地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2026年02月

 著者もまえがきの中で、「日本人優越論」を唱えようとしているのではないと断っていますが、日本はまだ豊かで、住みやすい国です。特に高齢者にとっては、病気になっても公的医療保険の高額療養費制度のおかげで高度医療が無理のない自己負担で受けられます。介護保険制度も整っていて、介護が必要な状態になっても支援が用意されています。

 私も、今の高齢者はとても恵まれていると思います。各地に図書館があり、アマゾンプライムなどの配信サービスや無料のネットゲームを使えば、昔の年寄りのように退屈せずに過ごせそうです。著者も、「日本には『自分が本当に幸せだ』と感じることのできる条件が、すべて揃っている。特に定年後の人たちには・・・」と述べられています。

 第一章「定年後のマインド「リセット」」では、過去の華々しい「自分像」と決別、活躍していた過去に固執しないことが説かれています。当然のことですが、なかなかそれができない人もいます。

 この種の老後の生活についての本と同様、「おカネ」「交友関係」「仕事」等についても一通り触れられていますが、「定年後の勉強」関する記述がこの著者らしく、私にとっては最も参考になります。しかし、卒業論文の続編を手がける気持ちにはとてもなれません。

 教養みがきに、高校の教科書の復習が推奨されています。やはり山川出版社の「もう一度読む山川倫理」、同世界史、同地理などのシリーズが役に立つようです。

 本書を読んで、これから読みたい本がまた増えてしまいました。
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 2005年に島根県が条例で「竹島の日」と定めた2月22日、式典にはこれまでと同様、閣僚は派遣されず、内閣府政務官が派遣されるにとどまりました。

 閣僚派遣は開催側の長年の悲願で、高市氏自身も自民党総裁選直前の昨年9月、ネット番組で「竹島の日、(記念式典に)堂々と大臣が出て行ったらいいじゃないですか。顔色を伺う必要はない」と想いを語っていました。関係者の期待が高まっていた中でのこの仕打ちに、政務官がスピーチに登壇した際には、客席から「なんで大臣いないんだよ!」「恥を知れ!」等のヤジが飛んだと報じられています。

閣僚どころか首相が出席するべきだが

 私はリベラル派で、決して右翼ではありません。しかし、竹島については両方の立場の資料等を読み、あれが歴史的にも国際法的にも日本の領土で、韓国が武力で侵略したことを理解しています。だから、閣僚の派遣は当然で、本来は首相が自ら出席すべきものだと思っています。しかし・・・。

閣僚を派遣できない高市首相の自業自得

 台湾有事に関する高市氏の踏み込み過ぎた不用意な発言のため、日中関係は最悪の状態です。そんな中、韓国は日和見を決め込んでいます。米国トランプは、日本がこれ以上中国や韓国と揉めることは嫌がり、怒るでしょう。
 したがって、今回、政務官派遣にとどめたことは、現在の国際情勢からはやむを得ない判断だと私は思います。しかし、日本がこんな立場になっていることは、高市氏の責任です。高市氏が前言を翻したと非難されても自業自得で、やむを得ないことでしょう。
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 県庁を定年退職する1年半ほど前、病気で2か月半ほど入院しました。死を意識するきっかけになる程度には重い病気でした。幸いにも回復し、定年退職して翌日から再就職先で働き始めましたが、以前よりは時間に余裕ができたので、エンディングノートの作成を始めました。私が死んだ時に、妻や子が困ることを少しでも減らしたいためです。

 ネットでも参考様式が得られ、金融機関の「終活セミナー」等に行くと記入式のエンディングノートが配られたりしますが、いろいろ考えて、結局パソコンを使って自前で作りました。状況に応じて、加除、修正が簡単にできるようにしたかったのです。

私のエンディングノートの構成

 私のエンディングノートは、「覚書・本編」「資産・保険編」「基礎知識編」の3編と、付属資料として、「万一の際の連絡先」「大切なものの保管場所」で構成しています。

 「資産・保険編」は、毎年12月末時点で口座の残高や評価額等を把握し直して改訂していますが、それ以外は必要があれば改訂しています。メインとなるのは「覚書・本編」で、ここには私が死んだ時の葬儀の段取り等が、「病院等で死にそうになったとき、死亡直後」「通夜まで」「通夜から告別式まで」「四十九日まで」「四十九日後」と項目分けし、私の父の葬儀の際の体験をベースに段取りを記載しています。葬儀等の段取りのほか、年金や預貯金等の各種手続き、財産の確認、遺産分割協議、所得税の準確定申告、相続税申告の段取り等も記載しています。まるで「事務引継書」です。

 始めは「本編」の中で解説を加えていたのですが、煩雑になったので、不動産登記、戸籍、住民票、固定資産税(納税通知書、課税台帳、名寄帳のこと等)、所得税、住民税等の基礎的な事項を「基礎知識編」として独立させました。これは役立ちました。

