先日、閣議決定、経済財政諮問会議での審議を経て公表された「令和4年度予算編成の基本方針」の中に、2か所で「単年度主義の弊害是正」について述べられています。しかし、何を「弊害」として問題視しているのか明白でなく、専制を志向する危険な匂いも少し感じています。

 

「令和4年度予算編成の基本方針」の中で

 まず、「基本的考え方」⑥の中で、「これまでの政府・与党の決定を踏まえた取組を着実に進めるとともに、財政の単年度主義の弊害を是正し、科学技術の振興、経済安全保障、重要インフラの整備などの国家課題に計画的に取り組む。」と記載されています。

 続いて、「予算編成についての考え方」⓸の中で、「いわゆる「16か月予算」の考え方で、令和3年度補正予算と、令和4年度当初予算を一体として編成する。その中で、単年度主義の弊害是正のため必要に応じ新たに基金を創設する等の措置を講じていく。」と述べています。

 これを読んでも、岸田政権が「単年度主義」の何を「弊害」として問題視しているのか不明確です。

 

「予算単年度主義」の弊害

 予算単年度主義の弊害ならば、私も感じています。しかし、それは、主に予算執行における弊害です。年度をまたぐ契約、予算執行がやりにくいとか、年度内に予算を使い切りたくなってしまうとかの問題です。

 予算編成方針の中で岸田政権が問題にしているのは、そういうものではないようです。「財政の単年度主義」とも言っており、主に予算編成段階のもののようです。

 しかし、予算編成においては、今回も「16か月予算」などと言っているように、補正予算や債務負担行為などを活用すれば克服でき、「弊害」と呼ぶほどのものではないと思います。

 

政権の狙いは

 結局、政権の狙いは、国会にいちいち説明することなく勝手に(機動的に)予算を執行したいということのようです。基金を設けて、その基金を勝手に使いたいということなどでしょう。しかし、それは「財政民主主義」に反します。予算単年度主義は、財政民主主義を守るため憲法第86条にも規定されている原則です。

 

 財政民主主義をないがしろにするような暴挙を許さないよう、野党、マスコミ、国民による監視が必要なようです。

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