日本では、核兵器廃絶に賛同しないと平和主義者ではないと思われるような雰囲気があります。しかし、平和を守るためには日本も核兵器を持った方がいいか持たないままの方がいいかを真剣に議論すべきなのに、その議論が封殺されてしまっています。

 著者は、日本も平和を守りたかったら核武装すべきだと主張しておられます。彼は、フランスの人口・歴史学者で、人口動態の分析等を基に卓越した洞察力で、ソ連崩壊等の数々の予言を的中してこられた方です。著者の意見は、日本の一般的なメディアとはかなり異なる部分が大きいのですが、現実に立脚し、理路整然としていて、説得力があります。私も、最初は反発を感じましたが、彼の意見に賛同せざるを得ませんでした。

 「グローバリズム以後」(エマニュエル・トッド)を読んで

 「核兵器廃絶は現実的か?」  参照願います。

 

 西側諸国のインテリ、エリート層は、グローバリズムを礼賛する人が多く、知的に優位にあることを意識しながら、グローバリズムに反対する労働者などを馬鹿にしていると著者は言います。英国のEU離脱、トランプ現象などを「ポピュリズム」と捉えるインテリが多い中、著者は、「行き過ぎたグローバリズムの是正」と捉え、肯定します。本書でもその主張が展開されています。

 日本に対しては、核保有のほかに、移民の受け入れを提言しています。日本の最大の課題は少子化・人口減少であり、今となっては移民を受け入れるしかないとの考えです。

 ただし、その出身国は多元化することが必要です。特に中国出身者があまり増えないよう注意しなければならないとしています。「北京政府は、外国に渡った中国人同胞との絆を維持する政策を明らかに採って」いて、「求めに応じた中国系移民が、北京政府による他国介入のエージェント役を果たす可能性がある」としています。日本に在住する中国出身者は日本社会に好意的な感情を持っているのだろうけれど、現在の中国があまりに帝国主義的な施策を採っているので、危険であるとの忠告です。

 日本の国会議員たちにも、彼の著作には一通り目を通したうえで政策を議論していただきたいものです。

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