本書は、「PICK UP ISSUES」(特に重要な問題)のほか、政治、国際、経済、社会、WITHコロナの時代、文化、生活、芸能、スポーツ、皇室の計11分野、100の論点を解説したものです。これを読めば、今の日本で話題になっていることのほとんどについて、一応の知識を得ることができそうです。ただ、私の場合、芸能やスポーツなどの話題はあまり興味がなく、一部飛ばして読みました。
本書は、1月の発行ですが、執筆時期は米国大統領選挙の結果判明後であるため、トランプ後の世界なども論じられています。執筆時期が本書より少し早かった「日経大予測」の方は、米国大統領選挙の結果が不明の状態でした。
「日経大予測2021 これからの日本の論点」(日本経済新聞社)を読んで
「PICK UP ISSUES」の中に、「東京オリンピック開催強行の3つのリスク」という論点があります。
オリンピック招致段階で、日本政府と東京都は、「組織委員会の負担なしに大会に関するセキュリティー、医療、通関、出入国管理その他の政府関連業務を提供する」という保証書をIOCに提出しており、数千億とも言われる追加経費のほとんどが都民、国民の税金で負担せざるを得ないようです。これが一つめのリスクです。
日銀の分析などによると、オリンピックの経済効果は2018年がピークで、つまりほとんど終わっており、競技そのものの経済効果は限定的とのことです。
2つ目のリスクは、もちろんオリンピックが引き起こす感染爆発です。どれほど厳重に防止策を講じても、クラスターが発生する可能性は小さくはないでしょう。WHOがパンデミック終息を宣言していない中で、開催などできるものかということです。
3つめは、オリンピックの倫理と価値の毀損です。開催までに多くの国民にワクチン接種ができるのは、わずかな富裕国だけでしょう。また、各国とも、医療従事者や高齢者などから優先接種する方針であり、若く頑健な選手に優先的に接種するとすれば、倫理的側面からの批判は免れません。
IOCは、これへの具体的な対応策を示していません。これらのリスクに対する十分な検討をせずに開催することは、選手や観客の生命を危険にさらし、倫理的にも大問題でしょう。
中止、または延期しかないような気がしてきました。
「世界に逆行「農薬大国」日本の現実」という項目では、日本の単位面積当たりの農薬使用量は、韓国と並んでOECD加盟国内では大量使用国とのことです。生産者優先、経済優先の政府の姿勢のために、こんなことになってしまっているのでしょう。
農薬が使いやすいように、残留農薬基準の緩和まで行われたようです。
日本の5Gの遅れの問題、デジタル円の問題など、よく知らなかったことについて一応の理解を得ることができました。
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