泉佐野市が多額のふるさと納税を集めたことを理由に地方交付税を減らされたとして国に決定の取り消しを求めた裁判で、大阪高裁が市の訴えを却下しました。

 泉佐野市が、ふるさと納税で多額の寄付金を集めたことを理由に、2019年度の地方交付税が前年度と比べて4億4000万円ほど減額され、国に対し決定の取り消しを求めて提訴していました。 1審の大阪地裁は決定の取り消しを命じたものの、2審の大阪高裁は5月10日、「地方交付税独自の紛争処理手続きがあり、裁判の対象とならない」として1審判決を取り消し、市の訴えを却下しました。判決では、「国と地方公共団体を当事者とする紛争は、基本的に法律上の争訟にあたらず、国会審議などの民主的な統制の対象とすることで解決すべきであり、本件は裁判所が裁判する権限はない」とも言っています。

 

変な判決だ!

 これは、司法の権限を異常に小さく解釈した、変な判決だと思います。

 独自の紛争処理手続があるのは地方交付税だけではなく、税金など、いろいろな場面で存在します。独自の紛争処理手続で争った結果に納得できなければ、裁判所に訴えられることになっているものも多く、独自の紛争処理手続があるから裁判所は関与しないというのは変です。

 また、国が行う処分に自治体が不満があれば、裁判所に訴えることができることが原則であり、明確な禁止規定もないのに、裁判所に訴えることはできないなどと解釈するのはおかしいでしょう。

 

 地方交付税のそもそもの趣旨からすれば、ふるさと納税で多額の財源を得た自治体の交付税は減らすべきかもしれません。しかし、それはあらかじめ算定の仕方を法令に明記し、制度として組み込んでおくべき話で、今回の総務省のような後出しじゃんけんは許されるべきではありません。
 そんな卑怯なやり口が許されるなら、自治体側としては、危なくて仕方ないでしょう。
 ただ、今回争われているのは普通交付税ではなく、特別交付税です。特別交付税は、総務省にフリーハンドと言っても過言ではない非常に広い裁量権が与えられていて、これまでも総務省は自身の都合で好き勝手に使ってきました。だから、市の請求が棄却されることは私も十分予想していたのですが、却下というのは予想外で、おかしな判決だと思います。
 最もいい解決策は、ふるさと納税制度などという欠陥制度は廃止してしまうことだと思います。総務省も本音はそれに賛成でしょう。もともと総務省は反対していたのに政治がごり押しで導入した制度ですから・・・。

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