以前、政党等への寄附金に係る所得税の特別控除制度について、見直すべきだとする意見をこのブログで示しました。
「政党等寄附金特別控除制度なども見直しを」 参照願います。
先日、その見直し論を補強するような報道がありました。
自民党による一連の裏金事件の一環で、同党の稲田朋美幹事長代理が、旧安倍派から裏金のキックバックを受けたことが明らかになっていて、彼女は政治資金収支報告書に計196万円の不記載があったとして訂正しています。その稲田議員が、毎日新聞などの報道によると、3年間で計202万円を自らが代表を務める「自民党福井県第1選挙区支部」に寄付し、これによって所得税の一部が控除されたとのことです。
稲田議員は、文書で税控除を受けたことを認めたものの、派閥からキックバックされた、いわゆる「裏金」が寄付の原資ではないと説明し、「控除は法令に則っている」としています。「法令に則っている」ことは事実でしょう。しかし、お金に色が付いているわけではなく、裏金を別の用途に使ってそれによって浮いたお金を寄付したのであれば、同じことです。使途の明細も示さないのであれば、信じることもできません。
同じく自民等旧安倍派の菅家議員も、同じ手法で税の優遇措置を受けたことが明らかになっています。裏金が原資かどうかは別として、自らが代表である政治団体に寄付をして税の優遇を受ける手口は、自民党内に蔓延しているようです。
私は、政治家を含む個人が政党等の政治団体に寄付すること自体に反対するものではありません。自分の望む政治を実現するために自分のお金を使うことは、禁止すべきものではありません。しかし、それを税制で優遇することは前稿でも示したように、不当です。
例えば、自身の政治団体に対する寄附金については優遇の対象にしないなどと小手先の修正もダメでしょう。他の政治家と示し合わせて寄付し合うなど、いくらでも抜け道がありそうです。
政党等の政治団体への寄付を税制で優遇することは、有害無益です。
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