「奇跡のような一夏を瑞々しい筆致で描く新時代のガールミーツガール小説、誕生!」と本の帯に記載されています。

 私は、ガールミーツガールという小説のジャンルがあることを初めて知り、初めて読んでみました。元々は、「ボーイミーツガール」という言葉があり、「少年が少女に出会う。」「出会って恋に落ちる」「定番の恋愛小説」というような意味で使われていて、「ガールミーツガール」はそれから派生した言葉のようです。

 SNSを通じて出会った17歳の二人の少女が、交流を深めながらお互いにかけがえのない存在になっていく物語です。17歳の少女二人を主人公にしながら、恋愛沙汰が一切起こらず、性的な場面もないことが本書の特徴だと思います。

 

 シングルマザーである芸術家肌の母親に振り回されている「私」ママイヤと、アル中で家計を圧迫している父親に嫌悪感を持つパパイヤがSNSを通じて知り合い、木更津の干潟で待ち合わせて会うようになります。

 パパイヤはこれまで、成り行きに任せて周囲から期待されている部活(バレーボール)などでの役割を果たしてきましたが、ママイヤと会ううちに「自分はもっと自分の好きなように生きていいのだ」ということに気づき、最後には部活を辞め、バレエを始める決意をします。

 ママイヤは、母親へのわだかまりを解消していきます。

 

 大きな事件が起こるわけでもありませんが、青春の危うさのような緊張感のある小説でした。

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