201910月から消費税率が原則10%に引き上げられましたが、問題噴出で、半月以上たった今も混乱が続いています。混乱はいずれ収まるでしょうが、不公平感は制度が続く限り続くでしょう。

 私は消費税引き上げ自体には反対ではありませんが、制度設計のまずさにあきれています。やはり、生活感覚のない上級国民の皆さんが机上で政策を立案しても、うまくいかないのでしょう。

 

最大の愚策「軽減税率」

 中でも、軽減税率は、不合理、不公平で、最大の愚策です。二つの税率を使い分けなければならなくなり、社会的な負担、非効率も甚だしいようです。

 「イートイン脱税」などという新語も登場しました。持ち帰ると申告して8%の軽減税率の適用を受けながら、実際は店内のイートインコーナーで食べることです。持ち帰ろうと思っていたけど気が変わったということもあるでしょうし、取り締まりようがないでしょう。

 不合理なアンバランスがあるところには、必ずこのような裏技が登場します。そういう行為に走らせるような制度、正直者が馬鹿を見るような制度は、失敗作です。

 軽減税率の不合理さは、初めから分かっていたことです。大手マスコミが批判しなかったのは、新聞を軽減税率の対象にした不公平な対策が功を奏したのでしょう。

 

ポイント還元などの不公平

 イオンの岡田社長が、消費税増税緩和のためのポイント還元制度について、「めちゃくちゃで暴力的」と批判しました。私は知らなかったのですが、日本チェーンストア協会など小売業界の4団体は9月の時点でポイント還元策について「官製の価格引き下げ競争策」として不満を表明した連名の意見書を経済産業省に提出していたようです。コンビニが対象になり、大手スーパーが対象にならないのは、たしかに不公平です。

 小売店の間で不公平なのはもちろん、消費者の間でも不公平です。我が家の近所に数軒ある地元資本のスーパーチェーンも、大手扱いで、対象外のようです。高齢者等では、現金以外は不慣れで使えない人も少なくありません。

 プレミアム付き商品券も、本当に生活困難な人は、そんなものを買う余裕もないようです。

 

 このような批判の声は、以前からありました。強行されてしまったのは、現政権が、人々の批判の声に耳を傾ける姿勢にないからでしょう。

 そのうち、今回の消費税引き上げの混乱が、ハーバードの教材に「意思決定の失敗」事例として取り上げられるかもしれません。

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