地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2024年07月

 人事院が国家公務員の給与改定で、配偶者手当を廃止する方向で調整していることが7月24日に報じられました。今年8月の勧告に反映させることを目指しているとのことです。

 共働き世帯増加や民間の状況を踏まえたとのことで、削減分で子ども手当の増額も検討するとのことです。民間大手では独身者や共働き世帯との公平の観点から、かなり前から配偶者手当を廃止する傾向にありました。

 基本的に大賛成です。公平の観点からは、配偶者手当を廃止し、その財源は基本給に回すべきなのでしょうが、少子化対策が日本の最大の課題の今、子供に対する手当の増額が妥当でしょう。国家公務員でこのような改革が行われれば、同時か、遅くとも1年遅れで地方公務員もそうなるはずです。

 さらに、まだ配偶者に係る扶養手当が残っている民間会社にも影響を与えるのは必至です。

 一方、これもかねてから不公平を指摘されている配偶者に係る社会保険の「扶養」については、なかなか改革が進みません。共働きにするか専業主婦にするかは各家庭が自由に選択すべき問題で、専業主婦を経済的に優遇して奨励すべきものではありません。社会保険の「扶養」の制度は、主婦の保険料を夫が負担しているのなら別に問題はないのですが、被保険者全体、すなわち社会全体で負担する仕組みになっており、いわば主婦がタダ乗りする制度になっています。この不公平さは、共働き世帯、単身者にとって容認できるものではありません。
 こちらの是正も急がなければなりません。

 にほんブログ村 政治ブログ 地方自治へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次)

 7月27日、ユネスコの世界遺産委員会で、佐渡金山の世界遺産への登録が決まりました。この登録について、佐渡金山の世界遺産としての価値には問題ないものの、「強制労働」を主張する韓国の同意が得られるかが鍵となっていたようです。日本は、韓国が主張する「強制労働」という言葉は避けつつ、朝鮮半島出身者が厳しい環境で働いていたことを示す資料を展示することで、韓国側と折り合ったようです。長年努力してこられた地元関係者と、外交当局に敬意を表します。

 登録決定後のスピーチは通例では2分とされる中、世界遺産委員会はこの件については日韓両国に4分ずつ与える異例の対応を取りました。

 そのスピーチで日本側は「韓国との見解の相違を友好的に解決する意欲を示すことを目的として、全ての労働者の過酷な労働環境を説明する」と表明し、韓国側も、負の歴史も展示されるべきだとの考えを示しつつ、「強制労働」には直接言及せず「熟慮を重ねた結果、登録決定に賛同する」と応じたと報じられています。

 韓国の現政権が良識派だったことが幸いしたのでしょう。妥当な着地点だったと思います。


そもそもは韓国の被害妄想だとは思うが

 日本側では、当初から韓国側からの言いがかりを予想し、主に人力で採掘していた江戸時代までの資産で登録を申請していました。それであれば「強制労働」など無関係のはずです。しかし、韓国側が「強制労働」に拘ったため、「全体の歴史」を説明する資料を展示する中で、朝鮮人労働者の過酷な環境にも触れることになったようです。

 そもそも「強制労働」といっても、「徴用」が始まるより前から日本に「自発的に」出稼ぎに来る朝鮮人労働者が大量に存在していました。日本で働く方がずっと高い賃金を得られたからです。徴用が始まると、もともと日本で働いていた朝鮮人労働者まで人数合わせのために徴用扱いされた上で同じ条件で働き続ける例も多かったようです。

 そもそも「徴用」は朝鮮人ばかりでなく全国民に適用され普通に賃金が支払われました。衣料品店を営んでいた私の祖父も、地域にあった軍需工場に「徴用」され、その賃金で家族を養っていました。

 佐渡に限らず、過酷な坑内労働に朝鮮出身者が多かったのは確かのようです。ただ、それは、日本人の健康な若者は「徴兵」されていたためであり、坑内労働は賃金が割高だったこともあります。少しでも家族に多くの送金をしたい健康な若者が、坑内労働に従事しました。

 佐渡では、主観を交えず、それらの客観的な資料を展示していただきたいと思います。

 にほんブログ村 ニュースブログ ニュース感想へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次)

 7月21日、米国バイデン大統領が大統領選挙からの撤退を表明しました。高齢による心身の衰えは隠しきれず、民主党内でも不安が広がっていました。

 この一連の騒動を見て、米国の長寿研究もまださほど進んでいないような気がしています。

最先端の長寿研究

 少し前、ハーバード大学教授で長寿研究の第一人者が著した本を読みました。ラットなどで効果が実証された長寿遺伝子を活性化させる治療法等により、研究者やその家族が若返っている例などが紹介されていました。

LIFESPAN 老いなき世界」(デビッド・A・シンクレア)を読んで  参照願います。

バイデン氏は長寿治療を受けなかったのか?

