地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2024年04月

 4月24日、有識者らによる民間団体「人口戦略会議」が、全国の1729の自治体のうち約4割に当たる744の自治体が将来消滅する可能性があるという調査結果を発表しました。2020年から2050年の30年間で、20歳~39歳の女性が半数以下となる可能性のある自治体を「消滅可能性自治体」と定義しているとのことです。また、今回の調査から新たに、出生率が低い傾向で他の地域からの人口流入に依存している大都市などの25の自治体を「ブラックホール型自治体」とし、出生率の向上に向けた対策が特に必要としています。

 

自治体の消滅とは?

 「自治体の消滅」とはどういう状態を指すのか、結果の発表や報道の中ではあまり触れられていないようです。消滅といっても、その地域が消えるはずがなく、他の自治体と合併することになるのでしょう。ただ、個々の集落でとらえれば、人が住まなくなって集落としては「消滅」する地区もあるでしょう。

 酷な言い方と非難されるかもしれませんが、どちらの「消滅」も最悪というわけではないと思います。むしろ、人が極めて少なくなった集落、自治体が消滅せずに存続するよりはずっとマシでしょう。無理な延命はすべきでありません。

 人口減少に歯止めがかかり、増加に転ずれば最もいいでしょうが、政治の無策のために、そんな夢を見られる時期は国全体としては過ぎてしまいました。人口減少が続くとすれば、少なくなった人たちはある程度まとまって住まなければ、インフラの維持などできません。

 人口を維持するには、合計特殊出生率が2.06程度以上であることが必要とされています。かろうじてその範囲にとどまっていた昭和40年代、そこから滑り落ちた直後の昭和50年代ころ、本気の政策が必要でした。歴代の政権は、目先の選挙のことばかり考えて、日本の将来のための政策を怠り、我々有権者もそれを容認してしまいました。

 

 今も、子育て支援策に国民の負担、協力を要請すべきところ、政権は「実質的な国民負担増はない」等とアホなごまかしを言い続けています。子や孫の時代の悲惨な状況を少しでも緩和するため、今からでも少子化に歯止めをかけなければなりません。まともな政権を望みます。

 にほんブログ村 政治ブログ 地方自治へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次)

 今日(2024年4月28日)、衆議院補欠選挙の投開票日で、午後8時ころから開票が始まります。私は、選挙の日はいつもは開票結果は翌朝の楽しみにして寝るのですが、今日は大勢が判明するまでテレビを見ていて、このブログを投稿してから寝ようと思っています。今日の結果が、自民党の終わりの始まりになるか、少なくとも岸田政権の終わりの始まりになるかもしれないと思うからです。

 開票が始まる前の状況ですが、自民党が唯一の候補者を立てている島根1区、岸田首相が何度も現地入りしましたが、状況は厳しいようです。自民党が先日発表した政治資金規正法改正案がお粗末だったこともあり、首相が来たことがマイナスになるという評価まであるようです。岸田氏が応援演説の中で自民党の再生を訴えていましたが、そんなことを公職の選挙の中で訴えるのはアホなことだと思います。ただ、そもそもが自民党王国ですから・・・。

 東京15区、乙武氏と亀井氏(立民)の争いのようです。乙武氏は、先日の小沢一郎応援騒動でミソを付けました。小池都知事の学歴疑惑再燃も痛いでしょう。つばさの党の悪質な選挙妨害は、むしろ乙武氏への追い風になると思います。

 長崎3区は、有権者の関心が低いようです。立憲民主党と維新の会の争いですが、維新馬場代表の品のない立民攻撃と低投票率が、どちらの陣営に有利に働くか?

 NHK大河はBSの先行放送で見終えました。あとはひたすら開票を待ちます。なるべく早く当確が出て、早めに就寝できることを願っています。(18時50分)

 

 午後8時、NHKの開票速報番組が始まったと同時に、3選挙区とも立憲民主党候補者の当選確実であると報じました。私は、決して立憲民主党の支持者ではありませんが、今回については私はこの結果を望んでいました。

 「衆議院補欠選挙の結果が楽しみ」
 「自民党の政治資金規正法改革案のお粗末さ」

 

 これで岸田政権は、死に体になったと言いたいところですが、今回の自民党の完敗は岸田氏のせいばかりではないとの見方が多いようです。ただ、あれほど総力戦で臨んだ島根1区の完敗は痛いでしょう。岸田氏としては、解散すれば自民党の大敗は必至であり、打つ手がなくなったことも事実でしょう。
 破れかぶれ解散があるか、今後の展開が楽しみです。早めに混乱にケリをつけて、日本の将来を託すことのできる新政権が一日も早く誕生してくれることを願っています。

 にほんブログ村 ニュースブログ ニュース感想へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次)

 スウェーデンの精神科医、アンデシュ・ハンセン氏の「スマホ脳」は世界中でベストセラーになりました。本書は、それを児童文学作家のマッツ・ヴェンブラード氏と共著で、中高生向けに分かりやすくしたもののようです。スウェーデンでは、本書と「最強脳」を学校で無料配布するプロジェクトが進んでいるそうです。やはり、進んだ国です。

 私は、この著者の「運動脳」を読んでこの脳科学の分野に関心を持ったので、他の著作も読もうと思って、まず本書を手に取りました。

 「運動脳」(アンデシュ・ハンセン)を読んで 参照願います。

 

