数年前に「4度泣ける!」という広告に誘われて読んだ「コーヒーが冷めないうちに」のシリーズの1冊です。「コーヒーが冷めないうちに」の後、「この嘘がばれないうちに」「思い出が消えないうちに」と続き、本作は4作目になります。

 それぞれ4つほどのエピソードが綴られていますが、シリーズ全体として連続したストーリーにもなっています。

 「『コーヒーが冷めないうちに』(川口俊和)を読んで」 参照願います。

 

 本作は、「大事なことを伝えていなかった夫の話」「愛犬にさよならが言えなかった女の話」「プロポーズの返事ができなかった女の話」「父を追い返してしまった娘の話」4つのエピソードで構成されています。

 このシリーズのどれか1冊でも読まれた方ならご存知の通り、わずかの時間だけ過去に戻ることのできる不思議な喫茶店で、誰かに会うために過去に戻る物語です。

過去に戻っても、その後に起こることは変えることができない、不幸な事故などは避けることができないというルールがあり、出来事自体は変えられなくても心の持ち方が変化することでその後の人生を変えることができるというのが、シリーズを通してのメッセージです。

しかし、本作の中には、そのルールに反することがわずかながら見受けられます。

「プロポーズの返事ができなかった女の話」では、過去に戻ったときに男からもらった指輪が、現在に戻った女の手に残りました。

「父を追い返してしまった娘の話」では、預金通帳が娘の手に残りました。

これらは、これからの人生を前向きに生きていくために許容された最小限の矛盾なのか、過去に戻ったのが夢じゃないという証拠のために許容された矛盾なのか、それとも今後の物語のための何かの伏線なのか・・・?

 

 さすがにシリーズ4作目ともなると同じような展開のエピソードが多い感じも否めませんが、それでも感動は味わうことができました。

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