生命の誕生を語るには、原初の地球の環境、成り立ちを語る必要があります。したがって、本書には、超新星爆発、太陽の誕生、地球の誕生から始り、生命の誕生から現在までの46億年の歴史が描かれています。
「超圧縮」と題されていても、本編だけで300ページほど、注釈や索引を入れて400ページほどになる分厚い本です。
46億年ほど前に地球が誕生し、8億年ほど後の38億年前には早くも最初の生命が誕生しました。最初はバクテリアのような単細胞の生物で、20億年以上前までには様々な種類のバクテリアがコロニーを作って分業し、相互依存するようになったようです。
光合成を始め、分業から多細胞になり、環境中の酸素濃度が増えたことから動物が誕生し、背骨ができたり陸にあがったりしながら、やがて哺乳類、人類も誕生します。
その間、太陽と地球の距離の変動、プレートテクトニクスや大きな隕石の落下などによって、ほとんどの生命が死に絶えたビッグファイブと呼ばれる5回の大量絶滅があります。その時に滅亡を免れて生き延びた生物の子孫が、人類を含め、現在の地球上に生きている生物たちです。ビッグファイブの中で最も最近のものは、恐竜が絶滅したことで知られている白亜紀末(約6600万年前)の大量絶滅です。
700万年~1000万年前にヒト族の系統とチンパンジーの系統が分かれました。その後、様々なヒト族が現われては滅亡し、現在生き残っているのは、我々ホモ・サピエンスだけです。途中、滅亡した別系統のヒト族であるネアンデルタール人やデニソワ人と交雑しており、純アフリカ人以外のホモ・サピエンスにはネアンデルタール人の遺伝子が混じっており、チベットや東南アジアの人々などにはデニソワ人の遺伝子が残ったいるとのことです。
現在、地球上で生き残っている生物は、過酷な大量絶滅の時代を生き延びてきた生物の子孫なので、今後もどんな環境でも生き残っていけると期待したいところですが、著者によると逆のようです。ビッグファイブなどによって遺伝子の多様性が失われたことが、やがて滅亡の原因になるとのこと。
著者は、地球の気候変動を人類が阻止することなどできないと考えておられ、「地球を救え!」などというのは傲慢だとも言っておられます。人類の滅亡も避けられないと考えておられながら、それでも、できる手は尽くさなけらばならないと本書を結んでおられます。
いろいろ考えさせられる本でした。
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