菅官房長官が、6月1日の記者会見で、「すべての預金口座とマイナンバーをひも付けすることについて年内に関係省庁と検討する」と述べました。また、自民党は、6月2日の総務会で、マイナンバーと預貯金口座をひも付ける法案について了承したとのことです。
しかし、9日の報道では、一人一口座だけに後退してしまったようです。
警戒の声と政府の釈明
すべての銀行口座をマイナンバーとひも付け、国が把握することについては、警戒する国民も多いようです。個人の資産情報が、すべて国に知られてしまう心配です。
それに対し、高市総務相は、「マイナンバーとひも付けるのは口座の中身ではなく、口座の所在であるため、資産の情報が漏れる心配はない」として理解を求めているなど、政府・与党は国民の懸念払しょくに努めています。
私は、政府・与党側は、国民をだますために意図的に説明を省略していると考えています。個人の収入・資産情報を把握するためでなければ、すべての口座をひも付けする必要は考えられません。今回のコロナの特別定額給付金のような場合に速やかに給付するためならば、初めから一人1口座だけ登録すればいいことにしておけばよかったのです。当初の狙いは、そうではないでしょう。。
たしかに、マイナンバーのシステム上、マイナンバーとひも付けるのは、口座番号等だけで、口座の中身は入っていないのでしょう。したがって、マイナンバーのシステムから口座の残高等の情報が洩れる心配はないのでしょう。だから、高市総務相の説明は、全くの嘘ではないわけです。
しかし、国民が心配しているのは、そんなことよりも、税務当局等に収入や資産の状況をすべて把握されてしまうことです。それについては、すべての口座をひも付ければ、把握されてしまうことは間違いないと思います。
でも全口座のひも付けに賛成
政府側の説明は誤魔化しであることを承知したうえで、私は全口座をマイナンバーにひも付け、国が国民の収入、資産をすべて把握できるシステムにすることに賛成です。
国が国民の所得をすべて把握して、その所得に応じて納税を求める、所得が本当に不足している人には適切な保障を行う・・・。理想の姿だと思います。
そもそも、国民の多くを占めるサラリーマンは、すべての収入を国に把握され、課税されています。すべて把握されると困るのは、所得をごまかして税を逃れている人でしょう。私は、源泉徴収されている預金利息や配当を除き、すべての収入(給与、不動産収入等)を税務申告しているので、何も困りません。ほとんどの人は、私と同じでしょう。
マイナンバーのそもそもの目的は、税と社会保障の一元的な管理だったと思います。
全口座とのひも付けによって、ベーシック・インカムのような制度の実現に期待しています。場当たり的な妥協ばかりせず、将来の国家像、あるべき制度についての真剣な議論を期待しています。
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