3月8日にYahooニュースに転載された中國新聞の記事によると、この日、山口県の田布施町長は議会での一般質問に答え、税金の徴収ミスを内部告発した職員を1人だけの「畳部屋」に異動させた問題で、再発を防ぐための行動指針案を示したとのことです。
記事では残念ながら指針案の具体的な内容は分かりませんが、適正な職務の遂行と公務員倫理の徹底、良好な職場環境の確保、情報の適正管理、交通法規・マナーの順守、事務処理・対応ミスの防止、接遇の向上の6目標が掲げられているようです。町では、この案を職員労働組合に示して意見を聞き、18日に議会の全員協議会で説明して、4月から実施する予定とのことです。
あまりにも総花的!
指針案があまりに広い分野にわたっていることに驚きました。指針案に盛り込まれたとされる6項目は、いずれも大切なことであることは否定しません。しかし、接遇や交通マナー順守など、職務執行どころか社会生活全般にわたる事柄まで一つの指針に盛り込もうとすれば、総括的、心得的なものにならざるを得ず、具体的な対策はつまみ食い的にピックアップされている程度のものになってしまっているのではないかと思います。すべてに具体的な対策を盛り込めば、読む気がしないほど分厚くなってしまうでしょう。
内部告発者に対するパワハラのような問題を二度と起こさないというのが、そもそもの発端だったはずなのに、その問題に焦点を当てずに、むしろ、ぼやけさせよう、曖昧にしようという意図にも感じます。
この問題を解明するために議会が設置した特別委員会は、結局、事実関係や原因を何ら解明しないまま解散してしまいました。原因などが追求されずに終わったため、このような総花的な指針にならざるを得なかったのでしょうか?
「尻すぼみに終わった田布施町のパワハラ調査」 参照願います。
職員組合は本気で精査を
町長は議会で、勤勉手当の是正に時間がかかったのは職員組合との協議に時間を要したためと説明しています。つまり、町の職員組合は、条例通りの支給に異を唱えて3、4年も協議を引き延ばした悪辣な組合という汚名を着せられているのです。(私は、町当局が本当に組合と協議していたか疑っているのですが・・・。)
汚名を返上するため、指針案をきちんと精査し、具体的な対策が盛り込まれているか、実効性がありそうか、検討していただきたいと思います。
「勤勉手当も違法に支給していた山口県田布施町」 参照願います。
町のホームページも閲覧し、ネットでも探してみましたが、町の指針案は見当たりません。したがって、私は指針案を読んでおらず、報道で知りうる範囲で論評していますが、私の予測に反したすばらしい指針であることを願っています。
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