ある事件
一般職の地方公務員に対し、警察、検察は非常に厳格に法を執行します。
私が仕事で少しかかわった事件では、数回にわたり、総額で10数万円の接待を受けたとして某役所の課長Aが逮捕され、執行猶予付きではあるものの懲役刑になりました。所属の役所では、起訴された段階でAを懲戒免職処分にし、退職金は支払われませんでした。
Aは、贈賄側のIT系のベンチャー企業の社長Bと親しくしており、飲食を共にしておごったりおごられたりする中で、10数万円の接待ということになったようです。Aは、役所内にIT関係に精通している職員がいない中で、業務上の課題をしばしばBに相談し、Bも親身に相談に応じ、有益な解決策(システムなど)を提案していました。
次第にAは、役所内でIT関係では一目置かれる存在になり、他の部署からも頼りにされました。事件の対象になったシステム発注も、Aが所管する部署の発注ではなく、関連部署の発注でしたが、Aの発言力、影響力が大きかったため、「職務権限」が認定されてしまいました。
私は、Aの行動には非難されるべき点があるものの、こんなのは「職務権限」とは言えず、Aは無罪ではないかと今でも思っています。裁判もすべて傍聴しましたが、弁護士は執行猶予を得ることに集中する素振りで、職務権限について触れることもせず、裁判官も深入りを避け、出来レースのような印象でした。
政治家の場合は・・・
安倍前首相は、加計学園の理事長と飲食やゴルフで「おごったりおごられたり」の関係だったことを認めていますが、一般職の公務員なら逮捕されていたかもしれません。職務権限も、Aのケースよりはずっと明確です。少なくとも、懲戒免職にはなっていたでしょう。
桜を見る会前夜祭の会計処理についても、当事者が口裏を合わせてしまえば崩すことは難しいのは理解できますが、たった1回の任意の事情聴取だけで済ますのでしょうか?
今度は、吉川元農相です。養鶏業者から農水省の権限に属することに関して要請を受けていたこと、500万円を受け取っていたことについて、かなり濃厚な疑惑があるようです。病院に逃げ込んだようですが、検察もようやく強制捜査に踏み切ったので、きちんと刑事裁判で真相を明らかにしていただきたいものです。
これまでは、政治家に対して甘すぎたような印象があります。
「官邸の守護神」と言われた黒川氏の去った今、検察の姿勢に国民が注目しています。
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