本書は、AIとロボット技術の進化でどのような社会が到来するかを予測し、その中で人はどのように生きるべきかを論じています。

 著者自身、ロケットの開発など様々な事業のプロデュースをされていますが、AIやロボット技術などの分野の最先端の研究者から取材し、近い将来に実現しそうな技術もたくさん描かれています。

 例えば、コンタクトレンズ一つとっても、焦点を自動的に合わせる機能、血糖値を自動的に計測する機能を持ったものの開発、さらには、「目の前の相手のデータを画像認識とディープラーニングで解析し、名前・年齢・所属・ユーザーとの関係性などを、瞬時に眼上に表示するレンズの研究」まで行われているとのこと・・・。驚くばかりです。

 

 AIは、既に目(画像認識)、耳(音声認識)を持っていますが、ロボット技術との結合により手や足も手に入れつつあるようです。手や足を手に入れれば、人間の赤ん坊がいろいろいたずらしながら学び、知能を発達させていくように、人がわざわざ教えなくても自らディープラーニングにより飛躍的に能力を高めていくことが想定されます。

 

 よく言われているように、人間でなければできない仕事は、どんどん減っていくことは間違いありません。それを「AIに仕事を奪われる」と否定的に考えるか、著者のように「わずらわしい仕事はAIがすべてやってくれるので自分は好きなことだけやっていられる」と肯定的に捉えるか、生き方の問題でしょう。

 

 「働かなくてもいい世界で、なおモチベーションを持ち、何かの行動を起こせる人が、生き残るのだ。」という著者の言葉には、共感します。働かなくては生きていけない現在の社会に暮らしていても、仕事にやりがいを感じている人と生活費を稼ぐためだけに働いている人とでは、大違いです。

 

 現在の人間の労働はAI、ロボットが代替し、人間が食べていくために必要な「人間の」労働力はわずかで済むようになるでしょう。私が不安なのは、分配の問題です。この本の題名を見て、「ホリエモンは、分配の問題をどう考えているのだろう?」と疑問に思ったことが、本書を読んだきっかけです。

 著者は、ベーシックインカム制度が導入されることを想定されているようです。私は、少なくとも過渡期については、「そんなにうまくいくかな?」と、やや疑問に感じています。ビル・ゲイツなどはAIに駆逐された労働者を支援するために、AIの導入に重税を課すことを提案していますが、著者はそれには反対しているようです。ベーシックインカム制度への道筋をどのように描いているのか、本書ではそこまでは詳しく説明されていません。

 

 私のような高齢者はともかく、私の子や孫らの若い人たちがこれからどのように生きていくべきか、考えさせられる本でした。

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