中国が新型コロナの感染が拡大しているさなか、突然、各種規制の大幅緩和に踏み切りました。中国政府の専門家はオミクロン株の毒性が弱まっていて重症化リスクが低いことを現地マスコミで繰り返しているようですが、そんなことは急に始まったことではなく、かなり以前から分かっていたことです。

 中国政府はこれまで、変異株の感染力の強さばかり強調してきていて、10月の党大会でも習近平自身がゼロコロナ政策の堅持を掲げていました。さすがに表向きは撤回したとは言えないでしょうが、泥縄的な方針転換であることは否めません。

 

学生らに成功体験

 この政策の急転は、11月下旬に中国各地で発生していた学生らによる抗議活動に危機感を抱いたためであることは明らかです。学生や市民の抗議は、ゼロコロナ政策に対してだけにとどまらず、言論の抑制、人権の侵害、独裁にまで及んでいたようです。

 自由な世界があることを知った人たちは、いつまでも人権が抑圧された不自由な社会で我慢し続けることはできないでしょう。

 今回、抗議活動によって要求を一部実現した学生、市民は、成功体験を得たことになります。このことで、中国の人権状況が改善し、普通の国になる転機になることを期待しています。

 

感染拡大も心配

 ただ、感染が急拡大している中での規制緩和となり、感染拡大に拍車がかかることが心配です。効果があるのかどうか疑問のある中国製ワクチンしか接種していない人がほとんどで、医療体制も脆弱です。

 日本でも入院できない感染者に対するケアは十分とは言い難い状況ですが、中国はもっと厳しい状況でしょう。規制を緩和する前に感染者へのケア体制を整えるべきだったでしょうが、人の生命が尊重される体制ではないので、準備がないままの緩和になってしまいました。感染を一定程度許容するということなのでしょうが、一定程度に抑え込めるかどうか、目が離せません。

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