7月4日(土)から毎週土日に行われている京都大学のオンライン公開講義「立ち止まって、考える」で、7月19日(日)の「パンデミックの倫理学」のテーマは、「人工呼吸器を誰に配分するか」でした。
講師は、京都大学の児玉聡准教授です。
トリアージについてのいろいろな考え
トリアージは、災害などで治療を必要とする患者が多数発生し、医療資源が不足する時に、それを誰に優先的に提供すべきかという選別です。日本でも大災害などの際に行われ、今回のコロナパンデミックでは、人工呼吸器や集中治療室が不足したイタリアなどで、人工呼吸器は高齢者には使用しないという運用が行われました。
イタリアの対応は、最大多数の利益という観点からやむを得ないことととらえられ、これを非難する声はほとんどないでしょう。私もそう考えます。
ただ、あの対応を是認する考えの根拠は、いくつか種類があるようです。
英国医師会の考えは、年齢によって直接に差別することはダメだが、治療によって生存する可能性の高い人を選択する結果として高齢者が排除されることはやむを得ないということのようです。
余命の長い人を選ぶ考えや、「フェア・イニング論」といってまだ十分に人生を享受していない人を優先するのが公平だという考え方も紹介されました。
あらかじめ議論すべき
このような議論をあらかじめ行い、優先順位を可能な限り具体的に決めておかなければ、いざというときに、すべて医師の決断に委ねられてしまいます。医師には、トラウマが残るようです。
日本でも、医師の心理的負担を少しでも軽くするため、早急に議論しておくべきだと思います。
公平と平等
本論に先立って、10万円の特別給付と、1世帯2枚のマスク配付について、平等、公平と考えるかどうかのアンケートが参加者にオンラインで行われました。
10万円の給付については、平等だが個々人の必要性に基づいていないので公平ではないという意見が8割でした。しかし、財源がすべて国債であること等から、世代による不平等もあり、平等でも公平でもないという意見もありました。
アベノマスクについては、世帯の人数に差があることから、平等でも公平でもないという意見が7割を占めました。
この公開講座、本当にお勧めです。特に将来のある現役世代に聞いていただきたいと思います。ネット、ユーチューブで公開されているので、聞き逃した方も今から視聴できます。
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