私が勤めている会社では、年次有給休暇を付与する日、基準日を正社員については1月1日としていました。契約社員については、年度単位の雇用としているため、4月1日です。
1月1日の基準日はいろいろ不都合があるので、今年度(2023年度)中に制度改正をして4月1日に統一するべく、就業規則を改正しました。
「年次有給休暇の基準日を合理的に 1」 参照願います。
移行措置の検討
労働基準法には基準日を統一する手続きも、一度決めたその基準日を移動する手続きも規定されていません。しかし、厚生労働省の通達で基準日を統一する際の守るべき事項を2つ定めています。
一つは統一するために基準日を繰り上げるに際し、短縮した期間は全期間出勤したとみなして出勤率を算定すること、もう一つは次年度以降の付与日についても、初年度の付与日を法定の基準日から繰り上げた期間と同じかそれ以上の期間、繰り上げることです。労働者に不利益な変更は絶対に認められないので、この2条件は妥当なものでしょう。この条件は、基準日を移動する際にも同様に適用されると解されています。
また、基準日(付与日)を繰り下げて前回の基準日から1年を超える日にしたり、期間を短縮する際に短縮期間に応じて按分した日数を付与するなども、労働者に不利になる部分があるので、当然違法です。
したがって、それらの条件を全て満たす基準日変更の手続きは、基準日を前倒しすることしか考えられません。Web上でいろいろな専門家が解説しているのも、私が探した限りでは全てこの方法です。我が社も、その方法で実施することにしました。
具体的対応
2024年1月1日の従来の基準日には、既に在職期間の長い社員には20日付与してあります。2024年4月1日にも20日付与します。これは、改正しなければ2025年1月に付与するはずの分の前倒しです。その後、毎年4月1日の基準日に付与していきます。
就業規則の改正自体は簡単です。1月1日が基準日と定めているのを4月1日に改めるだけです。社員に分かりやすくするため、念のため、改正附則で、経過措置として、「改正後の最初の基準日である令和6年4月1日には、改正前の規則で令和7年1月1日を基準として付与すべきであった日数を前倒しで付与し、その後も毎年4月1日を基準として付与する。」等と定めました。
今後の注意点
年次有給休暇は2年の時効で消滅するため、通常は繰越分は20日が上限です。当年付与分と合わせて、年間40日になります。しかし、この移行措置を実施している間は、繰越分だけで最大40日になる可能性があります。我が社の例で言えば、2024年4月1日には20日付与しますが、その時点では2023年1月に付与した分も2024年1月に付与した分も時効で消滅しないので、使用していなければ繰越分だけで40日になります。
残さずに使おうとする社員は少ないと思いますが、いても非難はできません。
また、移行期間中、繰越日数の管理に注意しなければなりません。でも、なるべく早く実施したほうがいいでしょう。
残る問題や自治体独特の問題などについては、近く別稿で綴る予定にします。
「年次有給休暇の基準日を合理的に3」 に続く
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