地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2025年01月

 元兵庫県議がSNSでの誹謗中傷が原因で自殺したと考えられる事件について、1月25日(土)、TBSが「報道特集」で検証番組を放送しました。

 その中で、N国党の立花孝志氏が亡くなった元県議についてSNSで発信した内容について事実かどうかの検証が行われ、多くが事実でなかったことが明らかになっています。

 元県議が亡くなった後ですら、元県議は警察の任意の事情聴取を受けていたとか明日逮捕される予定だったとかと全く根拠のないことを発信していました。

 「兵庫県でまた痛ましい事件が・・・」 参照願います。

 番組では立花氏にも取材しており、立花氏が元県議の発信を「でっち上げ」と非難したことを問いただすと、動画などで明確に証拠があるにもかかわらず、「僕はでっちあげなんて言っていませんよね。疑惑ですよね。」などと答えています。嘘を指摘されても平気で押し通そうとする鉄面皮ぶりです。

厄介者の権力

 このブログでも、北海道の長谷川岳参議院議員の騒動や森友学園の事件の際などに再三取り上げている「厄介者の権力」という現象があります。人前で大人げなく怒鳴ったり大騒ぎしたりする厄介者が組織の中で権力を握ってしまうことです。周囲が、「こいつに関わると厄介だ」と考えておだて上げたり放置したりすると、いつの間にか権力を持ってしまいます。
 「ここにも「厄介者の権力」 長谷川岳参議院議員」
 「パワハラで有名な管理職を出世させてしまう組織」 参照願います。
 

 報道特集でも最後に、立花氏にかかわると面倒くさいと思ってファクトチェックを怠って野放しにしたことの反省が述べられています。この番組にも、偏向報道等の批判があることは承知していますが、立花氏が出鱈目を発信し続けていたことは間違いなく事実です。
 一個人、一政治家が、あんなのに絡まれるとメンタルを病んでしまうので、せめてマスメディアや警察(一連の立花氏の発信は明らかに犯罪です。)は、虚偽の拡散、誹謗中傷には毅然として対応していただきたいと思います。

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 昔テレビドラマとして放送されたのをたまたま見て感動し、その本を図書館で見かけたので読もうと思いました。

 幹部警察官(警部)が、妻を殺害したといって自首してきます。アルツハイマーが進行し、数年前に白血病で死んだ一人息子のことすら忘れてしまいそうになって、「子供のことを忘れないうちに、母として死にたい」と苦悩する妻が「殺してくれ」と泣きながら懇願したため、彼は不憫になって妻を絞殺します。彼は、警察学校の教官だった時の教え子からも慕われる人格者でした。

 彼は、犯行の動機や状況は詳細に供述するものの、犯行から自首まで2日間の空白があり、その間に何をしていたかは頑なに供述を拒みます。警察主流派は世間の非難を軽くしようと「死に場所を求めてさまよっていた」というストーリーをでっち上げ、それを本人にも自供させて、送検します。検察の主流派も、そのストーリーに乗って起訴し、裁判所の主流派もそれを容認します。しかし、その不自然なストーリーに納得できない警察、検察の非主流派が2日間の謎を解明しようとしますが、できません。「調書の捏造」を報じたマスコミもあり、裁判所の非主流派もストーリーに納得できないまま実刑がが確定し、刑務所に収監されます。

 本書では、非主流派の面々の内面の葛藤、各組織内の争い、警察と検察の暗闘などが描かれています。

 その中で、裁判長も「『迅速なる訴訟進行』こそ出世の早道」と考え、4者(警察、検察、裁判所、弁護士)の利害が一致して事件を早く終わらせる描写があります。その部分、まさに「絶望の裁判所」に描かれていた状況であり、私が傍聴した贈収賄事件の進行と重なります。

 「絶望の裁判所」(瀬木比呂志)を読んで  参照願います。

 

 2日間の謎は、納得できなかった警察官の努力で最後に明らかになりますが、ネタバレになるので、ここでは省略します。ただ、私は骨髄バンクに登録し、ドナーになる機会を20年以上待っていましたが叶わず、55歳で登録を抹消されました。その無念な経験もあって、この犯人の気持ちはよく理解できます。
 テレビで見て真相を知っていながら読んだわけですが、それでもおもしろく、感動もしました。

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 2025年1月、タレントの中居正広氏が芸能活動から引退することになり、フジテレビの港社長が炎上して進退窮まっています。いずれも、直接的には危機管理の失敗によるものです。

 根本的な原因としては、中居氏の場合、性接待を受けても当然な特別な存在であると自認していたような気がします。だから性加害事件を起こし、「示談が成立したから芸能活動再開に支障がない」などとバカな本音を発信してしまったのでしょう。

 フジの港社長の場合、女性アナウンサーなどに接待させる組織風土が昔からあったのか、港社長がそんな風土を作ったのか、私には分かりませんが、ガバナンスの欠如した会社であることは確かです。

 理解しがたいのは、両者とも、危機管理の専門家の助言を仰がなかったのかという点です。中居氏については、なぜいきなり活動再開に言及するようなコメントを発表したのか、フジテレビについては、テレビカメラ不可などというテレビ局とも思えない馬鹿げた記者会見をなぜやったのか?

