政府は、現在60歳になっている国家公務員の定年について、段階的に65歳に引き上げる法案を今年(2020年)の通常国会に提出する予定のようです。
報道されている内容
引き上げ開始は、2022年度からで、65歳に達するまで2年か3年おきに1歳ずつ引き上げるようです。このやり方は、これまでも様々な年齢の引き上げで行われており、定番の手法です。
給与は、60歳前の給与の7割程度に抑える方針です。このことについて、どんな運用になるのか、いろいろ疑問があります。
2018年の最高裁判決
2018年6月1日、定年後に再雇用された職員の給与について、最高裁の判決がありました。結論的には、本給などについては定年前の2~3割低い水準でも不合理ではないとして容認し、一部の手当については、不支給を違法としています。(長澤運輸事件)
今回の政府案は、この最高裁判決を踏まえたものなのでしょう。
若干の危惧
定年、再雇用という形を経た上での給与の減額であれば、新たな契約、新たな身分ということで給与の3割程度の減額は容認されたかもしれませんが、単純な定年延長で、それが認められるか否か、私には疑問があります。
また、政府が掲げる「同一労働同一賃金」という掛け声との整合性の問題もあります。賃金差を容認するには、仕事の内容に差を付けなければならないでしょう。
民間企業で行われている役職定年のように、60歳到達を機に責任ある仕事から引退させる形でしょうか?おそらく国の場合は、多くの幹部職員はその前に勧奨退職して天下りをするのでしょう。それ以外の、組織に在留する職員にとっては、現在の再任用制度とあまり変わらず、単に退職手当の支給時期が遅くなるだけかもしれません。
60歳前後の職員の気力、体力には、個人差が大きく、一律に定年延長になるより、今のような希望者の再任用の方が、職員の多様な働き方に対応できる気もします。
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