既に活用

 私は、県庁を定年後の第2の職場で市町村職員の研修の企画、実施もしていました。そこで、現場から、新採用職員に所得税や住民税、住所や本籍等の基礎知識を教えてほしいという要望がありました。私のエンディングノートの「基礎知識編」を少し編集し直せば対応できそうだったので、1時間半の科目「地方公務員の必須知識」に構成し、新採用職員研修の中で実施しました。県職員時代、固定資産税等の市町村税、住民基本台帳、土地売買などを担当した経験があり、その集大成です。
 私が死んだ時に、この「基礎知識編」も子ども等の役に立つことを想像すると、うれしい気持ちになります。
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かろうじて法治国家の面目を保った米国

 2月20日、米連邦最高裁は、トランプ政権が各国にかけた関税の適法性について、トランプ氏が権限を越えて関税を課したとして違法との判決を下しました。9人の最高裁判事のうち6人の多数意見とのことで、政権寄りの判事も違法と判断せざるを得ないようなアホな施策だったのでしょう。

 看板政策を司法から違法と認定されたことは、トランプ政権に大きな打撃となるでしょう。トランプ大統領は「国の恥」だと述べていますが、この判決で米国は法治国家の面目を保ったのであり、恥をかいたのはトランプ氏です。トランプの就任以来、米国が三権分立の法治国家であることを疑わせるニュースが多い状態でした。

今後どうなる?

 今回の判決で国際緊急経済権限法に基づいて行った関税措置が違法とされたため、トランプ氏は今度は別の法律(通商法122条)に基づいて世界に対して一律10%の追加関税を課す大統領令に署名するとしています。その動向と、徴収された関税が返還されるのか等、今後も目が離せません。

 判決に先立って、米ニューヨーク連邦準備銀行12日、トランプ政権の高関税措置について「9割を米国の消費者と企業が負担した」との分析結果を発表しました。この分析に対してトランプ政権が反発していますが、私も疑問に感じています。貿易相手国が関税を負担しているとのトランプ大統領らの主張も事実と異なることは明白ですが、日本の輸出企業等にもかなりの影響が生じており、米国側が9割というのはさすがに・・・?
 米国内でもトランプの政策に対する批判が増大しているようで、いい傾向です。
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 著者の佐高氏は、歯に衣を着せないリベラル派の著名な評論家、もうお一人の前川氏は政治家にあらがった硬骨の官僚として著名な元文部科学事務次官です。

 表紙には、「「本当の学び」で国家と権威を疑え」という副題、「排外主義、陰謀論、ポピュリズム、断定調が渦巻く時代ー鵜呑みにせず、自ら問い続ける者だけが生き延びる。」「この国の未来のためには、いまこそこの力が必要だ!」等の呼びかけが記されています。本書の発行は2025年9月ですが、著者らの切実な想い、危機感は、2026年2月の衆院選では国民に届いていなかったようです。

 「はじめに」の中で先の大戦の戦争責任に触れ、「騙された」と言えば免罪されるわけではないことが指摘されています。その上で、「なぜ、玉木や立花や斎藤(兵庫県知事)や石丸に、とりわけ若い人はだまされるのか?」と問いかけ、本編は教育、学びに関する議論が中心になっています。日本の教育の歴史、世界の教育の状況について、いろいろ知ることができました。もちろん、本書の趣旨に添い、書かれていることを鵜呑みにしたわけではなく、自身の体験等からそれが真実であろうと納得した上での知識です。

 明治の始めの「学制」は学問によって国民に生計の途を与えることを目的としていましたが、明治中期以降は、国家に有為な人材を育成することが主な目的に変わりました。個人の人生を豊かにするためではありません。「学校外の義務教育」という制度が日本以外の先進国にはどこでも存在しますが、日本の義務教育は今も学校だけしか認められていません。学校で指導要領等に従って、国家に有為な人材を育てるためでしょう。

 日本でも、私立学校は国の監視が緩く、比較的自由な教育も行われていると指摘しています。私も、県の教育委員会にも在席したことがあり、知事部局の私学所管課にも在席したことがあるので、良く分かります。

 両著者は、SNSでの情報拡散で世論が簡単に傾くことに危惧を抱かれています。この世論の雪崩によって高市早苗が自民党総裁になり、日本の首相になって改憲の旗を振ったら本当に危ないことだと指摘されています。残念ながら、その危惧が現実になってしまいました。

 対処するには、社会としては既存のメディアが頑張ってファクトチェックをきちんとすること個人としてはじっくり腰を落ち着けて読書をする習慣をつけ、なんでも疑ってみることが勧められています。また、過去には、騙されたことに人々が気づいた時に革命が起こるようです。
 危ない世の中になってしまいました。
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