報道によると、柏崎刈羽原発の再稼働について一応は中立的な立場を示していた新潟県知事が、いよいよ中立の仮面を脱ぎ捨て、再稼働推進を鮮明にしたようです。自民党の支持で当選を重ねたとのことなので、いよいよとなれば推進に舵を切るのだろうというのが大方の予想でしたが、やはり・・・。

 

専門家による委員会が意向どおりに動かず

 新潟県のホームページによると、県では、再稼働を認めるかどうかは、専門家による「技術委員会」「健康・生活委員会」「避難委員会」等が、「福島第一原発の事故原因の検証」、「原発事故が健康と生活に及ぼす影響の検証」、「万一原発事故が起こった場合の安全な避難方法の検証」の3つの検証を行い、それをやはり専門家による「検証総括委員会」が総括して、それをもとに知事が判断して県民の意思を問うとしてきました。ところが、3つの検証は一応終わったものの、肝心な「検証総括委員会」が、取りまとめの仕方について委員長(名古屋大学名誉教授)らの考えと知事の考えが食い違い、宙に浮いていました。

 委員らは令和5年3月末で任期切れになって再任されず、5月10日の記者会見で知事は、今後は県で取りまとめることを表明しました。産経新聞によると、県の議論では、「最近のエネルギー情勢や電力需給の状況、脱炭素に向けた動きなども反映する」とのことです。もう再稼働に前向きの結論を出すと表明したような印象です。

 専門家の検討組織が首長が望むように動かず、すったもんだすることは、私の経験でも時々あることです。今回の新潟県のケースは、再稼働に消極的だった以前の知事が作った検証の枠組みのようですから、なおのことです。知事の中立の化けの皮が剝がれてしまいました。

 

 この状態では、県組織が再稼働に前向きの結論を出すことは間違いないでしょう。それに対して新潟県民がどのような意思を示すか、新潟県の真価が問われます。
 新潟県は、過去に北朝鮮の工作員が容易に入り込んで拉致事件をしばしば起こしました。また、毎年、冬になると大雪で道路がストップし、何日も立ち往生するトラックの映像が全国ニュースで流れます。こんな地理的条件、豪雪地で、万一の原発事故の際は真冬の真夜中でもスムーズに避難できるだけの除雪体制を常時確保しなければなりません。柏崎刈羽の周辺だけでなく、少なくとも半径100キロ程度の範囲の幹線道路は24時間完全に除雪しておかなければ、万一の際の住民の避難はできないでしょう。膨大な費用とエネルギーを費やして二酸化炭素を大量に排出することになります。
 新潟県民や知事が出すべき結論は明らかだと思います。住民の安全を重視すれば、原発との共存など、あり得ません。新潟県の皆さまには、是非、東日本壊滅の危機におびえた福島の事故直後の気持ちを思い出していただきたいと思います。
 国全体としても、そこまで費用をかけるなら、太陽光発電に主力を移す方がずっと安上がりでしょう。


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