 私たち人類は、サバンナで狩猟採集生活をしていた期間が長く、それと比較すると農耕生活以後の歴史はほんの一瞬です。だから、私たちの脳は、遺伝的にサバンナでの生活に最適化され、今もそのままです。そのために、現代の生活には様々な不都合も生じます。

 本書は、なぜ我々がスマホにのめり込んでしまうのか、どのように対処すればいいのかについて、サバンナ脳の特性から解き明かしています。

 脳は、我々がサバンナで生き残る可能性が高くなるような行動をすると、報酬としてドーパミンという快楽物質を放出します。新しい場所に行ったり新しい経験をしたりすることは、食糧を得やすくなったり危険な場所を知ったりできるので、ドーパミンが放出されます。だから、スマホで次々に新しいページやアプリをクリックした時にもドーパミンが放出されます。また、脳が活動するには膨大なエネルギーが必要なので、なるべく無駄を省こうとします。そして、最も省エネでドーパミンを出してくれるのがスマホなので、スマホにはまってしまうのです。

 さらに、人間は社会的動物で、群れから離れては生きていけません。また、生き残るには、誰が敵で誰が味方か知らなければなりません。だから、グループを作ったり、人のうわさ話をしてもドーパミンが放出されます。スマホにはまってしまうわけです。

 

 スマホ依存の原因と対処法のほか、興味深いデータもいくつか示されています。同じ文章を「紙で読む」のと「スクリーンで読む」のとでは、どちらが内容をよく覚えているかというノルウェーでの実験では、紙の方がよく覚えているとのことです。これは、私も実感しています。ネットで調べ物をしていても、少し長い複雑な文章になると、プリントアウトしてマーカーをしながら読まないと頭に入りません。

 

 米国の研究によると、スマホが普及した2012年頃から、若者の行動が著しく変化したとのことです。若者が、今までやっていたことをやめて、スマホにばかり時間を使うようになったようです。私も、一日のうちのかなりの時間をパソコンやスマホに触っています。私は歩きスマホはしませんが、街ではいい大人がスマホをしながら前を見ずに歩いていて、危なくて仕方ありません。スマホは、既になくてはならないものになってしまいましたが、依存症には気を付けなければ・・・。

 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次)

 4月23日夕方、政治資金規正法の改正に向けた自民党の会議で、自民党案がまとまったことが報じられました。今後、この案をベースに今週中に公明党協議し、与党案をまとめる方針とのことです。

 その案は、再発防止策として、収支報告書を提出する際に議員が内容をチェックした「確認書の作成」を義務づけ、会計責任者が不記載などで処罰され、なおかつ議員が確認せずに「確認書」を交付していた場合は議員にも刑罰を課す、いわゆる「連座制」に近い規定も盛り込まれるとのことです。また、収支報告書への不記載については過失も含めて相当額を国に納付させるための措置を取ること、外部監査の強化収支報告書をオンライン化して透明性を向上することなども盛り込まれているようです。

 しかし、企業団体献金の禁止はもちろん、使い途が不透明とされる政策活動費の廃止などには踏み込んでいません。締め切りギリギリに一応案をまとめた形にしただけの、全く踏み込み不足の案と言わざるを得ません。こんな案で納得する国民はいないでしょう。

 政策実現のために身銭を切るなどということは夢にも考えず、自分が次の選挙に勝つための宣伝費のようなものまで政策活動費で支弁するだけでも卑しい話です。

 

 自民党には改革しようという気がないのでしょう。しかし、今週末に衆議院補欠選挙の投開票というこのタイミングに、こんなお粗末な案を提示して、選挙に悪影響があると考えなかったのでしょうか?改革案を示せなかったという最悪の事態を避けるため、形だけ案を示せば、国民は騙せると思った?

 今週末の投開票がますます楽しみになりました。

 今後、法改正に向けた与野党の攻防が始りますが、野党やメディアはこんな小手先だけの手直しなど許さないよう願っています。

 にほんブログ村 政治ブログ 地方自治へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次)

 4月28日(日)に投開票の衆議院補欠選挙、とても楽しみにしています。残念ながら私の地区では選挙がなく、私は投票できないのですが・・・。

 対象の3選挙区(東京15区、島根1区、長崎3区)は、いずれも自民党議員が不祥事で辞職したり、死亡したりして欠員になったものです。だから、自民党が3つとも勝って元通りなのですが、うち二つは不戦敗、候補者を擁立した島根1区も苦戦しているようです。自民党の全敗の可能性も取り沙汰されています。

 まあ考えてみれば、自民党議員が不祥事で辞めたところに新たな候補者は立てにくいでしょう。また、亡くなった前衆議院議長も、旧統一教会の問題で説明を求められていながら何も説明せず、批判の中で亡くなりました。さらに、亡くなった後、安倍派の裏金問題が浮上し、新たな疑惑まで生じてしまっています。自民党から新たな候補者が立候補しましたが、苦戦はやむを得ないところでしょう。

 

 この補選、全体的に自民党の敗北は既に決していますが、自民党に国民の怒りを伝えるため、私は自民党の全敗を願っています。島根の唯一の自民党候補のことは私は全く存じ上げず、恨みもないのですが・・・。

 さらに、野党の中でも自民党の補完勢力になりそうもない党派系の候補者を応援しています。維新の会や小池都知事系は、いざとなったら自民党の延命に手を貸しそうな気がして・・・。

 この機会に、企業・団体献金を禁止し、一気呵成に政治改革を実現していただきたいものです。

 にほんブログ村 ニュースブログ ニュース感想へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次)

↑このページのトップヘ