地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2024年12月

 毎年、年末年始には、このシリーズと文藝春秋オピニオンのシリーズを読むことにしています。今後1年間の社会の動きを予測し、備えるためです。

 2025版は、特集「2025年の争点となる3つの論点」に続き、Chapter1「日本は現状維持すら危ういのか」、Chapter2「押さえておきたいビジネスの勘所」、Chapter3「世界を巻き込む米中の対立」と、全部で22の論点を日経新聞の22人のスタッフ(論説委員等)が論じています。執筆時期は9月くらいまでなので、もしトラが現実になってしまったことなどは「危惧」の状態です。全般を通して国際情勢でこの時期に危惧されていた事項は、全て悪いほうに転がってしまったという感想を持ちました。

 冒頭の特集は、論点1「『ティア0.5』が産業の風景を変える そして、付加価値はソフトウエアに移る」、論点2「世界を巻き込む戦争の足音 中ロ朝の『枢軸』が壊す秩序」、論点3「『脱・歴史的円安』 ポストコロナ時代の新常態を探る なお残る『円弱』招く経済構造」です。

 「ティア0.5」という言葉は私は知りませんでしたが、ティアとは階層のことで、ティア0とは完成品メーカー等、ティア1はそれに部品等を供給する1次サプライヤーのことです。ティア0.5とは両者の間、又は両方にまたがって存在する存在のようです。ただし、ティア0.5が供給するのはハードウエアではなく、ソフトウエアやデジタル技術が中心です。例えば、自動車業界でもソフト開発が今後の切り札になることは確実で、ティア0.5は存在感を高めています。日本にもティア0.5の有望なスタートアップ企業等が存在するようで、期待されます。

 論点9AI時代のエネルギー戦略~脱炭素と安定供給の難路」も気にかかりました。グーグルは2030年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする目標を掲げていますが、24年7月に発表したところによると、同社ではこの4年間に5割増えたとのことです。生成AI、ChatGPTの一回の回答には、通常のグーグル検索の10倍の電力を消費するとのことです。デジタル化が進んでもエネルギー消費が減らず、逆に増えてしまうのであれば、地球環境の破壊を早めます。やはり、経済成長を目指す体制、資本主義を終わらせるべきなのか、考えなければならない時期かもしれません。

 今回の版も、いろいろ考えさせられました。

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 自転車の酒気帯び運転やながらスマホが罰則付きで禁止されるようになりました。特にながらスマホの罰則については、おおいに歓迎しています。ながらスマホの自転車がいると、周囲は本当に迷惑です。

 同時に、歩行者の歩きスマホも本当に迷惑です。自転車のながらスマホは、さすがに周囲に多少は注意しながらやっているようですが、歩きスマホはゲーム等に没頭しているように見受けられることも多いのです。こちらが避けても、わざわざこっちが避けたほうに寄ってきたりします。また、対抗してくる人や自転車にハッと驚いて、予想外の動きをしたりするので、危なくてしょうがありません。

 また、信号待ちしながらゲームをしていて、信号が青になっても歩き始めない輩もいます。歩行者が渡るのを待っている左折車、右折車がイライラしていたりします。渡らないと思って車が発進すると、急に渡り出したりもします。

 私のカーナビは、車が動いている時は操作できないようになっています。スマホのゲームアプリも、移動中は操作できないような設定にできないかとも思いますが、電車で移動中もできなくなってしまうので難しいかもしれません。

 やはり、罰則付きで禁止していただくべきかと思います。

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 12月2日、従来の健康保険証の新規発行が原則として廃止になりました。私が持っている保険証の有効期限は令和7年7月末なので、当分は従来の保険証を使えるのですが、眼科の定期通院の際にマイナンバーカードを使ってみました。マイナ保険証が始まったころ、ウエルシア薬局で使ったことがあるのですが、何もメリットが感じられなかったので、その後は従来どおりにしていたものです。医療機関で使ったのは、今回が初めてでした。

高齢者は戸惑うだろう

 従来は、その医療機関の受診券と保険証を受付窓口に提出すればよかったのですが、マイナ保険証の場合、本人がリーダー(読み取り機)にカードをセットして読み取らせることが基本のようです。これがまず、高齢者には敷居が高そうです。実際にやってみれば簡単なのですが、拒否反応を示す高齢者も多いでしょう。結局は受付スタッフが代行せざるを得ないことが多そうな気がします。

 さらに、その眼科クリニックのリーダーと、受診後に行ったウエルシア薬局のリーダーでは、機械の形状等が異なっていました。おそらく、医療機関や薬局によってバラバラなのでしょう。これでは高齢者はますます混乱します。実際のカードのセットの仕方などはあまり変わらないようですが・・・。

 国民にマイナ保険証の使用を義務付けるなら、国民の戸惑いをを少しでも避けるため、読み取り機の形状や仕様を統一しておくべきだったと思います。もう手遅れですが・・・。

やはりメリットが感じられない

 薬局でマイナンバーカードを持っているか尋ねられた際、スタッフに、「これって何か私にメリットはあるんですか?」と質問したところ、併用薬がある場合のチェックくらいしかないようでした。今のところ私には無関係です。従来は、薬局では保険証が替わった時くらいしか提示を求められなかったのに、毎回求められるようになるのも面倒です。個人情報の保護のため、各機関にはマイナンバー等の情報が残らないようなシステムになっているのでしょうか?

