1年ほど前から、仕事で民間企業の規則などを扱うことが増えました。民間企業にもそれぞれの企業の憲法とも言うべき定款や、取締役会規則、就業規則、賃金規程などの多くの社内規程があります。

 私が40年にわたって携わってきた国や自治体の法令や規則と、見た目は同じようですが、法形式的にかなり異なる部分もあり、とまどうこともあります。

 

〇〇規定

 まず違和感を覚えるのは、「規定」です。役所では、服務規程、公印規程など、まとまった決まりは必ず「規程」ですが、民間企業では「システム管理規定」「〇〇取扱規定」など、「規定」がかなり見受けられます。中小企業ばかりでなく、法務部を持つ大企業でもです。

 

附則の定め方

 国や自治体の法令では、附則の条項は本則と通し番号になっておらず、必ず、附則第1条又は附則第1項から始まります。

 民間企業の定款でも、大企業の定款は国などと同じような形式が多いのですが、中小企業の定款はそうではないものが目立ちます。附則の条番号等が、本則からの通し番号になっているのです。私が先日かかわった企業の定款は、本則が第5章、第23条まであり、その後に附則が「第6章 附則」「第24条 ・・・」と続き、附則の中に施行期日、発起人、各出資者が設立にあたって引き受ける株数などが規定されています。内容は附則で規定するような内容ですが、形式的にはまるで本則の一部のようです。これには少し驚きました。

 しかし、この定め方は、さすがに不便だろうと思います。設立時だけしか必要のないような規定が、いつまでも通し番号の条文で残ってしまうのです。条を追加したり削ったりするときに困るでしょう。

 なぜこんな形式の会社が多いのだろうと不思議でしたが、ネットで提供されている定款のひな型などで、こんな形式が多いようです。執筆者は司法書士などですが、例規の制定作業などには精通していないのかもしれません。柔軟というか、何でもあり、言ったもの勝ちのような感じです。
 
やはり私は、長年親しんだ、きちんと「法制執務」に従った形式の規則が目になじみます。民間企業の規則などの定め方にきまりがあるわけでもないので、何でもいいのでしょうが・・・。

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