毎年1月ころ、その年の本シリーズを読むことにしています。
今年のは、冒頭の「対論で思考力を鍛える」という特別企画で、日本にとって特に重要な9つの論点についての賛成反対の計18の小論が掲載されています。女性又は女系天皇、仮想通貨リブラ、MMT(現代貨幣理論)、キャッシュレス化、憲法改正などについての、是非の議論は、読み応えがあります。
MMT(現代貨幣理論)
近年、異端の財政理論として、MMTという言葉をしばしば耳にします。政府が大量の国債を発行して中央銀行がそれを引き受けうけることによって国債残高を増やし続けても財政破綻することはない、すなわち日本は財政破綻する心配はないという理論です。
私も、怪しげな理論だと単純に考えていましたが、貨幣の本質を納税義務と結び付けた説明には納得でき、全体にかなりの説得力を感じました。
「健康寿命を延ばしても医療費は減らない・・・」
東京大学大学院医学系研究科教授の康永教授が執筆されたこの項目も興味を惹かれました。教授は、予防医療推進が無駄だと主張されているわけではなく、予防医療は、人々の健康というかけがえのない価値を増加させるために絶対必要だが、医療費削減の効果を期待するのは見当違いだと主張されているのです。喫煙者と非喫煙者を比較すると、喫煙者は早死にするので、生涯に係る医療費は非喫煙者の方が高くなるとのことです。
たしかに、そんな気もしますが、健康寿命をなるべく延ばした方が医療を必要とする期間がみじかくなるような気もします。完全には腑に落ちません。
その他
大麻には優れた薬効があり、大麻を解禁する国が世界で増えていることなど、初めて知りました。
日本のエリート高校生が東大よりもハーバードなどを目指す傾向にあるということは知っていましたが、その背景、事情などもよく分かりました。
大学受験生などもターゲットにしているようで、政治、経済関係の論点が多いのですが、お笑いやスポーツ界の動向なども登載されています。これ1冊で、今の日本の主な論点に関する基礎的な知識を一通りかじることができました。
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