 従来の保険証をマイナンバーに紐づければ良かったような気がします。

 今回はマイナ保険証を使いましたが、私は次回からは従来の保険証に戻し、有効期限が切れるまでは続けます。政府が、マイナ保険証の浸透状況を調査しているでしょうから、その数値を少しでも低くし、政府に再考を求めるためと、マイナンバーカードを携帯したくないためです。

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 2024年の暮れは、米国や韓国で民主主義のあり方を考えさせられる出来事が相次いで起こっています。

まず米国は

 トランプの当選は民主主義が行きつくところまで行ってしまったというか、典型的なポピュリズムに見えます。さらに、その後、トランプが起訴されていた不倫口止め事件、機密文書持ち出し、議事堂襲撃事件などが、起訴が撤回されるなどで、なかったことにされそうな状況です。客観的に見れば犯罪が行われた可能性が高いと思いますが・・・。トランプ支持者などによる犯罪にも恩赦が与えられるでしょう。

 さらには、バイデン大統領が、次男の犯罪に恩赦を与えました。また、今後の報復に備え、予防的な恩赦も検討していると伝えられています。

 これらの出来事は、米国が法治国家であることを疑わせるものでしょう。選挙に勝ちさえすれば過去の犯罪もなかったことにできる・・・。

 米国は猟官制(スポイルズシステム。公務員の任用を党派に基づいて行うこと。)であり、公務員の身分が保障されていないので、検察、警察などの組織も腰砕けになってしまうのでしょう。

韓国では

 韓国は大統領の暴走を議会や国民が止めました。私は、その点では韓国の民主主義を見直しました。ただ、あの国では、司法が国民の意向に迎合して法を曲げる傾向があり、法治国家と言い難い動きも続いています。この件も、大統領の判断は信じがたいほど馬鹿げていますが、「反乱」と呼ぶような性質のものかは疑問です。今日(12月14日)大統領の弾劾が成立しましたが、今後に注目です。

 また、戒厳令について、議会が解除を要求する権限が認められているのに、大統領が武力で議会を開かせないこともできてしまうようです。制度の不備でしょう。

 今回は、軍が自制して(軍人の判断で)大統領の命令通りには動かなかったようです。文民統制という点では疑問も残りますが、上官の命令でも市民には銃を向けない軍の意識は、うらやましい気もします。日本の自衛隊もこうあって欲しいものです。

日本は

 日本にも法務大臣に検察を指揮する権限が認められており、過去には贈収賄事件が指揮権によってもみ消されたこともあったようです。また、検察の上層が「政権の守護神」と呼ばれていた時期もありましたから、米国のことを笑ってもいられません。米国のようなことも起こり得るでしょう。しかし、公務員の身分が保障されているので、あんな腰砕けにはならないだろうと思います。
 有事法制のあり方を考えるうえで、今回の韓国の事件は参考になりそうです。米韓の事例を参考に、日本の制度を検証すべきです。

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 2024年の師走、企業・団体献金を巡って、存続を目指す与党と禁止を主張する野党との攻防が続いていますが、その中で、石破首相から憲法解釈上の珍説が飛び出しました。首相は、企業・団体献金の禁止は、憲法に定める表現の自由に抵触する可能性があると言ったようです。

 ネットで検索しても、私はそんな学説を見つけることはできませんでした。首相から珍説が飛び出した後も、法律の専門家からの論評はあまりないようです。真面目に論評するに値しないほどの、苦し紛れの思い付きなのでしょうか?

 私は学生時代に行政法を専攻していただけで、法律の専門家ではありません。しかし、彼の珍説のおかしな点、うさんくさい点は分かります。専門家があまりの馬鹿馬鹿しさに相手にすることを躊躇しているようなので、シロートの私がコメントします。

法人の基本的人権

 基本的人権は、そもそも自然人に与えられたものであることは、誰も否定しないでしょう。ただ、社会的実体である法人にも、支障のない限り認めるべきだというのが、通説的な考えでしょう。だから、あんな珍説が飛び出したんだろうと思います。

 しかし、法人に対してどこまで認めるかは、権利の性質や社会の状況に応じて定めればいいことです。例えば、法人に対して「内心の自由」などは問題にする必要はないでしょう。企業・団体献金については、法律で禁止しようが容認しようが、憲法に抵触するとか、基本的人権を侵害するとかという問題にはならないでしょう。

 また、基本的人権も公共の福祉による制約を受けます。まして自然人ではなく、法人の基本的人権なら、当然です。法人に献金という表現の自由?を認めた結果、自然人の政治関与に不平等が生ずるなら、禁止して当然です。

 企業や団体に政治献金を禁止するのではなく、政治家や政治団体に対して受領を禁止するのであれば、なおのこと問題にならないと思います。

うさんくさい誤魔化し

 企業等について、憲法上の基本的人権を議論するならば、まずは経済活動の自由でしょう。公共の福祉に反しない限り、企業にも経済活動の自由、営業の自由を認めていいことには、反対する人はあまりいないと思います。それを、なぜ首相が経済活動の自由ではなく、表現の自由を持ち出したか?

 経済活動の自由と言ってしまうと、政治献金というものは結局は買収と同じで営利を目的としているという議論につながってしまうからでしょう。企業が自民党に献金するのは、自らに有利な施策や取扱いを求めてのことでしょう。資本主義の維持が目的といったとしても、自分たちが営利を得る社会システムを続けるためです。経団連が政治献金を続けたいのも、そのためであることを公言しています。

 

 石破首相は、公費助成と引き換えに企業・団体献金を禁止することが国民への約束だったことすら否定しようとしています。当時の与野党の党首がそう証言しているのに・・・。

 首相は、持ち味であった正論を封じてしまうと、国民からも見放されてしまうことを考えるべきでしょう。

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