本書は、前著「言ってはいけない 残酷すぎる真実」で紹介されていた人種による頭の良し悪しの問題を掘り下げた内容が中心になっています。
前著でも、頭の良し悪し(IQ)について、遺伝による影響が一般に考えられている以上に大きく、育て方の影響は小さいことが、根拠を示しながら説明されていました。また、人種による差がかなりあることも示されていました。
本書では、人種による頭の良し悪しが生じた歴史的背景などが説明されています。その中で、アフリカで発生したサピエンスが世界中に広がる過程で、他の人類(ネアンデルタール人など)と交雑し、滅ぼしながら、遺伝的に少しずつ異なるグループ(人種)に分かれていったことが描写されています。
本書の本筋ではないのですが、サピエンスの歴史の解明にロマンを感じました。今度、その分野の本も読んでみたいと思います。
私は知らなかったのですが、普通の遺伝子に加え、母系にだけ伝わるミトコンドリア遺伝子というのがあり、両者を分析することによってかなり詳細に各民族(例えば日本民族、弥生人、縄文人など)の来歴を推測することができるようです。
OECDの調査などによると、ヨーロッパ系ユダヤ人、東アジア人(日本、中国、朝鮮半島)などが平均的に高い知能を有しているとのことです。
ヨーロッパ系ユダヤ人は、差別、迫害を受けながら、高い知能を持った人がより多くの子孫を残し、かつ同族内での結婚がほとんどだった結果、知能の高いグループが形成されたようです。
東アジアは、水田による稲作が早くから発展し、密集して居住する社会が形成された結果、知能の高い人がより多くの子孫を残し、知能の低い人が淘汰されていったとのことです。
遺伝による頭の良し悪し、まして人種間の頭の良し悪しを論じることは、傷つく人がいるとの理由で、特にリベラルな立場の人たちからバッシングされがちです。しかし、著者は、「がんばれば誰もが勉強ができるようになる」などというきれいごとで、がんばってもできない子供を苦しめるべきではないと主張されています。
たしかにその通りだと思います。きれいごとを言い続けても誰も救われません。事実は事実として共有した上で、それを前提とし、みんなができるだけ幸せに暮らせる方策を考えるべきでしょう。
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