「となりの億万長者」を読んで興味深く感じたのですが、あれは1990年代の研究に基づいています。社会情勢も変化しているので、あの本に書かれている原則が今も生きているかどうか知りたく、幸い市立図書館にあったので予約し、前著を読んで間もなく本書を読むことができました。

 「となりの億万長者(新版)」(トマス・スタンリーほか)を読んで   参照願います。

 

 本書は前著の続編のような性格ですが、著者は異なります。前著の著者トーマス・J・スタンリー博士と、その娘サラ・スタンリー・ファラー博士が、前著で示した原則が現在も通用するか共同研究を始めた矢先、父のトーマス博士が不慮の事故で亡くなってしまったそうです。娘のサラ博士が引き続き研究を進め、本書を完成されたとのことです。本書は、父と娘の共著になっています。

 結論から紹介すると、前著で示された原則は現在も生きているということです。すなわち、身の丈に合った生活を続け、貯蓄や投資に励めば、誰もがいずれは億万長者になれる!

 本書も、前著同様、調査対象を抽出して多くのサンプルを集め、分析してあります。

 前著には「成功を生む7つの法則」が紹介されていましたが、本書では「となりの億万長者に見られる七つの要素」が紹介されています。ほとんど同じものですが、表現、ニュアンスが微妙に変わっています。

要素1 収入よりも低い支出で生活している。

要素2 資産形成のために、時間やエネルギーや資金をうまく配分している。

要素3 周りを気にしたり、流行を追うよりも、経済的な独立のほうが重要だと思っている。

要素4 両親からの遺産や相続を受けていない。

要素5 子供は経済的に自立している。

要素6 市場のチャンスをとらえるのがうまい。

要素7 自分に合った職業を選んでいる。

 要素7の「経済的独立」というのは、ローンの返済のために働かなくてもいいのはもちろん、仕事を辞めても食っていける状態です。

 前著が大評判を得た後、大勢の億万長者から「これは私だ!」等の感想、体験談が手紙やメールで寄せられ、それらもたくさん紹介されています。本書だけ読んでもいいでしょうが、やはり前著も読んだ方が理解が深まると思います。

 本書の内容には非常に満足しているのですが、日本語版について少し不満があります。
 英単語をそのままカタカナにしたような訳が多く、読みにくいのです。「シクリカル」「コントラリアン」等の言葉は日本では一般的ではありません。「デカ億万長者」は10倍、1千万ドル以上の資産を保有する人のことかと思いますが、確信を持てません。「10キロをバイクで通勤」は日本でいうバイクなのか米国でいうバイク(自転車)なのかも疑問になってしまいます。英語、米語に慣れている読者ばかりではないので、もう少し丁寧に翻訳していただきたいと思います。

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