地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2026年07月

 こんなに熱中した小説は久しぶりでした。しかも超長編なので、何か月もこの本が生活の中心になっています。

 本書は、2013年9月から小説投稿サイト「小説家になろう」に連載投稿され、その後マンガやアニメにもなって、原作のラノベとともに人気を集めています。

 ラノベは、第1部「兵士の娘」から第5部「女神の化身」で本編は一応完結しますが、各部は400ページ弱の巻が複数(例えば第5部は12巻まで)あり、全部で33巻もあります。その他に、「外伝」「短編集」等もあり、膨大です。

 さらに、「ファンブック」の中で、読者の疑問に作者が答える形で本編には描かれなかったストーリーが明かされることまであります。すべてを把握するのは、なかなか大変です。

 ストーリーは、現代日本で図書館の司書になろうとしていた女子大生が、中世的な世界に転生して活躍するものです。その世界は、平民は我々と同じ普通の人間ですが、貴族だけは魔力を持ち、魔術が使える世界です。そこに、ヒロインは、現代日本人の知識、記憶と膨大な魔力を持つ虚弱な少女として転生します。羊皮紙の他に紙はなく、文字を読める人も少ない世界で、本を作ろうと奮闘します。

 本編の中でも、各巻の始めや末尾の方に、「エピローグ」「プロローグ」としてヒロイン以外の登場人物の視点から語られる部分もあり、重層的な構成になっています。

 ヒロインの後見人フェルディナンドが異郷で敵の毒に倒れ、ヒロインが救出に向かう辺りからの展開には、年甲斐もなく血沸き肉躍る思いをしました。作者のストーリー構想力に脱帽です。
 本書は、何度も繰り返して読んで楽しめる本です。私はまず図書館で借りて読み、次にWebで読みました。その後も図書館から繰り返し借りていますが、今度は自分で購入し、老後の楽しみにしようと思います。才能ある若い作家のおかげで、老後も退屈している暇はなさそうです。
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 2026FIFAワールドカップ決勝トーナメントの熱戦の中、信じがたいニュースが流れてきました。

 7月1日に行われた決勝トーナメント1回戦の米国対ボスニア・ヘルツェゴビナ戦で、米国のFWバログン選手が相手選手の足首を踏んだとしてレッドカードを受け、次のベルギー戦は出られなくなるはずでした。ところがFIFAが出場停止を1年間保留すると発表し、出場可能になったのです。トランプ大統領が仲良しのインファンティノFIFA会長に電話をし、処分を見直すように要請したと報じられ、その要請についてはトランプ側もFIFAも事実を認めています。

 ただし、FIFA規律委員会は自らを「FIFA規約およびFIFA規律規定にもとづく独立した機関である」とし、決定は「すべての具体的な状況および利用可能な証拠を考慮した上で行われた」と説明しました。しかし、この異例の決定について、トランプの要請への配慮であったと考えない人はいないでしょう。

 バログン選手は、出場停止のはずだった決勝トーナメント2回戦、ベルギー戦に先発出場しましたが、米国は1―4で敗退しました。ふだんは日本戦以外はどちらも応援しない私も、今度ばかりはベルギーを応援しました。

 ただ、バログン選手始め米国選手も気の毒です。自身が頼んだわけでもない大統領の政治介入によって国際的な批判にさらされる中での試合になってしまいました。実力を発揮しきれなかったかもしれません。彼らも犠牲者かもしれません。

これでもまだ米国民は・・・

 トランプが、FIFAに要請したこと自体、米国にとっては非常に恥ずかしいことでしょう。これまでもトランプは、米国の国益、名誉を毀損する行動を続けていましたが、これでもまだ米国民は彼を大統領の座に据え続けるのでしょうか?
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 2016年に県を定年退職し、次に別の地方公共団体で3年間働いて、通算40年間を地方公務員として過ごしました。昨年6月に民間企業を退職する時は既にAI時代に入っていて少しは活用も経験しましたが、公務員としてAI時代を体験できなかったことを少し残念に思っています。若い人たちがどうやってキャリアを形成していくのか、少し心配もしています。

 今、多くの自治体では、議会の想定問答や答弁案をAIを使って作成しているようです。私のころは、本会議等の答弁案は、議会担当者が議員各氏から質問要旨を聴き取り、各部局に伝え、部局では主にその事項に関する担当係長が答弁案を作成していました。それを課長、部局長、政策・予算担当部局が審査して、最終的に知事がOKを出す仕組みでした。それぞれの幹部の文章の趣味も違うので、大変時間のかかる作業でした。

 それがAIで過去の答弁との整合した答弁案ができれば、だいぶ楽になったでしょう。

 一方、そういった答弁案の作成、議事録の作成、外部向けの文書の作成、例規や要綱案の作成等は、職員がスキルを高めていくための訓練でもありました。今の中堅以上の職員の多くは、AIが作成した原案をチェックする能力があるでしょう。しかし、訓練の機会を奪われた若手職員が、そういった能力を身につけられるかどうか、いささか不安も感じます。

