6月15日のマスコミ各社の報道によると、今年6月に年1回の定時株主総会を開く上場企業のうち、株主提案を受けた企業が過去最多の91社に上ることが分かりました。受けた議案数は最多に並ぶ合計343です。三井住友信託銀行の7日時点の集計とのことです。
株式を大量保有する投資ファンドなどの機関投資家が、企業価値を向上させる改善策を要求するケースが多いとの分析です。
電力会社の株主提案
私は、36歳の若手県庁職員の時に株式投資を始め、今も趣味として株主優待を中心に楽しんでいます。電力会社の株は、福島の事故までは安定した資産株だと思われていたので、私も何社か買っていました。福島の事故の影響で、東京電力はもちろん、他の電力会社の株価も暴落し、一時は私も多額の含み損を抱えましたが、今は癒えています。
電力会社の株主総会は、昔から原発反対派の株主からの株主提案がたくさんあります。おそらく、福島の事故のころからでしょう。
北海道電力には、定款に「原子力事業を含む不採算事業の廃止」の章を新設することや、「核燃料移動・泊発電所の稼働等、重要決定に関する事前合意の義務化」の章の新設など、9件の株主提案があります。
東北電力には、定款の「目的」の条文に原子力発電は行わないことの明記を求めるもの、能登半島地震を踏まえて女川原子力発電所の耐震安全対策等の見直しを定款に書き込むこと、放射性廃棄物等を増加させないことを定款に書き込むこと等、5件の株主提案があります。
中部電力にも、原子力事業の廃止や浜岡原子力発電所の廃止などを定款に記載するよう求めるものなど、6件の株主提案がされています。
また、各社で、顧問や相談役(退任した社長、会長など)の廃止を求めるもの、取締役などに対する報酬の個別開示を求めるものも目立ちます。
それらの株主提案については、取締役会の反対意見が付されています。
特に北海道電力の電子行使はインチキくさい
近年、大きな会社の株主総会の議決権行使書にはほとんどQRコードが付いていて、それをスマホで読み込むと簡単に議決権を行使(電子行使、スマート行使)できます。
中部電力などは、最初の画面で、「会社提案の全ての議案を賛成、株主提案の全ての議案を反対」か、「個別に賛否を入力」かを選択するようになっています。つまり、取締役会の意向どおりに議決権行使をするのが簡単です。これでもかなりアンフェアだと思いますが、北海道電力のはもっとひどく、詐欺っぽい感じです。
北海道電力のスマート行使の最初の画面は、「すべての会社提案議案について賛成する」か、「各議案について個別に指示する」か選択するようになっています。私は、「すべての会社提案議案について賛成」した上で株主提案議案については個別に判断しようと思い、こちらを選択したら、株主提案議案についてはすべて反対することになってしまいました。株主提案議案について何も聞かずに勝手に「反対」にしてしまうのは、明らかにシステムの欠陥です。ただこれは、おそらく北海道電力のミスではなく、この総会業務を受託しているみずほ信託銀行のミスでしょう。このシステムは、受注している信託銀行ごとに同一になっているようですから。
いずれにしても、電力各社は、株主提案を真剣に検討する気はないようです。
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