4月21日、中国の駐フランス大使がフランスのニュース専門テレビに登場して語った言葉が炎上しました。「そもそもクリミアは歴史的にロシア領だった」とか、旧ソ連の国々について「主権国家としての地位を定めた国際的な合意はない」などと述べたようです。クリミアについてはたしかにロシア領だった時期がありますが、それがソ連時代に合法的・平和的にウクライナに割譲されたのですから、ウクライナの主権を否定する理由にはなりません。旧ソ連の国々の主権については、ロシアがソ連の主権を引き継いだことと同様、国連加盟を認められるなど、国際社会から認められてきており、「何を今さらアホなことを言っているのだ!」と非常識さを笑われるだけでしょう。

 しかも、中国外交当局も、何日も経ってからようやく発言がフランス大使の個人的見解だったと釈明したものの、謝罪もせず、映像も残っているのに西側マスコミの挑発だなどとアホな主張までしています。あんな主張をする人物を大使に任命し、問題発生後も更迭していないのは、本国政府も同じような考えだからでしょう。

 フランス大使ばかりではありません。1年前には大阪総領事が、ツイッターでロシアのウクライナ侵略に関し、「弱い人は強い人にケンカを売るような愚かな行いをしてはいけない」などと戦狼まるだしの投稿をしています。

 

 これらの状況は、今まで貧しかった人が急に金持ちになって周囲に威張り散らしているような滑稽な感じすらして、国際社会で失笑と反発を買っているようです。この様子を見ていると、中国は仮にGDPや軍事力が世界一になっても、とても世界のリーダーにはなれそうもない気がします。

 20世紀前半までとは異なり、現代は、建前であったとしても正義、人権尊重を唱えていなければ、国際社会からリーダーとして認められることは不可能でしょう。中国のように、機会があれば何でも強奪してやろうという野心を隠そうともしないようでは、つま弾きされるばかりです。中国が覇権を握る世界は、米国が覇権を握っている世界より暮らしにくいでしょう。
 習近平路線でなければ、中国は世界のリーダーになれたかもしれません。


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