 今の職員は、AIを活用するスキルを身につけることは必須ですが、煩雑な文書作成作業等が減ったことによって失われるものもありそうな気がします。自分で苦労して作成した経験のないままに、AIが作成したものを審査しなければならなくなるのは、不安でしょう。
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 外国の軍隊が国内に駐留している間は、憲法改正を行うべきではないとする憲法学の議論があります。もちろん倫理的な主張であり、法的拘束力のある話ではありません。しかし、考え方としては当然のものだと思います。

憲法改正と国家の主権

 憲法改正は国家の最高規範を変える行為であり、主権の完全性が前提とされます。外国軍が駐留している状況では、国家の意思決定が外圧の影響を受ける可能性があるので、憲法改正は慎重であるべき、または避けるべきだということです。

 この考えは、もともとは日本国憲法の正当性に疑問を投げかけるものでした。日本国憲法は、まさに外国の占領下で大日本帝国憲法の改正として公布されたものです。

現在の憲法改正は

 現在も日本国内にはかなりの米軍基地が存在し、米軍が駐留しています。しかも、日米地位協定により米軍は日本国内のどこでも基地を設置する権利、有事には自衛隊を指揮する権利を有し、とても日本が主権を回復したとは言えない状況です。
 「知ってはいけない」(矢部宏治)を読んで
 「砂川事件 政府は米軍との関係正常化を急げ」 参照願います。

 こんな状況下で憲法を改正しても、米国の意向に左右されざるを得ない、又は左右された思われて当然です。それは、改正された憲法にとっても日本国民にとっても、とても不幸なことです。
 現在、このような主張が護憲派からも出てこないのは、現行憲法の正当性自体に疑問符がついてしまうからかもしれません。しかし、新しい憲法を正当性に疑問のないもの、瑕疵のないものにするには、この議論を避けるべきではありません。せめて、日米地位協定を見直し、日本が完全に主権国家だと言える状態にしてから、憲法改正の議論をすべきです。
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 毎日の報道で、宗教に関わるものがたくさんあります。世界を考えるうえで、宗教に関する最低限の知識は不可欠です。本書は、ニュースを理解するために最低限必要なことについて、子供にもわかるように解説しています。ただし、各宗教の教義についての深い説明はありません。

 トランプ大統領関係の報道によく出てくる「キリスト教福音派」、宗派の名前かと思っていましたが、そうではなく、主にプロテスタントの様々な宗派にまたがって存在しているとのことです。米国人口の4分の1にあたる約8千万人もいて、彼らは、聖書は「神の霊感」によって書かれたもので、一字一句すべて誤りのない真実だと信じています。神はアダムとイブを造られたのだから人間の性は男と女の二つだけ、「産めよ、増やせよ、地に満ちよ」とあるから人工中絶など絶対ダメという具合です。「聖書原理主義」といってもいいかもしれません。でも、聖書を盲信しながら、なぜあんな隣人愛のかけらも感じられない行動ができるのかは、やはり理解不能です。

 三大宗教(キリスト教、イスラム教、仏教)が概説されています。イエスは神の子で、神と同じに拝む対象ですが、ムハンマドは予言者であり、人間だから拝む対象ではありません。そこから、イスラム教では偶像崇拝を禁止しており、仏像などを破壊する動機があるようです。

 イスラムについては、日本人にあまり知られていないことを意識してか、その生活ぶりについてもかなり紹介されています。また、シーア派とスンニー派、自爆テロなどを容認するコーラン上の根拠にも触れられています。

 世界に影響する三大宗教のほか、日本を知るうえで欠かせない神道、オウム真理教、統一教会の問題なども解説されています。神道と天皇家の関わり、特に靖国問題については、かなり詳しく、とても参考になりました。A級戦犯の合祀が報じられて以降も、日本の首相は靖国参拝を続けていましたが、中韓から文句はありませんでした。中曽根首相が「公式参拝」を明言した時から中国の反発が始まりました。また、A級戦犯の合祀が報じられて以降、昭和天皇が参拝されなくなり、その後の天皇も参拝していないこと等・・・。

 「日本人は尊いものを敬い、区別なく大切にしてきたのです。自分は宗教を信じているつもりはなくても、神社に行ったらかしわ手を打ち、お寺に行ったらお賽銭をあげてお祈りをする。そういうことをごく自然にする。あらゆる宗教施設をとにかく大切にしようという気持ちがあります。」私も同感です。この気持ちは、もともと森羅万象に神を見る多神教に由来するものでしょう。一神教の不寛容より、私にもこっちの方がしっくりします。
 これまでも宗教関係の本はかなり読んできましたが、知識の整理ができ、新たに知ったこともたくさんあり、満足しました。
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