それで幕引きをし、減税が行われる6月以降、解散のタイミングを探るつもりのようです。そんなにうまくは行かないでしょう。彼の聴取によって新たな事実が判明しなければ、国民の失望は高まるばかりです。実態は、聴取ではなく、彼らと落としどころを相談したのでしょうか?それとも、やってる感を出すための単なるパフォーマンス?

 安倍派4幹部は、自民党の党則で定められている8類型の処分のうち①除名、②離党勧告、③党員資格停止の次に重い④選挙での非公認の見込みだとする報道もあります。

 しかし、3年前に、コロナ禍で国民に自粛を求めている中で深夜まで会食したとして松本元国家公安委員長ら3名が離党勧告を受けていることと比較すると、全く軽すぎ、国民の理解は到底得られそうにありません。松本氏らの行為は怪しからぬものですが違法ではありません。今回の裏金は極めて違法性の高い行為です。松本氏らより重い処分でなければ、バランスが取れないでしょう。

 また、引退を表明している二階氏にも処分を行わなければなりません。下手をすると、自民党の分裂、壊滅になりかねません。それを望んでいる国民も多いと思いますが、岸田氏がそこまでの覚悟を固めているのかどうか・・・。

 処分を受ける側の反撃もあるでしょうが、解散、総選挙後の勢力図がどうなるのか、目が離せません。野党にとっても好機なのでしょうが・・・。

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 2023年度も残り一週間を切りました。公務員の定年延長が始まる最初の年度末です。この3月末から、60歳に達した職員は定年にならず、1年後、61歳で定年になります。今後5年かけて1歳ずつ引き上げられ、5年後には65歳定年で一区切りです。ただ、今後もさらなる引き上げがあるかもしれません。

 この3月末は、行政職の職員では定年退職者は原則としていないことになり、どのような運用がされるのか少し気になっていました。

 

我が古巣は想定どおりの運用

 定年延長といっても、60歳で役職定年になり、本当の定年までラインから外れて働くことになります。

 我が古巣の県庁では、おおむね、部長級だった職員は60歳で早期退職して関連団体等で再就職し、課長級以下の職員は希望すれば従来の役職より2ランクほど低い役職で、監督職や担当者として定年まで在職し続け、定年に到達した時に希望すれば再任用になるようです。私が県を定年退職後にお世話になっていた小さな地方公共団体も、同じような運用です。

(誤解のないように書いておきますが、我が県庁は幹部に昇進して関連団体等に再就職しても、国の高級官僚のような処遇ではなく、給与も下がるケースがほとんどです。)

 定年延長の運用は、想定どおりの形です。

 結局、実態としては、これまでの60歳定年の再任用とあまり変わりません。退職手当を受け取るのがお預けになるだけのような・・・。

 いずれにしても、職業人生の最終章では再び担当者として仕事をする人が大多数になるでしょう。管理職になっても、事務的なスキルを失わないよう心掛けておくのが、最後まで楽しく仕事を続けるためには必要です。

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 埼玉県の自民党がまたやらかしました。今度は、自民党埼玉県連の青年局に所属する県議らです。週刊文春(電子版)が3月19日に報じました。2016年1月に党青年局の懇親会の二次会で、県議ら15人ほどが破廉恥なパーティー(「SM緊縛パーティー」とのこと)を行ったとのことです。当時青年局長だった党県議団の田村琢実団長が記者団の取材に応じ、「SMクラブでもなんでもない、ただのバーだ」とし、公費支出も「一切ない」と否定しています。

 私もこの県議らがSやM、コスプレイヤーであったとは考えておらず、悪ふざけだったのだろうと思いますが・・・。

 公費ではないと弁解していますが、本当にそうなら証明していただかなければなりません。政治活動に使う前提で県連から彼らに交付されたお金は、本当に政治活動に使ったなら非課税かもしれませんが、政治活動に使ったと証明できない部分は雑所得として課税されなければなりません。報告義務がないからといって、何に使ってもいいわけではなく、政治活動に使わなかった部分は所得税の申告義務があります。

 民間企業等は、経費として使ったことを領収書等で証明できないものは、所得として課税されます。税務署も、彼らに渡ったお金が本当に全額非課税の使途に使われたのか、調査すべきでしょう。

 

 埼玉県民が気の毒です。埼玉県議会自民党が全国に恥をさらしたのは、ここ数年で3回目です。

 一回目は、原発の立地自治体でもないのに県議会で「原発再稼働を求める意見書」を採択し、多くの埼玉県民が恥ずかしい思いをした事件です。

 「埼玉県議会が「原発再稼働を求める意見書」を採択」 参照願います。」

 

 二回目は、子供だけでの留守番を「置き去り」として禁止する埼玉県虐待禁止条例の改正案の撤回事件です。この余りにも非常識、非現実的な「改正」案は、県民の猛反発を受けて撤回に追い込まれました。

 「また全国に恥をさらした埼玉県議会自民党」 参照願います。

 

 そして三回目が、今回の馬鹿げた騒動です。発生時期は、これが最も早いようです。
 私も知人、友人に埼玉県民、埼玉県出身者が何人もいますが、まともな人たちです。県民の皆さまは、さぞ恥ずかしい思いを抱いておられると思います。

 恥ずかしい思いをさせられた恨みは、次の選挙で・・・。

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