 私が関心を持っていることは、バイデン氏があの本の著者らが研究を進めている長寿治療(何種類もある)を受けていたのだろうかという点です。普通に考えれば、若返る可能性があるのであれば、あの状況で治療を受けないはずがない気がします。メトホルミン(一般的な糖尿病治療薬で若返り効果もある)くらいは服用していても当然な気がします。バイデン氏はまだ81歳で、そのくらいの年齢なら体も脳も元気なままの人は庶民でもたくさんいます。

 治療を受けていたとすれば、いろいろな方法を試しても効果のない人もいるということでしょう。治療を受けていなかったとすれば、あの長寿治療はまだ米国でも社会的にオーソライズされたものではないということでしょう。

 バイデン氏が長寿治療を受けていたかどうかなどは、国家機密扱いなのだろうと思います。

 もしかしたら、トランプ氏は受けていたかも?

 にほんブログ村 ニュースブログ ニュース感想へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次)

 7月24日(水)、厚生労働省の審議会で、現在、全国平均で1004円(時給)の最低賃金を、過去最大の50円程度引き上げて1054円とすることが決まりました。50円引き上げるということは、たった5%の引上げにしかなりません。既に「実質賃金はマイナス」と報じられています。

 審議会での23日の協議では、有識者の公益委員が大幅な引上げ額を提示したのに対し、経営者側の委員が近年の最低賃金の上昇ペース加速が中小企業の経営を圧迫していると主張し、値切ったようです。

岸田首相の約束はやはり嘘だった

 岸田首相は、再三、賃金の上昇にあらゆる政策を総動員すると言明していたはずです。最低賃金はおおむね10月に引き上げられますが、首相は、昨年の10月から今年の10月までの1年間の物価上昇を5%未満に抑え込む自信はあるのでしょうか?あるはずがありません。過去最大の引き上げ額だなどと言っても、物価上昇率を下回ったのではお話になりません

 1年間の物価上昇率を想定し、そこに何%上乗せするかという議論の進め方をしなければ、話になりません。

 少子化に歯止めをかけるためにも、日本の生産性を世界と同じ程度に上昇させるためにも、賃金の大幅上昇は日本の最重要事項でした。その課題を怠けていながら、憲法改正など余計なことに手を出す・・・。「愚か者!」と罵倒すべきです。

 非正規雇用が増え、終身雇用が崩壊した現在、夫婦二人で働けば子供二人を育て上げられる程度の金額、つまり労働力の再生産が可能な金額を最低賃金とし、その程度の賃金も支払うことのできない事業者は、労働市場から退場してもらうべきです。今なら廃業する事業者が少しくらい増えても、失業率は増えないでしょう。

 今後は各都道府県の審議会が昨年のように引上げ競争を繰り広げてくれることを期待しています。
 「最低賃金引上げ競争」 参照願います。

 しかし、結局、少子化に歯止めをかける機会がまた失われ、日本再生のための貴重な1年が無駄になりそうです。企業献金をたくさんもらおうとして企業経営者の声ばかり聞いている岸田政権の責任は重大です。やはり日本の将来のため、企業・団体献金は禁止しなければなりません。

 にほんブログ村 政治ブログ 地方自治へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次)

 本書を原作として、ねこクラゲ倉田三ノ路という二人の漫画家の作画によるコミックスが、別々に出版されています。私は、ねこクラゲのコミックスを読んでおもしろかったので、テレビのアニメも見始め、原作のラノベも読み始めました。二つの漫画は原作は一緒なのでストーリーの概要は同じですが、細部でエピソードの微妙な違いがあります。私も倉田三ノ路版のコミックスも読み、両方楽しみました。

 2011年から小説投稿サイトで小説の連載が始まり、その後コミックスが出版され、アニメ放映も始まりましたが、2024年7月現在、最も先行しているラノベもまだ完結しておらず、まだまだ続きそうです。

 

 舞台は架空の帝国ですが、登場人物の名前や宦官、纏足などの風俗から、明らかに中国です。主人公の少女猫猫(マオマオ)は花街で薬屋として働いていましたが、薬草を採集しているときに誘拐されて下女として後宮に売られ、働き始めます。

 その後宮では、妃や皇子が次々と病気になり、皇子が亡くなります。猫猫は西方に留学経験もあって非常に博識、有能な医師である養父から薬や毒、その他科学全般にわたる知識を授かっていることから、病気の原因は白粉(おしろい)に含まれる鉛の毒であることを見破ります。それから能力を評価され、持ち込まれる難事件、相談事を養父から教わった医学、薬学、化学、物理等の知識を駆使して解決していく痛快なストーリーです。恋物語も挿入されています。最近の巻は宮廷を離れ、中国の辺境部、西域と思われる地域が舞台になっている部分が多いようです。

 事件や困りごとを解決するために彼女が活用した知識は、鉛中毒、炎色反応、粉塵爆発、モル凝固点降下、食物アレルギー、遺伝、唾液によるでんぷんの分解など、広範囲にわたっています。中学の理科、高校の化学、物理、生物などで実験したことをを思い出しました。

 ストーリー、エピソードの大部分は小学生が読んでも楽しめます。しかし、基本的には成人向けです。下ネタ、花街の妓楼で使われる性のテクニックなども登場します。さほど露骨ではない形ではありますが・・・。

 物語はまだまだ続きそうです。これらのラノベ、コミックス、アニメにはまってしまうと、時間などどんなにあっても足りなくなってしまう気がします。仕事を引退しても、退屈する心配はなさそうです。

 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次)

↑このページのトップヘ