 危機管理を多少なりともかじった人なら、ヤバいと思ってストップをかけたはずです。特にフジテレビの経営陣がストップをかけなかったことは驚きです。

 私の古巣の県庁では、管理職研修などでは危機管理やマスコミ対応を何度も学ばされました。私は、謝罪会見の模擬演習までやったことがあり、幸か不幸か、巡り合わせで、その演習が役に立ってしまいました。

 また、研修など受けていなくても、例えば日本大学やジャニーズの事件など、これまでの様々な事件から、あんな会見をすればどういう結果になるか予測できないでしょうか?

 港社長の会見の様子などを見ると、彼はそんな研修を受けてもいないし、過去の事例の知識もないようにみえます。他の経営陣がストップをかけなかったところを見ると、経営陣は誰も危機管理について全くのシロートのようです。今どき、あんな浮世離れした組織もあるんですね・・・。
 フジテレビは、スポンサーが離れ、屋台骨が揺らいでしまいました。危機管理の失敗は、やはり恐ろしいものです。

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 兵庫県の斎藤知事に対する包囲網が、徐々に狭まっています。渦中の知事本人は、どんな気持ちなのでしょう?元県議が自殺されたことに関して記者から質問されても強気な姿勢を崩しませんが、彼の立場からすれば当然です。自分に非がないという姿勢を崩せば、一気に押し込まれそうです。

 1月22日、県議会百条委員会が、パワハラがあったという結論を取りまとめているという報道がありました。県職員の多くがパワハラを感じている状況から、当然の結論でしょう。結論はまだ出ていないと報道に反発する委員もいるようです。内部で意見の対立があるのでしょうか?

 しかし、一般論として言葉などでのパワハラは、彼の知事としての適格性の問題にとどまり、刑事上の責任や、辞職といった問題にはなりにくいと思います。

 一方、本丸と言われている優勝パレードの寄付にかかわる問題は、公金の不正支出の疑いが濃く、刑事責任が問われれば辞職せざるを得ないでしょう。

 また、広告会社へのSNS戦略の委託の問題、会社の従業員まで駆り出した業務が「ボランティア」だったというのは無理があり、信じられません。ボランティアだったとすれば、会社の社長が最初に自慢げに発信した時に、ボランティアだと言ったはずです。知事の陣営にいた人からも知事の弁明に反する証言も出ており、もう詰んでいる感じです。

 また、仮に本当にボランティアだったとすれば、知事時代に利害関係のあった人、当選すれば利害関係が生ずる人に、そんな多大な負担をボランティアでお願いしたとすれば、別の問題になります。当選の可能性が非常に薄かったということは、対価性を否定する理由になりません。宝くじのように極めて確率の低い投資をする人もいるくらいですから。

 それらの問題は刑事告発されており、警察なども捜査することになるでしょう。

 

 ちょっと信じがたいのは、パレードの問題は、知事選に再出馬する前から俎上に上がっていました。いずれ火がつくことが明らかな問題を抱えながら、再出馬するメンタルです。あの問題は、再出馬しようがしまいが火がついたでしょうが、火がつけば知事の職務に専念などできないことは分かっていたはずだと思います。

 次から次に湧いてくる疑惑・・・。総務官僚らしからぬあの脇の甘さは、どこから来るのでしょうか?
 兵庫県職員の皆さまが、疑惑のないトップの下で仕事に専念できる日が一日も早く来ることを願っています。

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 ガソリン価格を抑えるために政府が石油元売り各社に対して交付している補助金が、1月16日から縮小されました。それに伴い、レギュラーガソリンの小売価格は1リットル当たり5円程度値上がりし、185円程度まで上昇するだろうと見込まれています。

 そのことで石破政権を「無策」等と批判する声が多いようですが、私は、ガソリン価格を抑えるために公費を支出したり、ガソリン税を減税するくらいなら、その財源は食料品価格を抑えたり、低所得層に給付したりするために使うべきだと思います。

 我が家も地方都市在住なのでマイカーを保有しており、ガソリン代の値上がりは痛いのですが、我慢しようと思います。それより、生活が苦しい人たちには、食料品の値上がりのほうが深刻な問題です。

深刻な食料品高騰

 2024年から2025年にかけての秋から冬の食料品の高騰は深刻です。夏の終わりに米価が跳ね上がり、新米が出てからも高止まりしてしまいました。冬に入ってからの野菜の値上がりも、ひどいものです。もともとギリギリの生活だった人たちは、さらなる節約は難しいでしょう。

 「住民税非課税世帯」にだけはそれなりの給付が行われているようですが、その他の困窮世帯も大変だと思います。

ガソリン使用削減へ

 地球環境を守るには、ガソリン等の化石燃料の使用を大幅に減らさなければなりません。ガソリン価格を低く維持することは、使用量削減への努力に水を注します。

 住む場所によっては、マイカーが必需品であることは理解しています。それでも、どんな田舎でも、本当に困窮している人はマイカーなど保有していない場合がほとんどです。
 ガソリン価格を抑えることで最も恩恵を受けるのは、燃費の悪い高級車に乗っている高所得層と自動車メーカーかもしれません。温暖化対策のためにも、ガソリン価格を抑えるために税金を使うのではなく、困窮世帯の救済のために使うべきでしょう。

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